マンション投資の管理
2018/04/26

資産価値の向上へ!「建て替え」で蘇るマンションの価値と魅力

(写真=UfaBizPhoto/Shutterstock.com)
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「マンションを建て替える」と聞くと、どのようなイメージを持つでしょうか。多くの人はマンションが住めなくなるほどに老朽化したから建て替えるのでは、と思うかもしれません。確かに、あらゆる物は、経年劣化によって古くなります。どんな物にも寿命があるのです。短期間しか使用しない消耗品ならまだしも、マンションやアパート、あるいは一戸建てなどの「住宅」の場合、経年劣化をあらかじめ加味しておかなければなりません。長期間にわたって使用するものだからこそ、経年劣化を考慮して試算する必要があるのです。

とくにマンションを所有している人にとって、経年劣化をきちんと織り込んだ計画が必要になります。もし、経年劣化による老朽化がマンション経営を大きく悪化させている場合には、リフォームやリノベーション、あるいは建て替えを検討することになります。

しかし、建て替えが行われる理由は老朽化だけではありません。実は都心部を中心に、まだまだ居住可能な区分マンションでも建て替えが行われるケースが見受けられます。今回は都心部の区分マンションの建て替えが行われる理由をみていきます。

マンションの寿命とは?


鉄筋コンクリート造(RC造)マンションの法定耐用年数は47年ですが、この年数はあくまで目安です。建築された年代や管理状況にもよりますが、現実的な耐用年数として、日本建築学会(JASS5)では標準的なRC造の建物の場合には大規模補修が不要な期間は65年、そして供用限界期間は約100年としています。建築技術が日々発達していることも考慮すると、実際の寿命としては100年以上とも考えられています。

【参考記事】どのぐらい持つのだろう!?マンションの寿命とは?

マンションを建て替える3つの理由


マンションを建て替える理由には、どのようなものがあるでしょうか。大きく3つのパターンをみていきます。

①耐震性の強化

マンション建て替えの理由としてまず思い浮かぶのは、耐震性の強化です。1981年6月1日に建築基準法の改正が行われ、耐震基準が厳格化されました。これは1978年6月12日に発生した宮城県沖地震を受けて改正されたものです。

耐震基準の定義としては、旧耐震基準(1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物)では「震度5程度の地震で倒壊しないこと」だったのが、新耐震基準(1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物)では「震度5強程度の中規模地震でほとんど損傷しないこと」および「震度6強から震度7に達する程度の大規模地震(阪神・淡路大震災クラス)で倒壊・崩壊しないこと」とされ、従来よりも高い耐震性が求められることとなりました。

つまり、旧耐震基準のマンションは、地震への備えが十分でないケースがあります。そのため災害リスクが高まり、資産価値が低くなってしまうのです。

新耐震基準に対応させ、耐震性を強化するためには、建て替えのほかに耐震改修を行う方法もあります。しかし、根本的な構造に問題があるために建て替えが必要となるケースや、建物の劣化度合いや改修した場合の費用、建て替え後の資産価値向上などを加味すると、建て替えを選択したほうが効果的なケースがあります。

②共用設備の更新

マンションを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要になってきます。区分マンションでは、各部屋の所有者は管理費と修繕積立金を管理組合(または建物管理会社)に毎月納めますが、そのうち修繕積立金は大規模修繕を行うための資金となります。

大規模修繕では建物や共用設備を良好な状態に保つための工事を行います。具体的には、外壁や屋根、バルコニーなど建物に関わる工事と、給排水管や消防設備、エレベーターなどの設備関係の工事があります。工事内容が多岐にわたるため、大規模修繕を行うよりも全体を建て替えてしまったほうが費用は少なく済むケースがあります。また、将来的な資産価値の低下や建て替え後の資産価値の向上を考慮し、建て替えを選択するケースもあります。

③都市計画・再開発による建て替え

これまで述べた2つの理由はマンション自体から生じるものですが、一方で立地の面から建て替えの理由が生じることもあります。それが都市計画や再開発による建て替えです。具体的には、マンションの敷地の一部が都市計画道路の予定地となっていて、道路建設や幅員拡張を行う際に建て替えが必要となるケースや、自治体や大手デベロッパーが主体となる再開発のプロジェクトが持ち上がり、エリアを一体的に開発する場合に建て替えとなるケースがあります。

このようなケースには、建て替え資金の捻出がしやすいという背景があります。例えば、立地によっては容積率の緩和などの特例により、建物の延床面積を増やすことができれば、部屋数を増やして販売することで収益が得られます。また、事業性が評価され金融機関からの融資を受けられるケースもあります。さらには、一部屋あたりの平米数が増加すれば収益力が高まり、区分所有者から資金を集めやすくなります。そのため、築年数がそれほど古くない区分マンションでも建て替えが進められています。

※容積率:敷地面積に対する延床面積(床面積の合計)の割合

また、再開発プロジェクトによって、街全体が生まれ変わります。再開発を行うことで社会的には経済効果が生まれますが、それだけではなく、街で生活する人が実に多くのメリットを享受できます。例えば、歩行者や自動車道路の整備により交通利便性が得られます。また、緑化や公園・広場の整備により良好な生活環境が形成されます。さらには、新しくなった街の良好な景観を楽しむこともできます。このような「良い街」にあるマンションは必然的に居住者から選ばれやすくなるため、賃料や物件価格が高まり、マンションの資産価値が向上するのです。

特に、都心部では相次いで再開発が行われ、2020年の東京オリンピック以降も再開発計画がいくつも控えています。東京は世界的にみてもトップクラスの都市であり、オリンピックを契機にさらに世界的地位を向上させることが期待されています。都心部では今後も新たな再開発計画が策定されるかもしれません。仮に再開発に伴い、所有する区分マンションの建て替えが行われれば、資産価値を大きく高められる可能性があるのです。

このように区分マンションが建て替えとなる理由はさまざまありますが、ポイントとしては「資産価値の向上」を目的として建て替えが決定されるという点です。

「都心部の区分マンション」だからこそ建て替えが可能となる


当然、居住できなくなった段階で建て替えを検討し始めるのでは遅く、居住できないというレベルでなくても、古くて住みにくいとなれば建て替えが検討されるでしょう。

しかし、区分マンションの建て替えにはハードルもあります。区分マンションについて定めた法律「区分所有法」では、「マンション建替え決議」には区分所有者および議決権の5分の4以上の賛成が必要とされています。必要数の合意が得られないために、建て替えが進まないというケースも見受けられます。建て替えには多額の資金が必要となることもあり、「居住性の向上」というメリットだけでは、なかなか建て替えが進まないのが実情です。

それにもかかわらず、都心部では区分マンションの建て替えがいくつも行われています。その理由は、都心部であれば居住性の向上だけでなく、資産価値の向上が見込めるためです。地方や郊外では住宅需要、賃貸需要が低くなっていることを考えると、建て替えを行っても資産価値の向上が期待できないケースも多いでしょう。一方で都心部では今後も人口流入が予測され、住宅需要、賃貸需要が高く見込めます。加えて、容積率の緩和などの特例や、周辺の一体的な再開発による建て替えであれば、大幅に資産価値の向上が見込めます。そのため建て替え資金を得やすく、合意形成がスムーズになるのです。

まとめ


長期的に考えたとき、マンションが古くなったら建て替えをする可能性もあります。費用や手続きの面からマイナスに受け止めてしまう方もいるかもしれません。しかし、都心部の区分マンションを所有していれば、むしろ将来の建て替えにはプラスの効果が期待できます。特に注目したいのは、容積率の緩和などの特例により建物の延床面積を増やせること、一体的な再開発で街全体が生まれ変われば、良好な周辺環境のマンションとして資産価値の向上が期待できることです。

マンション投資を行うにあたっては、長期的な視野が必要となります。まずは将来にわたる賃貸需要から安定した家賃収入を得ることを考慮したうえで、都心部の区分マンションだからこそ得られる建て替えのメリットを理解しておくと良いでしょう。

なお、不動産投資では区分マンション以外に、一棟マンションやアパートに投資する方もいます。区分マンションでは今回述べたように「耐震性の強化」や「共用設備の更新」を管理組合が主体となって行いますが、一棟マンションやアパートではオーナー一人で全て責任を持って行う必要があります。このような点も加味して投資する物件を選ぶと良いでしょう。

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