不動産投資のリスクヘッジ(2)

高利回りには気を付けろ!地方や郊外のアパート・マンション経営のリスクとは

(写真=patchii/Shutterstock.com)
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不動産投資を始めようと物件探しをしていると、つい目が行ってしまうのが地方や郊外の物件ではないでしょうか。都心の物件と比べて何割も安く、利回りは10%を超える案件も少なくありません。しかし、利回りが高いということはリスクも高いということを忘れてはいけません。この記事では、地方や郊外のアパート・マンション経営の注意点、リスクについてまとめていきます。

(本記事は2017/12/16配信のものを2019/09/24に更新しております)

▼目次

  1. 近年は相続税対策目的に地方や郊外でアパート建設が増加
  2. 都心と比べ、地方や郊外のアパート・マンション経営は難しい
  3. 地方や郊外でのサブリースのリスク
  4. 一棟アパート経営のリスク
  5. 初心者は安全性・流動性を重視することがリスク管理の基本

近年は相続税対策目的に地方や郊外でアパート建設が増加

平成27年の相続税改正により、基礎控除額が従来の6割ほどまで大きく減額され、一部税率が引き上げられました。そのため、今まで以上に相続税対策が叫ばれるようになり、低金利も相まって目をつけられたのがアパート建築です。

「所有する現金や土地の評価額を実態以上に下げることができるため、将来に相続税として取られるよりもアパートを持つ方が賢い」という相続税対策が全国で広まりました。その中で、地方や郊外の地主や富裕層が中心となり、新築アパートを建てていくのですが、これには大きな落とし穴があります。

【参考記事】
不動産が相続税対策に有効な理由

都心と比べ、地方や郊外のアパート・マンション経営は難しい

地方や郊外の賃貸需要は今後も下がっていくと見られています。なぜなら、人口が減る中、地方や郊外の人々は都心に流入しているからです。残念ながら、地方や郊外でのアパート・マンション需要はかなり厳しく見極めないと失敗のリスクが高いというのが現状かもしれません。

簡単な見極め方の一つに「空室率」があります。全国平均は20%を超えますが、その数値と比較して、検討エリアの需要はどうなのかを調べましょう。また空室率が低くても、将来に渡って賃貸需要が続くかどうかも見極める必要があります。

最近、大企業の工場や大学キャンパスも、都心への流入が顕著です。今までは近くに大学があって満室稼働だったけれど、キャンパスが閉鎖になり、需要が一気になくなってしまったというアパートやマンションのオーナーも増えています。不動産投資は今後数十年先を見据えての判断が必要です。地方物件の場合は特に、慎重な分析・判断をするべきです。

【参考記事】
都心物件と地方物件。それぞれのメリット・デメリットとは

地方や郊外でのサブリースのリスク

サブリースとは、アパートやマンションを管理会社が借り上げてくれる制度です。オーナーは空室・満室に関わらず、毎月一定の家賃収入が得られます。管理の手間がかからず、空室率も気にしなくてよいのですが、「5年経過後に大幅な賃料減額提示をされた」「修繕費として料金を請求された」「合意しないとサブリース契約を打ち切られた」「サブリース契約をした会社が倒産してしまって今後の対応ができない」といったトラブルが増加して国会でも話題になっています。

サブリース契約とは上述の通り、オーナーが管理会社に借りてもらっているだけで、オーナーが賃貸人であることに変わりはありません。賃借人である管理会社からの「賃料減額請求権」「必要費償還請求権」は民法上の正当な権利なので、譲歩して合意に持っていくのは賃貸人の責任なのです。

リスクの高い地方物件でも、中にはサブリースがあるから安心だと考える人もいるかと思いますが、やはりサブリース契約の内容について契約前に契約者自身でしっかりと責任をもって確認しておきましょう。難しいことは分からないからといって、自身で理解することを放棄し営業マン任せにしていると、あとでとんでもないことになってしまう可能性も十分にありえるのです。

もっとも、都心部のように賃貸需要の見込める地域でのサブリースであれば、大幅に賃料減額となる可能性は低いと考えられ、空室対策の選択肢の一つとして有効でしょう。サブリースがあるというだけで安心するのではなく、賃貸経営が成り立つ立地かどうかを見極めることが大切です。

【参考記事】
空室対策で活用したいサブリース契約には注意が必要!メリットと注意点

一棟アパート経営のリスク

地方や郊外では、一棟アパートへの投資が目立ちます。しかし、一棟まるごとの経営は、その立地、建物の責任をすべて自分が背負う覚悟が必要です。例えば、数年ごとの修繕計画の立案、費用の積立、日常のメンテナンス、周辺環境の変化への対応など、様々な要因が賃貸経営のリスクとなります。

その点、区分所有マンションでの賃貸経営において、共用部分の管理や大規模修繕はマンションごとの管理組合が主体となって計画的に準備をしています。そのため本人は定期的に管理費と修繕積立金を支払うことで、比較的手間がかからず、精神的な負担も少ない中でマンション経営を行うことができるでしょう。また、違うマンションにおいて複数物件を所有することでリスク分散もしやすく、さらに売却時の流動性も高いので、区分マンション経営は不動産投資初心者やサラリーマンに向いています。

【参考記事】
区分投資と一棟投資。それぞれのメリット・デメリットとは

初心者は安全性・流動性を重視することがリスク管理の基本

相続税改正前後から、地方や郊外での新築アパート建築が目立っています。地主などが相続税対策としてサブリースとセットで建築しているケースが多くを占めます。不動産投資による収益を得ることではなく、相続税の圧縮に重きを置いているので、そもそもの目的が異なります。

地方や郊外物件への投資は、多方面へのリスクコントロールが求められます。入居付け、賃貸需要、サブリース、一棟アパート経営に対して知識があり、ノウハウのある投資家には場合によっては向いているかもしれません。

しかし基本的には、資産運用・資産形成は収益性よりも安全性と流動性を重視すべきと考えられています。初めて不動産投資をする方やサラリーマンは、リスク管理がしやすく、安定経営の望める都心部の区分マンションへの投資を中心に検討してみてはいかがでしょうか。

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Vol.1:初心者こそ知っておくべき罠「不動産投資リスク4選」
Vol.3:リスクヘッジとリスクテイクの意味とは?不動産投資に潜む不確定要素への対処法
Vol.4:物理的・心理的など、瑕疵物件の種類とは?不動産投資でのポイントも

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