不動産投資の基本
2017/11/28

進化するIoTは不動産投資にどんな変化を与えるのか

(写真=one photo/Shutterstock.com)
(写真=one photo/Shutterstock.com)
インターネットを介して様々なものがつながるIoTというキーワードが、注目されています。分かりやすい例では、腕時計などのウェアラブルデバイスがあります。内蔵のセンサーがインターネットにつながり、体温や脈拍数の身体情報を管理したり、運動に役立てたりすることが当たり前のようになっています。

IoTとは、”Internet of Things" の頭文字を取ったもの。インターネットがあらゆるものにつながるというコンセプトで、新たなビジネスを生み出しています。外出先からエアコンをつけたり、帰宅前に照明を点灯させたりするなどの生活シーンにとどまらず、温度や湿度を測定するセンサーなどを応用して生産性を上げるなど、農業や漁業といった分野にまで広がっています。まさにインターネット時代ならではの活用法が注目されています。

スマートハウスの活用でビジネスチャンス


不動産業界におけるIoTは、アメリカから始まったスマートハウス構想が基本です。もともとは住宅内に設置したセンサーを活用し家電や設備機器を制御する目的で、室内の温度管理などの使い方が主流でした。しかしインターネットの普及で、最近はデータの収集や解析なども視野に入っています。これらをベースに新たな機器が開発され、住生活関連の新たなビジネスチャンスが広がっています。

IoTの活用について不動産業界への期待は大きく、家電業界とのコラボなど新たな戦略が描かれています。具体的には、スマートハウスをさらに進化させた新しいライフスタイルが注目され、こうした機能を装備した住宅には不動産投資家の熱い視線が集まりそうです。

スマートフォンがリモコンに、防犯機能も


スマートフォンがリモコンになるようなイメージもIoTによってさらに広がっています。最近では室内の温度や湿度、明るさの情報をスマートフォンに表示し、外出先から操作することでより個人の生活に役立つ使い方が可能になっています。

防犯機能に関してもさらにスマートになり、遠隔でリアルタイムにエントランスや駐車場の状況確認ができるアパートなども見られるようになりました。画像解析によって、何かの動きを検知すると、メールなどでアラート通知が行われる仕組みもあります。単身で住む女性などにとっては強い味方といえるでしょう。

インターネットにつながった住宅では、スマホと連動したドア・窓の鍵の施錠確認や見守りサービスもあります。さらにスマートキーと呼ばれる鍵も使われ始めました。カバンにスマートキーを入れたままワンタッチで解錠もできるもので、大家さんにとっては、スマートロックに変えることで、付加価値を高め、入居率を上げるといった戦略も取れます。両手がふさがっていても施錠・開錠が簡単にできるので、子育て中のママなどからも歓迎されるでしょう。

国の取り組みも本格化


国でもIoT普及について取り組みが進んでいます。国土交通省は今年9月、平成29年度サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)採択プロジェクトを採決しました。これは住宅にIoT技術等を活用し、新たな住宅・サービスの実現を目指すもので、実証実験を行うため4つの事業者が選ばれました。テーマは防犯対策の充実、家事負担の軽減、時間短縮、物流効率化への貢献など広範囲にわたります。こうしたテーマにIoTを活用して効果を検証する予定です。

またIoT活用の中で、今後大きく期待されるのが高齢者の生活支援サービスです。一人暮らしや夫婦のみの高齢者世帯が増加していますが、特に介護などの分野では人材不足が目立ちます。住宅のIoT化により、介護力を高めるとともに、快適な生活への道筋を描こうというものです。ウェアラブル端末など高齢者が煩わしく思わないような方法で生体情報などのデータを取得し、それを基に新たな機器開発などを目指すもので、服薬管理や認知症高齢者見守りサービスなどの画期的なサービスが期待されています。

魅力的なリフォームを施した住宅が好まれるように、IoT的付加価値を持った住宅は潜在的な需要の受け皿になるため、今後の不動産投資にも影響を与える可能性は大きいでしょう。

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