資産運用を始めたいけれど、たくさん商品があり一体何から始めたらいいのか分からない……と感じている人は多いのではないでしょうか。どんな方法が合っているのかは人それぞれですが、どんな商品であっても、メリット・デメリットをしっかりと理解することが大切です。
自分が何をやっているのかも分からない状態では、投資の成功は望めないでしょう。今回は、最近注目されているETF(上場投資信託)、金投資、海外不動産投資の3種類の投資方法について、概要・メリット・デメリットを解説していきます。
(本記事は2017/09/01配信のものを2020/02/23に更新しております)
ETFとは(Exchange Traded Fund)の略で、名前の通り取引所に上場しているため、株式と同じようにリアルタイムに売買が可能な投資信託のことを指します。
その種類は豊富であり、212本のETFが東京証券取引所に上場しています(2017年8月時点)。TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価など総合株価指数に連動するように組み合わせたものもあれば、「銀行株」や「商社株」など業種別株価指数に連動をするものもあります。
また、予想配当利回りの高い数十社の株価で構成された株価指数に連動する「高配当株」タイプ、利益や配当、人件費、設備投資、研究開発費等を基にした定量的な判断により企業価値の高い企業のみを選定した銘柄で構成される指数に連動するタイプなど、テーマ別に特化した商品もあります。
ETFは少額の投資金額で、分散投資をすることができます。そのため、投資の経験が浅く、知識がない場合でも気軽に購入をすることができます。また投資信託と比べると手数料が安いこともメリットです。例えば一般的な投資信託は運用費用として、信託報酬が年間約1.5%前後かかるものが多いですが、ETFは指数連動型のため企業調査などのコストが少なく、信託報酬は年間約0.15%前後のものが一般的です。
株式を個別に保有した場合と比べると、どうしても運用してもらう商品であるため、信託報酬を払わなくてはいけません。その分、運用益は目減りします。また、株式の値動きに連動する商品であるため、運用損が出てしまう可能性は常にあります。
現金で金地金を購入する投資で、現物資産として注目されています。金の価格も株式などと同様、世界中の売買をもとに変動していますので、場合によっては購入した値段より高く売れる可能性もあります。
金は埋蔵量に限りがある上に、世界中で需要があることから、無価値になるのは考えにくいでしょう。そのため、株価の暴落、紛争・テロなどの世界情勢の変化が起きても、値崩れしにくい資産として人気を集めています。金は「世界情勢が不安になると金が購入され、値段が上がる」といわれています。
金投資は基本的に米ドル建てで行うため、為替の変動次第で購入できる量が変動することがデメリットです。例えば、1ドル80円の時に10,000円分の金を購入した場合と、1ドル125円の時に10,000円の金を購入した場合とでは、前者の方が得られる金のグラム数が多くなります。そのため、金投資を行う際は常にドル円の為替の動向に気を配る必要があります。
また、他の金融商品のように、金は持っていても利息や配当はつきません。値崩れしにくい分、資産が増えにくい投資といえます。
文字通り、海外の不動産を購入し、その家賃収入を得て利益をあげることです。日本で購入できるものと、外国の不動産会社を通して購入手続きのできるものに分かれます。
人口減少時代を迎えている日本。東京圏などの都市部では増加している地域もありますが、一部を除き各地域で人口は急激に減少しています。一方で東南アジアのフィリピン、タイなど高い経済成長を続けている国の不動産に投資すれば、家賃収入を継続して得やすいうえに、物件自体を購入価額より高い金額で売却できる可能性があります。
まずはじめに、これまでの海外不動産投資の一番のメリットといわれていた「減価償却費を費用として不動産所得から差し引けることによる大きな節税」が、令和2年度税制改正大綱の以下内容にて2021年確定申告分から享受できないこととなってしまっており、今後も起こりうる税制改正によるリスクが明らかになっています。
【令和2年度税制改正大綱】
3.租税特別措置等(国税)〔新設〕国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例を次のとおり創設する。
国内不動産投資と比較すると、購入原資として金融機関から融資を受ける難易度が上昇します。海外の金融機関を使うのが一般的であるため、融資の相談に応じてくれる国内の金融機関自体が少ないうえに、自己資本比率や融資額についても制限が厳しい場合が多いでしょう。
また、金利も日本の金融機関に比べると格段に高い点にも注意しましょう。さらに国によってはいきなり法律や規制が変わったりするのは珍しくありません。日本では可能性の低いリスクがあることを踏まえて投資を検討しましょう。最悪のケースでは、いきなり外国人の不動産保有が禁止され、財産が没収される可能性なども考えられます。
何よりも心配なのは、不動産を購入した後の管理をどうするのかという問題です。現地の管理会社とのコミュニケーションがうまく取れるか、入居後のトラブル等にしっかり対応できる管理会社を見つけられるかという点では、国内不動産よりもハードルが高いと考えられます。
資産運用を始めるにあたって、どの方法もメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴を把握したうえで、自分に合った投資方法を選択しましょう。
>>【無料プレゼント】初心者も安心 資産の増やし方 16のポイント
【2020年2月度資産運用系おすすめ記事ランキングTOP5】