不動産投資のメリットは金融機関から融資を受け、自己資金に対しレバレッジをかけて投資ができる点にあります。もちろん、ある程度の条件をクリアしなければならないわけですが、なぜ金融機関は不動産投資に対し、お金を貸したがるのでしょうか。
今回は不動産への融資が金融機関から重宝がられる理由や貸し出しの背景などについて紹介していきます。
マイナス金利政策導入で銀行融資が活発化
金融機関は預金などで資金を預かり、預金者には金利を支払います。預かった資金を預金者に支払う金利以上の利回りで運用することで利ザヤを稼ぎます。しかし主な運用先であった国債の利回りも低下。さらに日銀の当座預金に資金を預けた際には金融機関が金利を支払うマイナス金利政策も継続されており、優良な融資先の確保が重要というわけです。
そのような状況の中、不動産投資は金融機関にとって、優良な貸出先の1つとして活発に融資が行われている状況です。
融資判断の基準について
金融機関は不動産投資に融資を行う際、融資したお金を回収できるかどうかといった点を審査します。
審査のポイントはズバリ「ヒト」「モノ」「カネ」です。
「ヒト」とは融資を受ける方の年収、勤め先と勤続年数などが該当します。大手企業や公務員などは給与が安定しているため審査では有利に評価されます。また、勤続年数が長いことも、今後も安定して就業する可能性が高いと判断されるため重要な判断基準となります。
次に「モノ」です。物とは物件を示します。物件の価値(担保価値)とキャッシュフローを審査します。物件評価についてですが土地は路線価、建物は躯体別に単価を付け積算したものに掛け目を入れて判断することが多いようです。金融機関によって評価方法は異なります。キャッシュフローについては空室率や家賃下落率、金利が上昇した際にどこまで耐えることが可能かのストレスチェックをして評価します。
最後は「カネ」です。金融機関は融資を受ける方の資産についてもチェックします。預貯金はもちろん、ローン、不動産などが審査の対象となります。
このように金融機関はいくつかのポイントをチェックし、万が一ローンが支払えなくなった際も回収できる見込みがあるかどうかといった点をチェックします。
こうした審査をクリアし、回収リスクが低いと判断された方が融資を受けることができるという仕組みになっています。
ローン対象不動産は売却できるものかどうか?
金融機関で不動産投資のローンを組む場合、担保設定がなされることも少なくありません。これは、支払いが滞ったときに不動産の所有を金融機関が持つためのものです。当然ですがローンが完済すれば金融機関の担保は抹消されます。
金融機関は、万が一の事態に備えて、ローン対象不動産がどの程度で売却できるかどうかといった点も審査をします。
いくら物件を担保に入れても、融資金額に対し価値が低い不動産では売却の際、資金回収ができないことになります。こうしたリスクを低くするために売却時に「いくらで売れる?」といった点も考慮して審査の対象とします。
金融機関にとってのメリット
ここまで紹介してきました通り、融資審査をクリアした方が金融機関の融資を受けることが可能となります。金融機関側が「回収できる」と判断した方が、優良顧客ということになります。
金融機関側としては融資を行うと金利が収入になります。優良顧客には多くの融資を行いたいという意向があります。不動産投資はいざという時の資金回収の目途も立ちやすく、金融機関としてはリスクの低い貸し出し先と目されています。いつまでこのような状況が続くかはわかりませんが、上手に活用し資産形成に励んでみてはいかがでしょうか。
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