マンション経営の本やセミナーなどでは、「都心の好立地物件を買うべき」といった解説がよくされています。
不動産投資のビギナーの方からすると「駅に近い=好立地」というイメージくらいかもしれませんが、空室リスクの低い物件を手に入れるには、複数の視点からの「立地チェック」が必須です。
今回はその「好立地」について具体的内容を紹介します。
(本記事は2017/09/08配信のものを2021/11/09に更新しております)
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都心または準都心において、マンションの好立地をチェックする視点としては、「区や市町村などの面」と「最寄り駅という点」の2つが必要です。まずは、「区や市町村などの面」についてお話していきます。たとえば、不動産マーケットで好調といわれる東京23区で見ても、区ごとに中古マンションの上昇率には大きな差があります。
2018年時点における区ごとの過去10年の推移を確認すると、物件価格が大幅に伸びている区もあれば(例:港区、中央区など)、物件価格が下がっている区(例:葛飾区、足立区など)も見られます。東京23区でいえば、青山、赤坂、麻布、六本木といった絶対的なブランドエリアが集中し、JR山手線・京浜東北線の「高輪ゲートウェイ」駅、東京メトロ日比谷線の「虎ノ門ヒルズ」駅といった新駅が開業した「港区」は、今後も価格が安定的と評価されることが多いです。
加えて、皇居や国会議事堂、官公庁など、国家の中枢機能が集中する「千代田区」、日本一地価の高いブランドエリア・銀座があり、築地や湾岸エリアなど東京オリンピック・パラリンピック以降のさらなる発展可能性を秘める「中央区」も根強い人気があります。これら港区、千代田区、中央区を総称して、「都心3区」と呼ばれています。
さらに、大規模再開発が進む渋谷駅、新宿駅、池袋駅といった巨大ターミナルに近接もしくはアクセスの良い区や市といったエリアは、中古マンション価格が安定していると評価されることが多いです。こういったブランドエリア、好調エリアは「好立地の集中地帯」といえます。
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次に、「最寄り駅という点」についてです。空室リスクを回避するには「駅近」の要素が重要です。一方で、駅から単に近いというだけでは物件の大きな魅力になりにくいこともあります。理想は「人気駅の駅チカ」という条件になります。駅選びで難しいのは、好調エリアのすべての駅が人気駅とは限らないことです。
人気駅もあれば、人気が下がっている駅もあります。逆に物件価格が下がっている区の中にも人気駅はあります。その駅の人気をはかるバロメーターとなるのは、乗降人員数、つまりその駅の利用者の伸び率です。乗降人員数が伸びている駅は、マンション選びにおいて将来的な需要の成長が見込めることから好立地といえるでしょう。なぜなら「住みたいと思う人が増えている」ということは、空室リスクが低いエリアと判断できるからです。
乗降人員の状況を確認する方法は簡単です。たとえば、JR東日本の主な首都圏駅の乗降人員数は下記のサイトで簡単にチェックできます。
乗降人員数だけでなく、「前年比」の欄を確認すれば直近の乗降客数の変化もわかります。「△ 0.5」 のように表記されている駅は、乗降人員が減少しているので要警戒です。
私鉄も同様に各社の公式サイトで、乗降人員数を確認できます。一例を挙げると東横線の乗降人員数は、下記の公式サイトで確認できます。
同様に他の路線でも「路線名+乗降人員」のキーワード検索で、同様の情報を入手できることが多いです。
ただし、乗降人員数の伸び率が示すのは、過去から現在の勢いでしかありません。数年後、数十年後の街の勢いをつかむには「その街の未来に向けての動き」を知ることがポイントです。一番わかりやすいのは、駅前の再開発ではないでしょうか。現在、または近い将来、その街の利便性を高めるような再開発が予定されているならプラス材料になります。あわせて、大学や工場の移転なども大きなプラス材料になります。
逆に、現在は大学や工場があって学生や従業員が大勢住んでいる街でも、移転が予定されていることもあります。そういったエリアでは割安な価格で中古マンションが売りに出されていることもありますが、注意が必要です。こういった情報は「エリア名+再開発」「エリア名+大学移転」「エリア+工場移転」などのキーワードでリサーチすることができます。
ワンルームマンション購入の時は、複数の視点から対象エリアのプラス材料、マイナス材料を洗い出し「真の好立地」を見極めることが大切です。
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