不動産投資は“投資”という言葉がついているように、分類としては、いわゆる投資の一種とされています。つまり、株式投資や債券投資、ETF(上場投資信託)あるいはFX(外国為替証拠金取引)などと同じ部類であると認識されているのです。ただ、不動産投資の中でも「マンション投資」には、“実物を取り扱う”という大きな特徴があります。
マンション投資は、同じ不動産などに投資する「REIT(不動産投資信託)」とも異なります。REITは資金を出すだけで投資できますが、マンション投資は物件を選定して購入し、運営、そして将来的には相続という過程を経ることになります。だからこそ奥が深く、投資というよりは“事業経営”という側面が強いものなのです。
そう考えると、マンション投資に失敗する理由として、「事業経営に対する意識が希薄である」「事業経営の知見やノウハウを理解していない」などが挙げられます。マンション投資を事業経営の一環だと認識し、そのうえで適切な行動を取ることが、あらゆる状況に正しく対処できるポイントになるでしょう。
失敗事例に表れる“ダメオーナー”の特徴
不動産投資は事業経営の側面をもっています。不動産投資の失敗例から、その意味するところを考えてみましょう。不動産投資に失敗している人には、次のような特徴があります。
1. リスクに対する意識が低い
不動産投資はリスクとリターンのバランスによって成り立っています。リスクが少なければリターンも少なくなり、またリスクが高ければ得られるリターンも大きくなるのが一般的です。とはいえ、許容範囲を超えてリスクを負うことは得策ではありません。その点、リスクに対する意識が低い人は、大きく失敗する可能性があります。
2. お金に対する判断能力が甘い
お金に対する判断能力が甘い人も失敗しやすい傾向にあります。なぜなら、不動産投資もまた事業であり、事業には資金が欠かせないためです。小さなお金をきちんと扱えない人に、大きなお金を適切に動かすことは難しいでしょう。わずかな数字でも見落とさないという姿勢が、お金に対する意識を高め、不動産投資を成功に導いてくれるのです。
3. 警戒心がなく情報をうのみにしてしまう
与えられたすべての情報をうのみにしてしまう人も注意が必要です。IT社会が到来し、情報の流通量も速度も格段に進化しました。一方で、うそや宣伝、あるいはマーケティングの一環としての情報も散乱しています。そのような現代において、信頼性の高い情報かどうかを判断できない人は、不動産投資でも失敗しやすいといえます。
“節税におすすめ”というのは本当か?
例えば、不動産投資を考えている人の中には、「マンション経営は節税におすすめ」という言葉を聞いたことがあるでしょう。果たして、その真意については、どのくらい理解しているのでしょうか。
不動産投資が節税になる理由は、主に「損益通算」という観点でいわれています。損益計算とは、マンション経営によって生じた赤字を本業の収入から差し引くことで、結果的に課税所得が低くなる(支払う税金が少なくなる)制度を指します。たしかにマンション経営で赤字が出ている場合は、節税になるでしょう。
特に、マンション経営を始めた初年度は、物件購入時の諸費用を経費として参入することで赤字となり、所得税の節税効果が期待できます。また、2年目以降も減価償却費を経費計上することで節税となる場合もあります。しかしながら、節税効果を期待するあまり、赤字額がキャッシュフローにまで影響を及ぼす事態は避けるべきです。不動産投資の赤字が続くことは、収入そのものが減ることに他なりません。税金の支払いを減らしたいあまり、収入そのものを減らすのは本末転倒です。このように、節税だけにとらわれるのではなく、裏側にあるリスクやお金の本質、そして情報を多角的に考える姿勢が大切です。
情報のウソを見抜き、マンション経営で正しい資産運用を
その他にも、不動産投資には「見えるリスク」と「見えないリスク」があります。見えるリスクとは、主に数字上に表れている想定可能なリスクのことです。一方、見えないリスクとは、震災や事故、市場の変化など、完全に予想できないリスクのことです。それぞれのリスクをきちんと把握し、情報を正しく認識することで、マンション経営を成功させましょう。
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