アメリカの投資家ロバート・キヨサキ氏が1997年に発表した『金持ち父さん貧乏父さん』。この本は、アメリカや日本はもちろん、世界中で大ヒットとなりました。すでに世界51ヵ国語で翻訳され、109ヵ国で紹介されています。発行元の筑摩書房によると、日本での販売部数はシリーズ全体で累計395万部。全世界ではなんと4,000万部を突破しているそうです。
2013年に日本でも発売された『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』は、ストーリーの部分が重要なエッセンスのみ残して凝縮されており、過去に読んだ人でも、これから初めて読む人でも、読みやすい作品に仕上がっています。投資本としては、他に類を見ないヒット作となった本書。今後も幅広い層に読み継がれていくことでしょう。
また、最近ではYouTube動画でも学習系コンテンツを中心に配信しているチャンネルにおいて、当テーマを取り上げていたりと改めて本書に対しての関心が高まっているとも言えます。
※参考:中田敦彦YouTube大学「【お金の授業】金持ち父さん貧乏父さん 1/3 ~お金持ちになる手順を教えます~」
ところで、『金持ち父さん貧乏父さん』にはどのようなことが書かれているのでしょうか。すでに読んだことがある方でも、なかなか思い出せないかもしれません。ここであらためて、本書における重要なポイントをおさらいしておきましょう。
(本記事は2018/03/22配信のものを2020/10/06に更新しております)
『金持ち父さん貧乏父さん』のポイントとしてまず理解しておきたいのは、自らの資産が生み出す「収入」と「給与」との違いです。収入とは例えば、不動産のオーナーが物件を賃貸に出し、借り手がいる状態。この場合、家賃収入が定期的に入ることになります。あるいは株式や投資信託を保有している人が、配当を得るというのも同じです。
一方、給与の場合はどうでしょうか。給与とは、会社をはじめとする組織に所属し、働いた対価(多くは時間や日数換算)としてお金を得るものです。そのため、会社に所属しているうちは得られますが、会社を辞めてしまったり、あるいは自分が働けなくなったりしてしまえば給与はもらえません。つまり、自らの働きに応じて得られるものが給与なのです。
保有しているだけで得られる収入と、自らが働かなければ得られない給与。これらの違いを理解しているかどうかが、金持ち父さんになれるか、それとも貧乏父さんになってしまうのかを分けるのです。お金を生む資産を保有していなければ、いつまでも働かなければならず、またお金の問題と労働とを切り離すことはできません。
本書の中でも繰り返されているのは、「お金についてきちんと学ばなければいけない」ということです。お金についてしっかりと学んでいれば、お金に踊らされるのではなく、お金をコントロールできるようになります。それはすなわち、自らの人生をコントロールすることでもあるのです。本書で提案されている「金持ち父さんの6つの教え」を見てみましょう。
いずれも、お金をコントロールするために欠かせない要素です。例えばサラリーマンとして自らが働かなければならない現状、つまり“お金のために”働いている状況から抜け出し、自ら資産を保有して”お金を得られる体制を構築する”ことを目指す。それが結果的に、将来の不安を減らし、安定的な生活を実現するカギとなりそうです。
これらの教えを踏まえて考えると、マンション経営をはじめとする不動産投資はまさに、『金持ち父さん貧乏父さん』のエッセンスを体現した投資であるとお分かりいただけることでしょう。もちろん、本書はアメリカの税制を元にしているので、日本では事情が異なる部分もありますが、それでも、考え方としては本質をついています。
金持ち父さんになりたいのであれば、まずは考え方から変えていくこと。そのうえで、資産形成のひとつである不動産投資についても本メディア「マンション経営オンライン」を通して学んでみるのも良いでしょう。
本書がヒットしたのには理由があります。それは、普通のよくあるサラリーマンとしてお金のために人生を費やすのではなく、お金をコントロールして人生をもっと愉しむたいという想いが多くの人々の根底にあるからではないでしょうか。あらためて、『金持ち父さん貧乏父さん』の教えを実践していきましょう。
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