資産形成・運用
2017/10/04

最近よく聞くクラウドファンディングの仕組みとは

(写真=fendyrodzi_Shutterstock.com)
(写真=fendyrodzi_Shutterstock.com)
最近クラウドファンディングという言葉をよく聞くようになりました。クラウドファンディングは、インターネットを通じて個人単位で資金調達や提供ができるという新しい資金調達方法です。資金調達というと株式投資を思い浮かべますが、ネットで調べると、アニメを制作したい、ビールを作りたい、カフェを開きたい、また、海外に公民館を建てたい、と目的は多種多様です。クラウドファンディングとはいったいどういうものなのでしょうか。詳細をみてみましょう。

クラウドファンディングの仕組み

一般的に資金調達方法といえば株式を思い浮かべる人が多いでしょう。プロジェクトや事業を行うために資金調達をする、という点からみればクラウドファンディングも同じようにみえますが、方法や目的が違います。株式では投資先企業が行った事業の成果で配当が分配されたり、手持ちの株価が目減りしたりします。また、投資家は株を売買して利益を得ることができます。

クラウドファンディングには、株式投資と同じように配当金の分配を受けられる「投資」という方法や、商品を購入することで出資者になることができる「購入」、一般的な寄付と同じ意味の「寄付」という3種類の出資方法があります。運営会社によっては「投資」をさらに「融資」や「株式」に分けているケースもあります。

株式では投資家は配当を得たり、株を売買して利益を追求したりするという側面が大きいですが、クラウドファンディングでは利益ではなく、人のためになりたい、助けてあげたいといった気持ちが目的になる、という点で大きな違いがあります。

集められた資金は主催者が目的を果たすために活用します。投資だとわかりにくいですが、購入や寄付だと、参加した時点で個人的な目標は達成されます。

ただ、メリットばかりではありません。せっかく出資したのに主催者が設定した目標金額に届かなかった場合、実行しない、というプロジェクトもあり、その場合の返金についてプラットフォームは介入しません。全て自己責任で行わなければならないというリスクもあります。

東日本大震災の支援がクラウドファンディングを浸透させた

日本でクラウドファンディングが浸透するきっかけになったのは東日本大震災でした。復興支援のためにテレビやネットで繰り返し寄付を呼びかけていたのを覚えているかと思います。復興を目的とした「寄付」でのクラウドファンディングです。自分の利益ではなく、人を助けたい、という気持ちが目的になったものです。また、震災の年に日本で最初のクラウドファンディングのプラットフォームが立ち上がったことも、東日本大震災のクラウドファンディングを後押ししました。

個人でもお金の「貸し手」になれる

今まで、投資する場所はあっても、お金を「貸す」場所はありませんでした。クラウドファンディングでは貸付けという方法で参加できるようになっています。

個人の貸し手に取って、参加できる間口が広がったこと以外にもメリットはあります。株式投資であれば、資金の使用目的は経営陣に任されていて、出資者の声はなかなか届きにくいシステムになっています。クラウドファンディングでは企業ではなく、プロジェクト単位での出資になるため、自分の好みと判断で購入するものや出資するプロジェクトを選べる楽しみがあります。また、株式だと一年に一回しか決算がないのに対し、クラウドファンディングのプロジェクトは一ヶ月や二ヶ月単位で結果がわかりますので、短期間で色々なプロジェクトに出資できるメリットもあります。

資金の集め方や使い方で可能性はさらに広がる

クラウドファンディングはまだ始まったばかりですので、今後も資金の集め方や使い方を工夫することでさらに拡大する可能性を秘めています。例えばワインを作った農家が、購入という方法でワインを販売しているとして、販売して得た利益で次の事業につなげていくのがいいのか、あるいは購入ではなく投資という方法で資金調達し、規模を拡大しながらワインを作っていくべきなのか、といった集め方や使い方の選択です。さらに新しい分野や業界が参入することで、今までにない成功やお金の使い方があるかもしれません。

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