資産運用
2017/09/07

老後資金について、気になる生涯年収と生涯支出の話

(写真=Minerva Studio_Shutterstock.com)
(写真=Minerva Studio_Shutterstock.com)
一般にサラリーマンの生涯年収は、40年間働いたとして2億5,000万円といわれています。そのうち2割の5,000万円が、年金・健康保険などの社会保障費と税金が控除され、手元に残る可処分所得は2億円という計算です。

平均的な4人家族(夫婦と子ども2人)とした場合、結婚費用として350万円、教育費が2,800万円(中学まで公立、高校及び大学を私立とした場合の2人分)、住宅購入額が3,500万円と、大きな支出をざっと差し引くと手元に残るのは約1億3,350万円となります。

気になる生涯年収の話

ここで少し計算をしてみましょう。手元に残るとされる1億3,350万円を40年で割ると1年で約334万円となります。1ヵ月あたり約28万円の中から、家族4人の食費、電気・ガス・水道などの水道光熱費、スマートフォンやインターネットなどを利用するための通信費、車を持っている場合は自動車ローンをはじめ、ガソリンや車検などの維持費……など、生活費を支出していくことになります。

その他にも、趣味やレジャーなどの娯楽費、急な冠婚葬祭などの臨時的な支出などもあります。生涯、生活していく中で必要とされる支出を挙げてみましたが、この他に大きな支出として「老後の生活資金」があります。

老後に必要な資金は○円

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査 平成28年度」によると、老後の夫婦2人の1ヵ月の最低予想生活費は、平均22万円と公表しています。また、2017年度に厚生労働省が毎年発表した、夫婦2人の標準的な年金受給額は、約22万円です。

一方、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)平成28年調査結果」の集計データによると、「老後の生活費として最低いくら必要と思うか」とのアンケートでは、27万円という結果が出ています。さらにこの調査結果を年代別でみると、30歳代は24万円、40歳代は25万円となっているのに対し、老後ともいえる60歳代では30万円、70歳代では28万円となっており、若い世代が予想しているよりも切迫した現実がうかがえます。

この結果を見ると、老後は年金だけで生活費を賄うのは厳しそうです。

老後の最低生活費を27万円と仮定し、年金では足りない金額を80歳まで生きた場合を想定して計算すると、定年退職した60歳からの20年間で1,200万円となります。しかし、この1,200万円という金額は、最低限の生活を維持するための生活費と、年金をしっかり納めた上で受給できる金額での計算です。受給できる年金額や生活水準には個人差があります。

「長生きリスク」という言葉を最近よく聞くようになりましたが、厚生労働省の「平成 28 年簡易生命表」による平均寿命は男性80.98歳、女性が87.14歳です。80歳過ぎてからの生活費は、先ほどの金額には含まれません。そのため、さらに貯蓄が必要となってきます。また、インフレが進み、今の時代での最低生活費は27万円でも、数十年後には27万円では最低水準の生活も送ることが困難である可能性も考えられます。

以上のようなことを想定すると、最低でも2,000万円は貯蓄が必要だといえるでしょう。

30歳、40歳だと毎年○円、毎月○円を貯蓄する必要がある

60歳の定年退職まで、30歳から考えると30年間、40歳から考えると20年間。60歳までに最低でも2,000万円貯めるとなると、30歳で年約66万円(月5万~6万円)、40歳で100万円(月8万~8万5,000円)を貯蓄する必要があります。

ボーナス月にある程度まとまった金額を貯蓄するとしても、30歳代、40歳代は、結婚・出産・子どもの教育費などの大きな出費が発生する年代でもあり、なかなか容易なことではありません。

しかし、現在の毎月の収支を見直してみることで、つい使ってしまっている支出や、契約の変更などで減らせる固定費もあるはずです。まずは家計をチェックし、毎月の貯蓄の目標額に近づくよう努力してみましょう。

公的年金にプラスして60歳以降に受け取ることができるよう自分で年金をつくる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や、配当や売却益が非課税になる「NISA(少額投資非課税制度)」などを活用して、リスクの低い資産運用をはじめるのも一つの方法であるといえます。

少子高齢化が進む日本の将来に、漠然と不安を感じている人も少なくないでしょう。今のうちにできる最適な資産形成を考え、将来に対する不安を軽減できるようにしてみてはいかがでしょうか。

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