「何から手をつければいいのか分からない」。これから資産運用を始めようと考えている人の多くは、こう考えているのではないでしょうか。特に日本人は、資産運用に関する基礎教育を受けておらず、また自ら情報を収集しようとしなければ情報も集まりません。親しい人とお金の話をすることも、日本ではそれほど多くはないでしょう。
アクサ生命が行った「将来のお金に関する意識調査(2017年3月)」によると、実に、全体の約8割が「将来に不安を感じている」「やや不安を感じている」と回答しています。そのうえで、将来不安を軽減・解消するために何らかの準備をしている方に対してその手段について聞いてみると、「リスクのある金融資産への投資」をしている人はわずか3割しかいないことがわかりました。さらに、リスクのある金融資産への投資を行っていない人にその理由を聞くと、「金融商品の知識がないから(56.9%)」が大半を占めています。
投資初心者がいきなり資産運用について勉強することでは得策とは言えません。まずは最初の一歩として、「家計の把握」を優先することが大切です。では、なぜ家計の把握が資産運用において重要なのでしょうか。資産運用の全体像とともに、その必要性について考えてみましょう。
最初に「家計の把握」が大事な理由
資産運用をスタートするにあたり、必要となるのは「資金」です。運用に回せる資金がなければ、資産運用を始めることはできません。そのため、まずはどのくらいの資金を資産運用に充てられるかを把握し、その上で最適な方法を模索していくことになります。
そもそも、資産運用に充てる資金はどのようにして捻出すればいいのでしょうか。その前提となるのが「家計の把握」です。家計の状況を把握し、どのくらいの金額であれば無理なく運用できるのかを考えなければ、適切な投資はできません。だからこそ、スタート時に家計の把握が欠かせないのです。
特に、普段から家計について意識を向けていない人は、ここであらためて家計の状況をチェックしておく必要があります。場合によっては、削減できる無駄(浪費)があるかもしれません。その無駄を放置したまま資産運用をしても、効果は限定的となってしまうでしょう。
家計の見直し時に注意したいポイント
家計を見直す際に注意したいポイントは、大きく3つあります。
まずは、「支出と収入のバランス」です。支出と収入はすべての会計における基本です。このバランスが支出に偏っていれば赤字が続くことになりますし、高収入の方でも家計が苦しいという場合は、収入以上に支出が多くなっていることを疑うべきでしょう。大切なのはバランスです。
次に、支出を固定費と変動費に分けてみましょう。固定費として代表的なものは、家賃やローン返済、光熱費、通信費などが挙げられます。これらの費用は毎月発生します。一方、変動費には食費や日用品、交際費、レジャー、美容費や被服費があります。それぞれの違いを理解したうえで、削れる部分を模索してみてください。
3つ目のポイントは、「将来必要となる資金の見積もり」です。住宅ローンや車のローンあるいは教育費など、ライフプランに応じて必要となる資金が決まります。ライフプランを見通したうえで将来必要となる資金を見積もっておけば、資産運用に回せるお金の額もより正確に導き出すことが可能となります。
支出を減らして資産運用にあてよう
このように、きちんと家計を確認してから資産運用に取り組むことによって、生活への影響を最小限に抑えることができます。資産運用は、途中でやめてしまっては意味がありません。金利(とくに複利)の効果を考えてみても、より長く継続してこそ効率良く利益を得ることができるのです。
そのためには、まず、家計をあらためてチェックしてみること。俯瞰することで、自ずと無駄が見えてくることでしょう。それらの無駄を削ってから資産運用をはじめても遅くはありません。とくに初心者の方は、いきなり方法論を模索するのではなく、自らの生活をあらためることから始めてみてはいかがでしょうか。
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