資産形成・運用
2017/10/25

賃貸だけではない。不動産投資の可能性

(写真=Gustavo Frazao/Shutterstock.com)
(写真=Gustavo Frazao/Shutterstock.com)
賃貸経営のあり方が多様化しています。ここ数年でさまざまな賃貸スタイルが登場しています。今回はそのような不動産投資の可能性を探る動きを見てみましょう。

キーポイントは「シェアリングエコノミー」


基本的に他人と何かを共同で使用するという感覚は私たち日本人にはあまり馴染みませんでした。ホテルなどの宿泊施設、住居、自動車、オフィスや会議室などいずれも自身でそのスペースを借りたり、購入したりします。しかし、諸外国ではこれらを共同で使用するシェアスタイルは以前から一般的に受け入れられています。1人だと割高になる費用は誰かとシェアして分け合おう、という発想にもともと違和感がないのです。

このような海外での考え方がグローバル化、IT化により日本でも抵抗なく広がっていくきっかけになりました。今話題の民泊も、Airbnbというサービスがアメリカから上陸したことで日本にとても大きな影響をもたらしています。また、オフィスや会議室を自社所有せず、使い勝手のいい場所をその都度使用するというビジネスでのシェアスタイルも広がっています。

こういったシェアリングの形式は賃貸経営をするオーナーにとっても大きな利点があります。決まった相手に決まった金額で貸し出すよりも、増収につながるからです。ワンルームでも2人シェア可能物件で家賃増額、オフィスを区切りレンタルオフィスとして数社からの賃料、会議室は時間貸しできるシステムでこれも増収、といった具合です。単発で使用できる分少し高めの使用料の設定ができます。

シェアリングアイディアの事例


シェアできるのは部屋や事務所だけに限りません。いくつか珍しいレンタルの事例を見てみましょう。

1. 古民家からお寺、さらにはお城のレンタルまで登場
田舎の大きな古民家やお寺をレンタルするスタイルは、数年前から登場しています。結婚式、イベント、撮影などの利用にとても人気があるようです。さらには観光に力を入れる市との共同企画として、お城のレンタルが実施されることもあります。お城でのコスプレ撮影、そしてグランピングまでできるというこの企画は、シェアの形にまた大きな変化を見せたアイディアでした。東京五輪を見越した観光誘致のための斬新な方法だと言えます。

2. ビルの事務所も時間貸し
事業用テナントの空室問題も昨今では深刻になっています。オフィスを構えることがステイタスといわれている場所でさえ、その空室率は決して低くない時代です。そんな憧れのエリアでのオフィスがもし時間貸しとして利用できるのであれば……というニーズに応えたレンタル方法が注目されています。1室単位での家賃が支払えなくてもシェアや時間利用なら活用できる、と起業家たちの間で話題になり、セミナーやプレゼンテーションの場面として活用しているそうです。最高のロケーションでビジネスへのチャンスをつかみたい人たちに人気です。

3. 駐車場もシェア
車離れが進む日本では、駐車場もシェアする時代です。車庫付きの家に住んでいるが車をもっていない人や、空きの多い月極駐車場経営に悩むオーナーたちへの新しいニーズです。特にイベントの開催されるエリアに駐車スペースをもっていると、月々数万円の利用料が入るときもあるとか。個人で使用者を募ることは難しいですが、停めたい人と空いている駐車スペースをなんとかしたいと思っている人とをつなぐプラットホームの発展が大きく貢献しています。

IT化の恩恵が多大


これらのサービスを実現したのはやはりIT化の恩恵がとても大きいでしょう。不動産管理会社やオーナー1人の管理運営ではこのような単発的な利用への貸し出し管理は不可能です。利用者と提供者をつなぐための便利なマーケットプレイスはあらゆる分野へと発展しています。

不動産分野においても賃貸、シェア、マンスリー貸し、そして民泊など複合的に活用できるプラットホームが各社から次々と登場しています。ご自身の物件ではどんな形の賃貸が可能なのか、どのようなサービスを利用することで収益を最大限に引き出せるのか、常に注目し積極的に活用できるように備えておいて損はないでしょう。

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