不動産投資をしようと考えて、物件探しをしていると、思わぬ高利回り物件を見つけることがあります。ですが、冷静になりましょう。高利回り物件がそうそう市場に出回ることはありません。大抵の場合は、業者が先に口コミで抑えてしまいます。市場に出るということは、そうした業者の買い手がつかなかったという物件であり、リスクが潜んでいる可能性があります。
高利回り物件に飛びつく前に、まずは落ち着いて、なぜ高利回りなのかを考えてみましょう。
高利回り物件に潜んでいるリスク
まず、広告で宣伝される利回りは、表面利回りであることを考慮しましょう。実質利回りとは差があります。表面利回りとは、単純に家賃収入を物件価格で割ったものです。ですが、実質利回りは、家賃収入から諸経費を引いたものを、物件購入価格で割ったものになります。(物件購入価格に購入時の諸費用を加えて算出する場合もあります。)
実際に購入して不動産投資を運用するときは、この実質利回りが重要になってきます。表面利回りの高さだけに惑わされていてはいけません。
そして利回りが高いのには理由があります。例えば、同じ入居者が長く住んでいて退去後には同じ賃料では貸し出せないケースがあります。また、築年数が古くて、金融機関からの融資が短くしか受けられず、毎月の返済額が大きくなってしまい、結局利益率が大きく低下するケースもあります。
利回りは入居者がいてこそ
不動産投資で最も怖いのは空室です。入居者がいてこそ、家賃収入があるのです。そして、家賃収入があってこそ、利回りという計算式が成立します。空室リスクが高い物件には安易には手を出すべきではありません。物件選びは、単純に資料上の利回りを基準に判断してはいけないのです。
あまりに周辺相場と比べて利回りが高い物件には、何らかの事情があるケースが隠れています。元のオーナー側の事情で売り急いでいる場合も考えられますが、思わぬ欠点やトラブルの恐れがありますので注意しましょう。
リカバリー可能なリスクなら、検討の価値あり
例えば、駅から遠いなど物理的な諸条件が悪くて入居者がいない、という場合は、リカバリーのしようがありません。ですが、室内が汚れている、設備が古いといった場合は、オーナーとして対処することで改善することができます。もしもそのような事情を解決できるのであれば、良い収益を生んでくれる物件として検討してみてもいいでしょう。
高利回り物件、リスクが顕在!?
高利回り物件は、数字で表現されるため、目がいきがちです。しかし、利回りが高いのに誰も手を出さないということは、それなりにリスクが潜んでいる可能性があります。高収益物件がそうそう市場に出回ることはないと、疑ってかかったほうが賢明かもしれません。
思わぬ落とし穴があり、一度買ってしまうと今度は売るに売れない、という損失ばかりの物件になってしまうリスクがありますので、購入の際はくれぐれも注意しましょう。表面利回りと実質利回りの差をよく見て、どの程度の費用がかかるのかしっかり確認してから物件を購入しましょう。あまりに高利回りの物件は避けたほうが無難です。
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