資産運用
2019/03/15

東京証券取引所の市場が再編される?JPXが意見募集した「論点ペーパー」とは

(写真=slyellow/Shutterstock.com)
(写真=slyellow/Shutterstock.com)
東京証券取引所(以下、東証)の市場再編が行われるのではないかといわれています。具体的にどのように行われるのかはまだ明らかになっていませんが、再編に向けての動きも出てきています。今回は、2019年現在の東証の市場構成や問題点、再編された場合の影響などについて解説していきます。

現在の東証の4市場

事の発端は2018年10月に行われた日本取引所グループ(以下、JPX)CEOの定例会見での発言です。東証市場の数について下記のような発言をしています。

「多いか少ないかという切り口で考えますと、私は多いのではないかと思っています」
「まずは市場第二部・マザーズ・JASDAQについて、それぞれ重複・異なっている機能の整理が必要」
「市場第一部については、現在の上場基準が適切かどうか見直していく必要もある」

そのうえで、現在の市場構造や上場制度について改善すべき点があるとして、このような問題を検討するために「市場構造のあり方等に関する懇談会」を設置するとしました。この懇談会は2018年に2回開催され、東証市場の現状や問題点、今後の検討課題や進め方について話し合われました。また、幅広くさまざまな意見を求めるために意見募集が行われました。

このように再編に向けた動きが徐々に始まっています。現在の東証は「市場第一部」「市場第二部」「マザーズ」「JASDAQ(スタンダード・グロース)」の4市場です。市場第一部を他の市場(エントリー市場)からの「ステップアップ先の市場」と位置づけ、エントリー市場のうち、市場第二部・JASDAQ(スタンダード)は事業実績、マザーズ・JASDAQ(グロース)は企業の成長可能性を重視した上場基準を設けています。

このように、市場第一部を頂点として実績のある企業が上場する市場、新興企業が上場する市場の3種類で構成されています。そのため、「この点が現在の4市場が3市場に再編されるのではないか」といわれている理由の一つです。

現状の問題点は?

エントリー市場では、上場の目的が本来は企業価値の向上を目指すものであるのに対して、実際には投資回収が目的となっていることが問題点となっています。また、上場後に追加の資金調達がほとんど行われることがなく、市場自体が活用されていない点も挙げられているのです。一方で、市場第一部は上場維持コストや各基準の水準が低く、それが原因で2,000社以上の上場企業が存在するともいわれています。

また、市場第一部上場するための基準の一つが時価総額です。直接上場する場合は、250億円以上必要なのに対してエントリー市場からのステップアップの場合は40億円以上あれば基準を満たすことになり、この点も問題点として挙げられています。このようなことを踏まえて、上述したJPXの意見募集の中では「論点ペーパー」が公表され、議論を進めていくための論点として次の7つを挙げました。

1.新興企業に対する上場後の成長における動機付けのあり方についてどう考えるか
2.新興企業向け市場における上場基準などのあり方についてどう考えるか
3.実績のある企業向け市場における上場基準などのあり方についてどう考えるか
4.ステップアップ先の市場の上場会社として求められる基準・義務についてどう考えるか
5.ステップアップ先の市場の上場会社として求められる基準・義務を満たさなくなった場合の取り扱いについてどう考えるか
6.上場廃止のあり方についてどう考えるか
7.その他、上場制度上の課題などについて

再編されるとどのような影響が?

この7つの論点のうち、1は上場後の成長を促す点で、「現状の開示制度や上場基準等は適切なのか」という問題です。2.3.4についても同じく上場基準やそれを維持するための基準についての議論になります。おそらく、これらの点は現状よりも厳しい基準にする方向で話し合いが進められる可能性が高いでしょう。

基準を厳しくすることで、それを満たすことができない企業についての取り扱いを5.6で論点として挙げており、3つについて意見募集を行っているといえます。

・本来の上場する目的に沿った市場を作るための制度・基準の改定
・上場企業にふさわしい制度・基準の改定
・企業の市場移行、退出の場合の対応

例えば、市場第一部の上場維持基準を上述した時価総額250億円以上にした場合、2,111社のうち、661社がこの基準を満たさないことになります。実に3割以上の企業が市場の移行や退出を余儀なくされることになり、その企業の株価はもちろん、市場全体に影響が出ることが否めません。

なお、先の「意見募集」の期間は2019年1月31日で締め切りとなっています。そのため、今後新たな発表や動きが出てくる可能性が高いでしょう。保有している株式がある場合には、市場の再編によってどのような影響があるのかについて想定しておく必要があります。いずれにしても日々の情報収集はもちろん、今後の報道等に注視していく必要がありそうです。

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