長生きリスクとは?生涯年収と生涯支出から老後資金について考える

(写真=Minerva Studio_Shutterstock.com)
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一般にサラリーマンの生涯年収は、約40年間働いたとして2億5,000万円といわれています。そのうち2割の5,000万円が、年金・健康保険などの社会保障費と税金が控除され、手元に残る生涯可処分所得は2億円という計算です。

では、その生涯年収から計算した生涯可処分所得と生涯支出を差し引きながら、長生きリスクに対して実際には老後資金がいくら必要であり、そしてそのためにはいくらずつをどのようにして資産形成・資産運用していけばよいのかを考えていきましょう。

(本記事は2017/09/07配信のものを2021/11/30に更新しております)

▼目次

  1. 「長生きリスク」とは?
  2. 誰もが気になる生涯年収と生涯支出
  3. 老後に必要な資金は○○○万円?!
  4. 30歳・40歳からの貯蓄は毎月・毎年でいくら?
  5. 何が起こるかわからない「VUCA時代」
  6. 長生きリスク対策としておすすめの資産運用

1. 「長生きリスク」とは?

「長生きリスク」という言葉を最近よく聞くようになりました。長生きリスクとは、長生きすることで発生する「老後資金のリスク」のことです。長生きすればするほど、生活費はもちろん、医療費や介護費用などが必要となり、貯蓄がどんどん切り崩され、最終的には資金が足りなくなってしまう可能性が考えられます。最悪の場合には「老後破産」という事態が訪れることだってあり得ます。

厚生労働省の「令和2年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命(つまり0歳の人の平均余命)は、男性81.64歳、女性87.74歳。昭和50年(1975年)と比較して10歳程度長寿命化している状況で、数十年後には平均寿命が100歳を超えていても不思議ではありません。

すなわち、現代人は誰しもが長生きリスクを抱えており、40代、30代、20代と若年層になればなるほど、特に長生きリスクをシビアに捉えなければならないということです。

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2. 誰もが気になる生涯年収と生涯支出

2-1. 生涯賃金はどのくらい?

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2020」によると、大学あるいは大学院を卒業し、フルタイムの正社員で働き続けた場合、60歳までの生涯賃金(退職金を含まない)は、男性で2億7,000万円、女性で2億2,000万円です。また、この男性が退職金を受け取り、さらに非正規雇用で働いて60歳以降も収入を得る場合には、生涯賃金は3億3,000万円と試算されています。

2-2. 生涯可処分所得からイベント支出を差し引くといくら残るか

冒頭に述べた「生涯可処分所得は2億円」という前提のもと、ここで少し計算をしてみましょう。

平均的な4人家族(夫婦と子ども2人)とした場合、結婚費用として350万円、教育費が2,800万円(中学まで公立、高校及び大学を私立とした場合の2人分)、住宅購入額が3,500万円といったイベント支出を、生涯可処分所得2億円からざっと差し引くと、手元に残るのは約1億3,350万円となります。

2-3. 大きな支出として老後の生活資金が

手元に残るとされる1億3,350万円を40年で割ると1年で約334万円となります。1ヵ月あたり約28万円の中から、家族4人の食費、電気・ガス・水道などの水道光熱費、スマートフォンやインターネットなどを利用するための通信費、車を持っている場合は自動車ローンをはじめ、ガソリンや車検などの維持費……など、生活費を支出していくことになります。

その他にも、趣味やレジャーなどの娯楽費、急な冠婚葬祭などの臨時的な支出などもあります。生涯、生活していく中で必要とされる支出を挙げてみましたが、この他に大きな支出として「老後の生活資金」があります。

3. 老後に必要な資金は○○○万円?!

3-1. 「最低日常生活費」と「ゆとりある老後生活費」

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査 令和元年度」によると、老後の夫婦2人が1ヵ月あたりに必要な「最低日常生活費」の予想額は、平均22.1万円。加えて「老後のゆとりのための上乗せ額」として必要と考える金額は平均14.0万円。合計すると「ゆとりある老後生活費」は平均で36.1万円となります。

一方で、「日本年金機構のホームページ」によると、令和3年度(2021年度)における夫婦2人の標準的な厚生年金支給額は220,496円となっています。このようにみていくと、年金は老後の最低日常生活費をおおむねカバーしているものの、ゆとりある老後生活を送るためには不十分ということがわかります。

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3-2. 年代別での老後の必要生活費アンケート

別のデータも見てみましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)平成28年調査結果」の集計データによると、「老後の生活費として最低いくら必要と思うか」とのアンケートでは、27万円という結果が出ています。さらにこの調査結果を年代別でみると、30歳代は24万円、40歳代は25万円となっているのに対し、老後ともいえる60歳代では30万円、70歳代では28万円となっており、若い世代が予想しているよりも切迫した現実がうかがえます。

3-3. 最低限の生活を維持するには年金と○万円必要

老後の最低生活費を27万円、そして年金では足りない金額を5万円とし、80歳まで生きた場合を想定して計算すると、定年退職した60歳からの20年間で1,200万円となります。しかし、この1,200万円という金額は、最低限の生活を維持するための生活費と、年金をしっかり納めた上で受給できる金額を前提とした計算です。受給できる年金額や生活水準には個人差があります。

以上のようなことを想定すると、最低でも2,000万円は貯蓄が必要だといえるでしょう。2019年6月には、金融庁の金融審議会の市場ワーキング・グループによる報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表され、年金だけでは老後資金が2000万円不足するという「老後2000万円問題」が一時期波紋を呼びました。もちろん、ゆとりある老後を送るためには、それ以上準備しておくべきことは言うまでもありません。

4. 30歳・40歳からの貯蓄は毎月・毎年でいくら?

60歳の定年退職まで、30歳から考えると30年間、40歳から考えると20年間。60歳までに最低でも2,000万円貯めるとなると、30歳で年約66万円(月5万~6万円)40歳で100万円(月8万~8万5,000円)を貯蓄する必要があります。

ボーナス月にある程度まとまった金額を貯蓄するとしても、30歳代、40歳代は、結婚・出産・子どもの教育費などの大きな出費が発生する年代でもあり、なかなか容易なことではありません。

しかし、現在の毎月の収支を見直してみることで、つい使ってしまっている支出や、契約の変更などで減らせる固定費もあるはずです。まずは家計をチェックし、毎月の貯蓄の目標額に近づくよう努力してみましょう。

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5. 何が起こるかわからない「VUCA時代」

日本の年金制度は「賦課方式」を採用しています。これは現役世代が納めた保険料を、老齢世代が年金として受け取る仕組みです。そのため、少子高齢化が進むことにより、貰える年金額がより少なくなることは必然の流れと考えられます。

また、昔は年功序列型会社経営と言って、一度会社に入社すれば、年齢を重ねるごとに昇進していく仕組みの会社がほとんどでした。しかし、今では年功序列型会社経営は崩壊し、キャリアを積んだ社員であってもリストラにあうことは珍しくありません。最近の報道でも、大手飲料メーカー・サントリーホールディングス社長・新浪剛史氏の「45歳定年説」、大手自動車メーカー・ホンダ(本田技研工業株式会社)において2000人の早期退職希望者殺到など、社会の変革期が訪れていることは疑いようのない事実です。

更に、インフレの心配もあります。インフレとはインフレーションの略で、物価が上昇することを指します。「不景気で物の値段なんてあがるのか」と思われる方もいるかもしれませんが、景気が悪くて起こるインフレもあります。たとえば、戦後直後の1945年8月から1949年の間で、70倍も物価が上昇しています。

「何が起こるかわからない」というのが現在の日本です。2020年以降のコロナ情勢を受け、政府や自治体の財政が悪化し増税の懸念が高まり、経済界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速するなど、先が見通しづらく将来予測困難な「VUCA(ブーカ:Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)時代」に突入しています。当然、お金についても自己責任で対処していくことが求められていると言えます。

6. 長生きリスク対策としておすすめの資産運用

6-1.「税制優遇」を活用した資産運用

拠出額(掛け金)の所得控除・運用益非課税・受け取り時の税制優遇といったトリプルメリットがあり公的年金にプラスして60歳以降に受け取ることができるよう自分で年金をつくる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や、配当や売却益が非課税になる「NISA(少額投資非課税制度)」などを活用して、まずはリスクの低い資産運用からはじめるのも一つの方法であるといえます。

6-2.「自分で稼ぐ」手段としての不動産投資

また、お金について自己責任で対処するために「会社での仕事以外に自分で稼げる」「自分の労力を使わずに資産を構築できる」「働けなくなったときに助けてくれる」手段を見つけることが大切です。特にサラリーマンやOLの方におすすめなのは、不動産投資です。

不動産投資は、安定した職業に従事されている方であれば金融機関からの信用力が高く、融資を受けて「自己資金ゼロ」から始められるという特徴があります。

また、賃貸需要が見込める立地・物件と、信頼できる不動産管理会社を選べば、安定した家賃収入を原資にローン返済が可能です。中長期的に継続して家賃収入からローン返済を進めていけば「純資産」が構築されていくため、手間をかけずに資産形成を進められます。

さらに、基本的に不動産投資ローンを組む際に団体信用生命保険に加入するため、万が一のことがあっても家族に物件とそこから得られる家賃収入を残すことができます。会社の業務上で得た情報や人脈を流用する必要はないので、副業禁止の会社でも比較的容認されやすいのも大きなメリットでしょう。

少子高齢化が進む日本の将来に、漠然と不安を感じている人も少なくないでしょう。今のうちにできる最適な資産形成・資産運用を考え、将来に対する不安を軽減できるようにしてみてはいかがでしょうか。

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