年金を納めないとどうなる?20代から学ぶべき年金のこと

(画像=Iakov Filimonov/Shutterstock.com)
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「日本は財政赤字だから将来支払われる保証なんてない!」や「最近は未納者が多いと聞くけど本当に支払わなくてもよいの?」などと、若い世代が年金制度を論じる光景はめずらしくはありません。

しかし、仕組みについて理解もせずに、年金の是非を語るのは時期尚早といえます。若いうちから安易に支払い義務を果たさないと、老後に後悔する可能性も十分あります。そのため、支払い義務が生じる20代から年金について学んでおく必要があります。

今回は、20代から学ぶべき年金についての事柄を説明していきます。もちろん、年金を納めないとどうなるのかについても触れています。

20代に関係する代表的な年金の種類

年金にはさまざまな種類がありますが、まずは、20代に関係する代表的な年金について説明します。

●国民年金

国民年金は国が運営する公的年金制度で、20歳以上60歳未満すべてのかたが対象です。保険料を20~59歳の40年間納めれば、65歳から亡くなるまで月約65,000円を受給できます。

それしかもらえないの?と思われる方もいるかもしれませんが、足りないケースに備えて受取金額を補てんする制度もあります。例えば、自営業者などを対象とした付加年金です。

通常の保険料に月400円上乗せして納めれば、納めた月数×200円を65歳以降毎年受け取れます。10年納めた場合は200円×12ヶ月×10年=24,000円が支給額に加算されます。

●厚生年金

一方、厚生年金は、会社員と公務員を対象とした公的年金制度です。会社員や公務員は、必然的に国民年金と厚生年金の両方に加入することになっています。その分、自営業者やフリーランスと比べて支払う保険料は高くなりますが、老後は国民年金に上乗せした金額を受給できます。受給金額が給与額によって変わる点が、国民年金と異なる特徴です。

ここで、厚生年金の年間受給額を把握するために計算方法を紹介します。

年間受給額(報酬比例の年金額)=(平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数)+(平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数)

ここでいう、平均標準報酬月額は、平成15年3月までの加入期間における各月の給与額を累計した総額を、平成15年3月までの加入期間における月数で割った額です。一方、平均標準報酬額は、平成15年4月以後の加入期間における各月の給与額と賞与額を累計した総額を、平成15年4月以後の加入期間における月数で割った額となります。

仮に、平成15年3月までの加入月数を120ヶ月(10年)、平成15年4月以後の加入月数を180ヶ月(15年)、平均標準報酬月額を35万、平均標準報酬額を40万と設定して計算をしてみましょう。

350,000円×7.125/1000×120ヶ月+400,000円×5.481/1000×180ヶ月=693,882円

この計算例では、毎月約60,000円が報酬比例の年金額によって国民年金に上乗せされることがわかります。

このように、厚生年金は、加入期間と給与額によって受け取る金額が変わるような仕組みとなっています。

●遺族基礎年金・遺族厚生年金

国民年金・厚生年金加入者が亡くなった場合に、死亡した者によって生計が立てられていた遺族が受け取れる年金です。残された子持ちの母親を補助する目的が強いため、18歳以下の子供や20歳未満の障害児がいる方が対象となっています。もちろん、子供自身の受給も可能です。厚生年金加入者が受け取り対象者となった場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できます。

*遺族基礎年金の年間受給額

年間受給額=779,300円+(子の数に対応した金額)
第1子・第2子:各224,300円
第3子以降:各74,800円

*遺族厚生年金の年間受給額

年間受給額={(平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数)+(平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数)}×3/4
※加入月数が300月未満のときは、300月で計算します。

●障害基礎年金・障害厚生年金

国民年金・厚生年金加入者が障害を負った場合に支給される年金です。対象の障害はケガなどの外部障害だけでなくうつ病や統合失調症などの精神障害も含まれます。障害が重いほど受け取れる金額も高まります。

障害の重さは1~3級に区分され、数字が若い方が重度です。厚生年金加入者が受け取り対象者となった場合は、1級と2級のいずれかであれば、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給可能です。3級であれば、厚生年金における報酬比例の年金額と同等額のみを受給できます。

また、初診日から5年以内に、けがや病気が治ったにもかかわらず、3級よりも軽い障害が残った場合は、障害手当金(一時金)を受給できます。その金額は厚生年金における報酬比例の年金額の2倍です。

*障害基礎年金の年間受給額

<1級>
年間受給額=779,300円×1.25+(子の数に対応した金額)

<2級>
年間受給額=779,300円+(子の数に対応した金額)
第1子・第2子:各224,300円
第3子以降:各74,800円

*障害厚生年金の年間受給額

<1級>
年間受給額=[報酬比例の年金額]×1.25 +[224,300円(※1)]
<2級>
年間受給額=[報酬比例の年金額]+[224,300円(※1)]
<3級>
年間受給額=[報酬比例の年金額(※2)]

※1 加入者に生計を維持されていた65歳未満の配偶者がいる際に加算。
※2 最低保障額584,500円

*障害手当金

金額(一時金)=[報酬比例の年金額]×2

年金を納めないとどうなるのか?

主にサラリーマンが加入する厚生年金の保険料は自動的に給料から天引きされるので、未納が問題となるのは国民年金です。ここでは、国民年金を納めないとどうなるのかを説明していきます。サラリーマンも仕事を辞めてしまった場合に関係する内容であるため、損をしないようにあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

●強制徴収される

記録管理がずさんであった社会保険庁から日本年金機構に業務が委託されてから、年金滞納者への取り締まりはシビアになっています。現在、年収300万円以上、かつ、7ヶ月以上の滞納者が取り立ての対象です。

催促され、提示された期日までに納付しないと、延滞金の支払いを要求されるだけでなく、銀行の口座が凍結されることもあります。最後まで無視し続けると財産が強制徴収されます。したがって、年収の高い20代後半の自営業者やフリーランスなどは、確実に年金を納めなくてはなりません。

●年金未納者は長生きすると損

国民年金を納付するとどれくらいお金がもらえるのかシミュレーションしてみます。仮に80歳まで生きるとし、満額65,000円もらえるとします。国民年金の受給開始年齢が原則65歳であることから、総受給額は65,000円×12ヶ月×15年=1170万円となります。

ここで、支払った保険料の総額に対して元が取れているのかを確認してみましょう。平成30年度の国民年金の保険料は月々16,340円です。この金額を40年間支払った場合の総支払額は、16,340円×12ヶ月×40年=7,843,200円です。先ほどの80歳生きたケースでは得をしていますが、短命であれば元が取れないこともわかります。よって、年金未納者は長生きをすると損をします。

●遺族年金や障害年金を受給できない

遺族年金と障害年金を受け取る条件には、国民年金の納付済み期間が絡んでいます。例えば、障害年金を受け取るためには、最低限、初診日を含む月の前々月までの国民年金加入期間の3分の2に相当する保険料を納付していなければなりません。また、遺族年金の受給は、亡くなった加入者がそれまでの加入期間の3分の2にあたる保険料を納めていることが最低条件です。国民年金を一切納めていない場合は、当然これらの年金制度の対象外となります。

それでも国民年金を納付できない場合は?

年金を納めないと損をすることがお分かりいただけたでしょうか?しかし、収入によっては年金を納められないこともあります。特に20代は学生の期間と重なるので、その期間は納付できない人も少なくないでしょう。その反面、前述の内容を踏まえると、20代も事故に遭う恐れがあるので、障害年金の受給要件は満たしておきたいところです。

そのためにも、保険料の支払いを先延ばしにしたり免除したりできる制度もありますので、忘れずに申告するようにしましょう。手続きは市区町村の国民年金窓口で行えます。これらの点も20代で学ぶべき年金の知識です。


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