あらゆる投資の基本は、「リスクをとってリターンを得る」ことです。そのため、投資は難しくも、おもしろくもあるといえます。裏を返せば、リスクをまったくとることなく、リターンを得ることはほぼ不可能だともいえるでしょう。
ただし、何もせずにリスクを許容するのではなく、あらかじめリスクを減らす対策を打つことは可能です。不動産投資の一つでもあるマンション経営の場合であれば、綿密な調査や情報収集、そしてそれらのデータを元にしたシミュレーションなどはまさに、リスクを減らすための行動といえます。
つまり、リスクを把握して減らすことができれば、より成功確率を高めることも可能であるといえます。ここでは、マンション経営における悪い失敗例をもとに「借金」や「シミュレーション」の本質的な意味、そして重要性について解説していきます。
(本記事は2018/04/24配信のものを2021/11/25に更新しております)
さて、もし正しく対策をすることなく、リスクだけをとってしまえばどうなるのでしょうか。たとえば、マンション経営で心配なのが「借金」です。言葉の意味としては単に「お金を借りること」ですが、「借金」という言葉を聞くだけで、何か悪いことをしている、とにかく背負ってはいけないものというような、ネガティブなイメージを抱く方が多いように思われます。
しかし、マンション経営において「お金を借りること」は決して悪いことではありません。不動産投資ローン、つまり金融機関からの融資でマンション経営を行うことは、多くのメリットを享受できる有効な資産形成手段です。特に「サラリーマン」と呼ばれる会社員・公務員の方であれば、自らの信用力をお金に換えることができるという、他の投資・資産形成法とは違った魅力を実感できることでしょう。
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もちろん「融資を受ける」といっても、しっかりと将来を見据えたうえで計画的に活用すべきことは言うまでもありません。注意したいのは、リスクをそのままにしてリスクを低くする対策を行っていないと、結局は悪い「借金」となってしまうことです。その結果、失敗へと突き進んでしまうことになるのです。
具体的に、悪い意味での「借金」となってしまった実際のケースは次のようなものです。
このような事例があることを踏まえたうえで、あらためてマンション経営における「借金」について考えてみましょう。
マンション経営のためにお金を借りることは、借金というより「資金調達」と認識すべきです。なぜなら、マンション経営では家賃収入という「収入面」、ローン返済額、経費、税金といった「支出面」のマネジメントが問われる、つまり「事業的側面」があるためです。
つまり、マンション経営を始めるための資金を金融機関から「融資」という形で調達し、事業として不動産投資を行うべきなのです。
いわゆる一般的な「借金」は、あくまで「消費のため」にお金を借りたりローンを組んだりすることです。例えば、趣味や娯楽、ギャンブルのための借金、クレジットカードのリボ払いでの買い物、消費者金融からのキャッシング、自動車ローンなどです。しかし、それらの借金と、資産形成を目的としたマンション経営のために利用する融資は性質が異なります。
マンション経営では、家賃収入(売上)、ローン返済額、経費、税金面など、あらかじめシミュレーションを行ったうえで投資判断を行います。資産形成・運用・拡大を行うという目的意識のもと、計画的に不動産投資ローンを活用することは、悪い意味での「借金」ではありません。むしろ、事業的側面を活かした「資金調達」、つまり“良い借金”であることを理解しておきましょう。
マンション経営において「悪い」借金となってしまう事例を見ると、事業「経営」におけるリスクを見極めるという視点に欠けていたために、失敗へと至っています。マンション経営を成功させるには、消費のための借金ではなく、事業「経営」のための融資が必要なのだと肝に銘じておきましょう。
また、マンション経営は物件の購入前にある程度、精度の高い見立てを立てることが出来ます。リスクゼロというわけではありませんが、どのようなリスクがあるのかをよく認識したうえで、正しい対策を行いましょう。
マンション経営を実践するにあたり、あらかじめ「悪い借金」と「良い借金」の違いを認識しておくことは重要です。マンション経営の「事業的側面」を理解し、自己資金を使わずに資産形成を行うために「金融機関からの融資」を活用するのは、非常に有効な手法といえます。
しかし一方で、マンション経営は事業「経営」という部分の理解が不十分だと、ローン返済に苦しむ事態を招いてしまいます。返済できないというのはつまり、シミュレーションが不十分であったことを意味しています。あらかじめ堅実なシミュレーションをもとに適切な判断を行う人こそ、融資を上手に活用でき、悪い意味での「借金」となることがないのです。
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