不動産投資OKな「築年数」「立地」は?中古・区分マンションの選定ポイント

(写真=PIXTA)
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いつの時代においても、不動産投資を成功させるためのポイントとなるのは“情報”です。いかに有益な情報を入手しているのかによって、不動産投資の成否は大きく左右されます。その点、日ごろから不動産に関する情報を幅広く収集し、それらの情報を精査しつつ実際の活動に活かしていくことが、不動産投資家には求められることになるといえるでしょう。

ただし、インターネットが一般に普及している現代において、情報をきちんと精査することは難しいのが実情です。それこそ、不動産に関する情報はインターネット上にあふれています。その中から、必要な情報だけを選び出すというのは、そう簡単なことではありません。だからこそ、押さえておくべきポイントをあらかじめ把握しておくことが求められます。

では、不動産投資において、押さえておくべきポイントはどこにあるのでしょうか。物件選びに必要となる要素はたくさんあるものの、特に投資初心者が把握しておきたいことは2つです。それは、「築年数」と「立地(都市力、街力、駅力、未来力)」です。これらについて明確な指標をもっておけば、膨大な不動産情報から必要な物件のみをピックアップすることができます。

(本記事は2018/09/13配信のものを2020/06/28に更新しております)

▼目次

  1. 特に注目したいポイントは「築年数」と「立地」
  2. 築年数と立地から物件を精査してみよう
  3. 見るべきポイントにフォーカスして

1. 特に注目したいポイントは「築年数」と「立地」

1-1. 築年数と立地に注目すべき理由とは?

そもそも、なぜ築年数と立地に注目するべきなのでしょうか。その理由は、不動産そのものがもつ性質に関係しています。そもそも不動産というのは、人が住んだり生活したりするためのスペースとして活用されます。そのような性質をもつ不動産に求められるものは、住まいとしての安全性であり、かつ、生活しやすい周辺環境となるわけです。

1-2. 不動産選びで大きな間違いをしない

そのような不動産の性質から考えてみるとわかるように、住まいとしての安全性を図る指標として「築年数」があり、また、生活圏を規定する条件として「立地」があります。つまり、これら2つのポイントをきちんと押さえておけば、不動産の選定で大きな間違いをすることはなくなるでしょう。だからこそ、確実にチェックしておきたいポイントなのです。

2. 築年数と立地から物件を精査してみよう

実際に、築年数と立地から物件を精査するシーンについて考えてみましょう。「どのぐらいの築年数の物件なのか」「どのような立地なのか」を見極めていけば、物件を選ぶ精度も高まっていくはずです。

不動産投資の初心者は、たとえ理論として不動産投資の全体像をつかんでいたとしても、時間をともなった経験則がありません。そのため、収益の将来予測がしやすい物件を選定し、確実に利益を得ていくことが得策といえます。そこで選択肢として検討すべきなのが「中古」の区分マンションです。

2-1. 築年数はどのくらいが目安になる?

ただし「中古」といっても、築2~3年の物件もあれば築50年以上の物件も投資対象となる可能性があります。まずは物件の築年数をチェックしてみてください。物件の築年数をチェックすることで、物件が古くなるにつれて賃料がどのように変動するかを想定できます

株式会社三井住友トラスト基礎研究所が2013年に発表した「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」によると、シングルタイプ(18平米以上30平米未満)の「築年数別の理論賃料指数(東京23区)」は、新築を100とした場合、築10年では89であるのに対し、築20年では83、さらに築24年では83となっていて、築10年以降は賃料が安定していることがわかります。


※株式会社三井住友トラスト基礎研究所「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」

また、築年数は融資を受けるうえでも大切なポイントとなります。鉄筋コンクリート造(RC造)の法定耐用年数は47年ですが、RC造は頑丈な造りであることから、法定耐用年数以上の55年を耐用年数と考えて融資を判断する金融機関もあります。そのため、築20年の中古区分マンションでも最長35年のローンを組むことができます。

さらに最近では、融資期間をより長期間に設定できる金融機関が登場しています。例えば築15年の物件であれば融資期間は最長40年、築10年の物件であれば融資期間は最長45年となります。融資期間が長くなれば毎月の返済額が減るため、より良いキャッシュフローで不動産投資を進めることが可能です。

賃料の安定性と融資期間をあわせて考えると、中古区分マンションのなかでも築10年前後~築20年の物件は狙い目と言えるでしょう。

ちなみに、1981年前後に建築された物件を検討する場合には、「耐震基準」に注意してください。新耐震基準が導入された1981年以前の物件を購入する場合、物件価値や融資条件などに影響が及ぶケースもあるため、あらかじめ注意しておきましょう。

2-2. 立地はやっぱり「都心」が強い!

次に、立地についても見ていきましょう。総務省統計局が発表している「住民基本台帳人口移動報告 平成29年(2017年)結果」によると、東京を中心とする都心部で転入超過となっています。


※「住民基本台帳人口移動報告 平成29年(2017年)結果」総務省統計局

地方からの人口流入以外にも、外国人人材や留学生の流入、大学の都心回帰、晩婚化と未婚化、単身赴任の増加など、都心での賃貸需要が今後も期待できる要因は数多くあります。このため、物件を購入する際にも、都心が強いことは間違いなさそうです。

3. 見るべきポイントにフォーカスして

このように、築年数と立地に着目すれば、購入するべき物件の方向性が見えてきます。あとは、ピックアップした物件をきちんと精査し、より条件の良い物件を見極めていきましょう。数多くある情報の中でも、見るべきポイントにフォーカスしていけば、正しい判断ができるようになります。

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