不動産投資の基本
2019/03/13

不動産投資物件における構造別特徴とは

(写真=Sergey Nivens/Shutterstock.com)
(写真=Sergey Nivens/Shutterstock.com)
不動産投資を行う上で、得られる家賃収入を積み上げていくためには、物件の選択が一つのポイントとなります。物件を選択する前に行うべきことは、まず自分が将来どうなりたいのかをイメージすることです。これをおざなりにすると、どのような物件を購入すべきか決められません。

例えば、副収入は欲しいが絶対に手間はかけたくない、手間をかける時間がない人もいるでしょう。また、ある程度時間はあるのでより多くの収入を得たいと思う人、そして将来は物件からの家賃収入のみで生活することを目標とする人など、それぞれの最終目標によって購入すべき物件は異なってきます。今回は、不動産投資の構造別にどのような特徴があるかを見ていきます。

区分マンション投資

一棟物と比較して手頃に不動産投資をはじめることができるのが、区分マンションだといわれています。また、区分マンションにも、単身者向けのワンルームマンション、2人以上のファミリー向けもしくはDINKS(Double Income No KidS:意識的に子供をつくらない共働き夫婦の世帯のこと)向け物件、そしてそれぞれで新築物件と中古物件があります。すなわちシンプルに区分けしても2×2の4通りがあると考えて良いでしょう。

1.メリット

区分マンションを販売する業者によっては、金融機関と提携しており、紹介してくれる業者もあります。ゼロから自分で行うというより、ある程度、業者が投資環境を準備してくれるので取り掛かりやすいという点はメリットです。

また、あくまで個人の信用力にもよりますが、頭金が少なくてもローンを組むことができる可能性もあります。少ない投資金額で賃貸需要の高い立地に投資できるのも区分マンションのメリットといえるでしょう。

さらに、状況に応じて徐々に部屋数を増やしたり、一度に複数部屋を購入したりすれば、一棟物と同レベルの規模を目指すことも可能です。加えて、エリアを分散して所有すれば、一棟物と比べて空室リスクや災害リスクを低くすることができます。

2.デメリット

区分マンションを一部屋のみ所有する場合、空室になってしまった時に他の部屋からの家賃収入で補うことができません。転勤や大学卒業などの理由で入居者が退室してしまうこともありますが、都心の単身向けなど、賃貸需要が豊富な物件であれば短い空室期間にとどめることが可能です。立地を精査し、周辺物件の空室率・空室期間を事前に調査しておくなど、空室リスクの低い物件を選ぶことが重要です。

戸建て投資

あまりポピュラーではありませんが、戸建て物件を投資用不動産として活用することもあります。特に近年では、地方の中核都市の街中にある物件を改造して、カフェや店舗として活用したり、場合によっては民泊として使ったりすることも考えられるでしょう。

1.メリット

元々自分の居住を目的として作られています。そのため、構造としてはしっかりしたものが多く、地方の場合はそれほど高価ではないケースが多い傾向です。建物に関しては減価償却の耐用年数を過ぎた(木造の場合22年)ものもあります。その場合、土地値だけで購入できるケースもあります。

2.デメリット

戸建ても区分マンションと同じく一戸のみ所有する場合、空室になってしまった時に他の部屋からの家賃収入で補うことができません。賃貸需要があまり見込めないエリアの物件も多く、将来的な家賃収入の安定性に欠けるといえます。たとえ価格が安い物件があったとしても、安易に飛びつくのは危険です。

また、戸建てに投資する場合には、経費面が思わぬ落とし穴となりやすいので注意しましょう。専有面積が広いために入居者入れ替え時のリフォームが高額となることや、建物のメンテナンスや敷地内の除草、植木の剪定に関する費用がかかることなどをあらかじめ見込んで、資金を準備しておく必要があります。

一棟マンション(RC造・SRC造)

RC造(鉄筋コンクリート造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の一棟マンションについて見ていきます。

1.メリット

この構造の一棟物は、地主さん以外は、中古物件を購入する方が多い傾向です。中古物件でも比較的高めの価格が提示されるケースが多いでしょう。最大のメリットは、RC・SRC構造の場合ですと減価償却の法定耐用年数が47年と長いため、銀行の評価が出やすく融資が比較的、長い期間でおりやすい点です。さらに、複数の部屋を所有することとなるので、一棟を手に入れるだけで規模を大きくできることが特徴です。

2.デメリット

建物の規模が大きくなるため、修繕費が大きくなります。区分マンションと違い、共用部や外壁、屋根などもオーナーの修繕範囲となります。特にエレベーターがついている物件ですと、相応の維持費がかかるでしょう。したがって、自分一人で責任を持って計画的に修繕費を積み立てたり、10年単位での大規模修繕を前提にした修繕計画を立てたりする必要があります。

また、物件自体の評価が出やすいとはいえ、一つの物件の金額が大きいがゆえに、一般的な会社員の方では融資が下りないことがほとんどです。加えて、次に述べるアパート同様、2018年の不正融資問題を受けて融資環境がさらに厳しくなっています。すでにある程度資産を築いている人が取り組むのに向いている物件といえます。

一棟アパート(木造・鉄骨造)

木造や鉄骨造で建設される一棟アパートを見ていきましょう。

1.メリット

アパートの場合は、RCやSRCの一棟マンションよりも低い金額で複数の部屋を一度に手に入れられます。2017年ごろまでは、新築のアパートは中古のアパートと比べると銀行融資がつきやすく、一般的な会社員の方が購入するケースもありました。

ただし2019年現在、アパートに対する融資環境は厳しくなっています。2018年にはアパートに関する不正融資問題が次々と明るみになり、連日メディアを賑わせました。事件発覚後、金融庁からの通達を受け、各金融機関はシビアな姿勢を続けています。ほとんどの金融機関において一定以上の頭金を入れることが条件とされ、自己資金が物件価格の2割以上必要となるケースも多く見受けられます。

2.デメリット

あまりにも古い物件や、老朽化が進んでいる物件の場合、修繕費が高額になりやすい傾向があり、突発的に高額な出費が発生するリスクを想定して資金を準備しておく必要があります。また、一棟マンション同様、共用部や外壁、屋根などに対して自分一人で責任を持つことになります。

以上、投資物件の構造別メリット、デメリットを挙げてみました。冒頭にも書いた通り、まずは自分が目指すゴールを思い描くことからはじめてみてはいかがでしょうか。

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