資産運用
2019/06/22

私達の納めている年金保険料はどのように運用されているのか

(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
日本の公的年金は「国民皆年金」制度となっていて、日本国内に住所のあるすべての人が加入を義務づけられています。20歳になったら国民年金へ、会社員・公務員になったら厚生年金へ加入をし、働き方によっていずれかの年金制度へ加入することになります。

加入者が保険料を納めることで、将来、様々な給付を受けられるのですが、今回はその保険料がどのように運用されているのかを、公的年金制度の仕組みと共にお伝えします。

公的年金制度の基本的な考え方

日本の公的年金制度は大きく3つの特徴を持っています。

1つめは冒頭でお伝えした「国民皆保険」制度です。
2つめは「社会保険方式」、加入者が保険料を納め、それに応じて年金給付を受けられる仕組みです。
3つめは「世代間扶養」、基本的には働いている現役世代の納めた保険料で高齢者世代を支えるという考え方です。

また、公的年金からは、次の3つの給付を受けることができます。

1つめはセカンドライフの収入源となる「老齢年金」。受給要件を満たせば毎年決まった金額を一生涯受け取ることができます。
2つめは「遺族年金」。加入者(被保険者)が亡くなった場合に、残された遺族の生活を支えるために年金が支給されます。
3つめは「障害年金」。病気やけがで身体に障害を負ってしまった場合に、その障害の状態に応じて年金が支払われます。

このような3つの「リスク」に備えて、加入者がお金を出し合い、いざという時の生活を守る支え合いの仕組みとして、国が運営する制度が公的年金制度となります。

ただし少子高齢化に伴い、保険料を納める現役世代に対して給付を受ける高齢者世代の割合が多くなることを踏まえた上で、将来にわたって持続可能な制度を構築していく必要があります。そのためには、加入者が納めた保険料を運用することで収益を上げていくことも必要となります。

資産残高と運用状況

その保険料(公的年金積立金)は、国から寄託された「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」が2006年度から管理・運用を行っています。

2018年第3四半期末現在の資産額は約151兆円となっています。また同年同期の運用資産全体の収益率は約マイナス9%と、2018年の後半は国内外の株式が大幅に下落した影響を受けましたが、2006年から2018年12月末の間の収益率は年率2.73%、累積の収益額は56.7兆円となっており、GPIFが管理・運用を行ってからの実績を見る限りでは安定的な収益を得ていると言えるのではないでしょうか。

基本ポートフォリオの変遷

また、GPIFは「長期的な観点から安全かつ効率的な運用」を行うため、複数の資産を組み合わせた基本ポートフォリオを定め、長期分散投資が基本的な考え方となっています。このポートフォリオは過去2回変更されていて、その資産構成は下記の通りです。

・2006年4月~2013年6月

「国内債券:67% 国内株式:11% 外国債券:8% 外国株式:9% 短期資産:5%」 この期間は、リスク水準を国内債券による市場運用のリスクと同程度に抑えつつ、実質的な運用利回り1.1%を確保するようなポートフォリオを策定したと、しています。

・2013年6月~2014年10月

「国内債券:60% 国内株式:12% 外国債券:11% 外国株式:12% 短期資産:5%」 基本ポートフォリオについて定期的に検証を行い、見直す必要があるとの結論となり、変更が行われました。国内債券の割合を減少させ、外国債券・外国株式の割合を増加することで、従来よりもリスクをとった運用方針に変わっています。

・2014年10月~現在

「国内債券:35% 国内株式:25% 外国債券:15% 外国株式:25%」 実質的な運用利回り1.7%を確保するようなポートフォリオに変更した、としています。国内債券の割合が大幅に減少し、より積極的な運用方針に転換したと言えます。また、必要に応じて、資産全体の5%を上限として「オルタナティブ資産」での運用も行うとしています。

このように基本ポートフォリオが変更されてきましたが、よりリスクを取り積極運用をすることで年金制度を持続可能なものとしていくという姿勢の表れとも言えます。特に老齢年金はセカンドライフの収入源の柱となりますので、今後の運用成果について注視していく必要があると考えます。

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