不動産投資の基本
2017/09/07

不動産投資のリスク(3) 火災/地震リスクの対応方法

(写真=Khakimullin Aleksandr_Shutterstock.com)
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不動産投資で物件を購入した後は「天災」に気をつける必要があります。特に最近は大雨や地震などの災害も多く、不動産投資のリスクが増えているような状況です。今回はこれらのリスクを保障する「火災保険」「地震保険」について詳しく見ていきましょう。

火災保険とは?

火災保険は家屋や建物の保障を目的として加入する損害保険です。火災等によって建物や家財が被害を受けた場合、その評価額が算定され、所定の手続き後に相当分の保険金が支給されます。「居住用のマンションや一戸建ての保険」というイメージが強いですが、投資物件用の火災保険も実は充実しています。投資物件用の火災保険は主に建物に対する保険で、家財に対する保険は借主側で加入するのが一般的となっています。

金融機関から不動産の購入資金を借り入れる際、多くは合わせて火災保険にも加入します。火災等による物件の損失は金融機関にとっても「負債」であり、リスクとなるためです。火災保険に加入することを条件に融資を実行する金融機関も多いです。もちろん、不動産投資家にとって火災等による損失を日常生活に持ち込ませないためのリスクヘッジでもあります。

この火災保険に付帯して加入するのが地震保険です。この保険は、地震による被災者の生活再建を目的としています。国と民間の共同運営という立ち位置が強く、民間保険会社の負担の一部を国が負担する仕組みで成立しています。

不動産投資の初期費用を節約したいと考える人も多いでしょう。しかし、どこで大きな地震が発生するか分かりません。地震保険もセットになった保険の加入をおすすめします。
 
地震保険は地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害で、建物または家財が全損、半損、一部損となったときに保険金が支払われるのが特徴です。仕組みは火災保険と似ていて、損害保険会社の担当者により損害のチェックのあと、保険金が支払われます。

また、災害時には自治体が「罹災(りさい)証明書」を発行し、その内容によって全損などの損失度合が決まります。地震保険は単体で入ることはできず、必ず火災保険とセットで加入することになります。なお、すでに火災保険に加入している人は、後から付帯することもできます。地震保険の保険料は、地域によって異なっています。

なお、火災保険も地震保険も、建物の構造によって保険料率が変わってきます。例えば木造アパートよりも鉄筋コンクリート造のマンションのほうが火災や地震等の災害に強いと考えられるため、保険料が割安に設定されます。

損害保険会社はどうやって選ぶか

火災保険・地震保険に加入するには、不動産投資とは別に損害保険会社に加入の手続きをする必要があります。不動産会社や金融機関のなかには損害保険会社と提携しているところも多く、自社と「近い」火災保険を紹介してもらえることが多いです。

また、物件選びにおいて「新耐震」という言葉はチェックしておくようにしましょう。1981年を境に、国による耐震基準が大きく変わりました。これにより、新耐震以降の建物であれば地震保険の保険料が割引される可能性が高いのです。割引の可否や割引範囲は各保険会社によって異なります。

手に入れた不動産物件は「資産」になりますので、保険で守っていきたいものです。保険周りはどうしても難しい言葉やルールなどで手をこまねいてしまいますが、不動産投資家が保険に向き合うことはとても重要なことです。

自身の物件に関わる部分だけでも情報を取り入れるようにしましょう。また、これらの保険の保険料は随時見直しが入る流動性の高いものです。最新の動向などを確認し、今どのような状態なのかを押さえていくことをおすすめします。


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