不動産投資のリスクヘッジ(4)

物理的・心理的など、瑕疵物件の種類とは?不動産投資でのポイントも

(写真=sommart sombutwanitkul/Shutterstock.com)
(写真=sommart sombutwanitkul/Shutterstock.com)
不動産投資を行っていくと、さまざまなリスクに直面します。その最大のリスクは、空室リスクでしょう。賃貸管理会社と空室保証やサブリースに関する契約を結んでいない限り、入居者が決まらないと家賃は入って来ず、金融機関への支払いや固定資産税、管理費など支出ばかりで、完全な持ち出しとなります。その他に、地震や台風などの自然災害によるダメージや、火災などのリスクもあります。今回は、それら以外のリスクである訳アリ物件、つまり瑕疵物件を購入することを避ける方法を解説します。

(本記事は2019/01/09配信のものを2019/10/10に更新しております)

▼目次

  1. 物理的な瑕疵
  2. 心理的な瑕疵
  3. 環境的な瑕疵

物理的な瑕疵

まず、物理的な瑕疵としては、欠陥建物を購入してしまうことでしょう。ある程度の経年劣化による建物の老朽化は仕方ないものですが、建物が傾いていたり、雨漏りがしたりするなどの大きな瑕疵があった場合、「その費用は誰が負担するのか」という問題が出てきます。

不動産売買を行う際の基本として、瑕疵担保責任があります。瑕疵担保責任とは、売買の対象となる不動産に、買主が通常の注意を払っても知りえなかった欠陥や傷などの「隠れた瑕疵」がある場合、売主が負う責任のことです。

もし、売買物件に構造部分の欠陥や雨漏りなどがあった場合、買主は売主に対し、損害賠償や契約解除を求めることができます。なぜなら、瑕疵ある物件を購入した買主側が、瑕疵がないと想定して定められた売買代金を支払わなければならないという買主と売主との間の利益のバランスを取るからです。

また、売主が瑕疵を知らなかった場合でも、売主は瑕疵担保責任を負います。すなわち、売主が知っているか知らないかは関係がないのです。

実務的には、購入前の建物に瑕疵がないかを確認するため「物件状況確認書」を取り交わすケースが多くなっています。物件状況確認書には、下記の事項が網羅されており、それぞれについての現況が記載されています。
  • 雨漏り
  • シロアリ被害
  • 建物の瑕疵(傾き・腐食・傷その他不具合)
  • 石綿使用調査の結果の記録
  • 給排水施設の故障・漏水
  • 新築時の建物確認通知書・設計図書
  • 住宅性能評価
  • 耐震診断
  • 増改築・修繕・リフォームの履歴
特に建物は、水回りから傷んでくることが多い傾向です。もちろん、全体的に見る必要はありますが、給排水周りを重点的に見ることが大切です。

心理的な瑕疵

心理的な瑕疵は、「この物件に住みたくない」と思わせる問題のことです。特に不動産投資における投資物件の場合、賃借人が住むことをためらう物件です。例えば、以前に殺人事件や自殺があった物件で、いわゆる「事故物件」と呼ばれるものがこれにあたります。これは、目に見える瑕疵ではないですが、心理的に事故物件は入居が避けられることが多い傾向です。最近は、「大島てる」といった事故物件を調査したサイトがあるほどです。

また、事故物件についても、法律上不動産販売者の「告知義務」があることになっています。ただ、「何年前の事件・事故まで説明しなければならないのか」について、法律上明確な規定はありません。また、高齢者の孤独死などがあった物件も告知するかどうかは、特に定められていません。いわゆるグレーゾーンとなっているのが現状です。

そのため、心理的な瑕疵について積極的に買主に告知をしない業者も多いようです。一方で、物件調査を行ったうえで得た情報や、売主から聞いた情報を必ず買主に告知している責任感のある宅建業者も少なからずあります。

環境的な瑕疵

環境的な瑕疵とは、物件の周辺環境の問題です。具体的には、騒音や振動、悪臭があったり、近くに反社会勢力の人が住んでいたりすることなどです。

購入前に環境的な瑕疵がないか確認するベストな方法は、「現地へ足を運び周辺の環境を確認する」「昼や夜、平日や週末など時間をずらして行ってみる」ということをおすすめします。賃借人の身になって考え、入居をためらうような気になるポイントがないかチェックしましょう。

また、マンション内に反社会勢力の事務所が入っていると業者が認識していた場合は、売る側の人間が買う側の人間に必ず伝えておくべき情報として、宅建業者に法律上の説明義務が生じる可能性があります。

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