不動産投資は資産形成の強い味方になります。もちろんリスクがないわけではありませんが、言い換えれば、あらかじめリスクを想定し、可能な限りの対抗策を打つことによって、リスクをなくしたり、軽減したりすることができます。知らない事が一番のリスクと言えるのかもしれません。
今回は不動産投資のリスクについて考えていきましょう。まずは、不動産投資のリスクとして代表的な、空室リスクと家賃滞納リスクから順番に説明していきます。
空室リスクとは?
不動産投資物件を購入するにあたり、その物件を購入したらどの程度の家賃収入が見込め、毎月の融資返済額はいくらになるかなど、収支のシミュレーションを見立てます。ただ、この見立ては、あくまで「想定」でしかありません。実際に物件が稼働してから、入居率が見立てを下回ってしまうこともあります。これが不動産物件の持つ「空室リスク」です。
逆に入居率が見立てを上回り、思わぬ収益を生んだという成功事例もありますが、計画を下回ることは避けたいものです。
空室リスクにはさまざまな要因があります。
● 立地が悪い
駅から近い物件が好まれやすいため、最寄りの駅から遠い場合は入居率が下がる傾向にあります。また、駅から近くても玄関の前が急な坂だったり、通路が狭い道に面しているなど不便な場所であれば、物件が魅力的であっても入居を決めてもらえない場合があります。
● 建物管理が悪い
外観の壁のタイルが剥がれている、エントラスが汚れている、電球が切れたままになっている、雑草が生えたままになっているなど、外観や共有部分の管理がされていない物件は印象が悪いものです。外見の管理がされていない物件は、室内の管理もきちんとされていないと入居者に思われてしまいます。
● 間取りがニーズと合わない
物件のある地域では単身者が多い場合に、ファミリー向け物件の入居者を募集してもなかなか空室は埋まりません。地域ごとの需要に沿わない場合、家賃が相場より安くても空室が埋まりにくい傾向にあります。
● 生活環境が悪い
夜中まで営業している娯楽街が近い、壁の落書きが多い、不審者が出やすいなど生活環境が悪い場合、入居者に嫌厭されがちです。
いくつか例をあげましたが、不動産投資をはじめて行う投資家には分からないものもあるでしょう。
数多くの物件を見てきている不動産会社からこれら空室リスクの要因を摘みたいものです。とはいえ、投資家自身も可能な限り「空室になりにくい物件」を調べ、自身の購入物件には該当しないようにすることが重要です。
空室になりにくい物件とは?
空室になりにくい物件には、「利便性」「賃貸需要のあるエリア」「良好な管理状態」「差別化」などがあげられます。
また空室による収入ゼロを絶対にだしたくない場合は、サブリースもおすすめです。サブリースとは物件所有者がサブリース会社に一括で借り上げてもらい、物件所有者はサブリース会社から一定の賃料を得る方法です。その場合、仮に所有物件が空室だったとしても家賃保証があることで空室リスクをヘッジすることができます。
家賃滞納リスクとは?
切れ目なく入居者が入っていても、不動産オーナーにとって思わぬリスクとなることがあります。その1つが「家賃滞納リスク」です。
家賃滞納リスクとは、部屋を借りる入居者から家賃が支払われず、不動産オーナーにとって安定的な収益にならないリスクを指します。
入居者の経済状態の変化や手続き違いにいたるまで様々な理由がありますが、不動産オーナーにとってリスクであることは変わりません。
これには、いくつかの方法で対策することができます。
入居時において入居(希望)する人に安定的な収入がない場合は、当然ながら家賃滞納リスクは高いといえます。また、家賃不払い時を予測して「家賃保証会社」をつけることで、いざという場合の保険をかけることができます。家賃保証会社は入居時の連帯保証人を代行するサービスです。家賃滞納が発生した際は入居者に代わり、家賃保証会社が滞納家賃を支払うことになり、家賃滞納リスクを軽減することができます。
空室リスクや家賃滞納リスクについて確認しました。不動産投資に限らず、リスクのないところにリターンはありません。不動産投資のリスクを把握して事前に対応することで回避できる部分が多いのです。
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