資産形成・運用
2019/04/26

一般NISAとつみたてNISA、違いを理解して賢く選ぼう

(写真= goodluz/Shutterstock.com)
(写真= goodluz/Shutterstock.com)
少額から始められて、非課税で資産運用ができる「NISA」。2014年から制度がスタートし、多くの人が口座を開設しています。ところで、NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」があるのをご存じでしょうか。両者の違いと選び方について考えてみます。

そもそもNISAって何?

2019年2月、金融庁は「つみたてNISA口座数が100万口座を突破した」と発表しました。2018年12月末時点での全NISA口座数は約1,246万口座で、うち約1,143万口座が「一般NISA」、約104万口座が「つみたてNISA」という割合となっています。NISA口座における買付額は16兆円に届く勢いで、2014年にスタートしたNISAが広く普及してきたことを感じさせます。

そもそも「NISAとはどんなものか」について、おさらいしましょう。通常、株式や投資信託、REIT(不動産投資信託)などの金融商品に投資した場合、その売却益や配当金に対して約20%の税金がかかります。10万円の利益なら税金は約2万円にもなりますから、ばかにならない金額です。そのような税金の負担を軽減して、金融市場を活性化させようという仕組みがNISAです。

NISAでは、毎年一定額の非課税投資枠内が設定され、その範囲で得た上場株式や投資信託の値上がり益・配当金には税金がかからなくなります。一般NISAの非課税枠は、毎年120万円が上限で最大5年間にわたって非課税の扱いを受けることが可能です。NISA口座を使って最初の年に非課税枠120万円分の株式などを買ったとしましょう。

翌年も同じように120万円の非課税枠を使い……と繰り返していくと、5年で最大600万円までNISAの非課税枠で株式や投資信託を購入できます。そして、その投資額に対する税金はゼロ円ですから、資産形成をするうえでは大変おトクな制度といえます。

一般NISAとつみたてNIISAの違い

2018年からは、NISAの新たな選択肢として「つみたてNISA」もスタートしました。つみたてNISAは、NISAの一種で少額からの長期積立により分散投資の効果が得られる制度です。非課税額が40万円とNISAよりも少なく、その代わりに非課税期間が最長20年間と長くなっています。対象商品はNISAよりも限定されています。その他、両者の違いは以下の通りです。
 
  NISA つみたてNISA
対象商品 株式投資信託、上場株式等 長期の積立・分散投資に適した一定の商品性を有する投資信託
非課税期間 最長5年 最長20年
非課税投資枠 年間120万円
(5年間で最大600万円)
年間40万円
(20年間で最大800万円)
投資可能期間 2023年末まで 2037年末まで
口座開設数 1人1口座(ただし年単位で金融機関の変更が可能)
その他   買付の方法は定期的な積立に限る

一般NISAとつみたてNISAは併用ができないため、NISA口座内で、どちらかを適用するか決める必要があります。ただし年単位で、つみたてNISAと一般NISAを変更することは可能です。

どういう視点で選択するべきか

一般NISAとつみたてNISA、どちらも魅力的な制度に思えますが、どちらを選べばいいのでしょうか。どちらが適しているかは人それぞれですが、おおざっぱに分けると、下記のようなポイントから判断するのがいいのではないでしょうか。

・投資に慣れていて、大きな値上がり益を狙いたいなら「一般NISA」
・投資初心者で、じっくり学びながら積み立てたいなら「つみたてNISA」

・資金に余裕があり、まとまった額を投資したいなら「一般NISA」
・資金が少なく、少額から投資したいなら「つみたてNISA」

・投資した後、すぐに現金化する可能性があるなら「一般NISA」
・ある程度の長期間にわたって運用する予定なら「つみたてNISA」

子供には「ジュニアNISA」を

なお、NISAにはもう一つ「ジュニアNISA」というものもあります。NISAが20歳以上の人を対象とした制度であるのに対して、「ジュニアNISA」は0~19歳の未成年者が対象です。実際の口座開設や資金の運用は親が代理で行います。ジュニアNISAの非課税枠は、毎年の新規投資額で80万円、投資可能期間は5年です。

つまり、5年間で最大400万円までが非課税になります。子供や孫がいる方は、将来に向けた資金づくりのためにジュニアNISAを検討してみるとよいでしょう。

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