物件数を増やせない不動産投資家の改善点とは?【マンション経営のコツ】

(写真= Oleksiy Mark/Shutterstock.com)
(写真= Oleksiy Mark/Shutterstock.com)

不動産投資の醍醐味は、物件数を増やすことで家賃収入を増大させることです。しかし、 スタートアップ時は順調だったのに、規模を拡大できずに足踏みしている不動産投資家も多く見られます。この停滞する状況を突破するための改善策をマンション経営のコツとして考えていきましょう。

(本記事は2019/04/16配信のものを2020/09/29に更新しております)

▼目次

  1. 不動産投資とは融資をコントロールするビジネス
  2. 金融機関の開拓は、自力よりも不動産会社の紹介が早い
  3. 金融機関に強い不動産会社を見極めるヒアリング方法
  4. 一旦立ち止まり、適正な資産規模を見極めることも大切
  5. 事業用ローンの利用や法人化という選択肢も

1. 不動産投資とは融資をコントロールするビジネス

1-1. 不動産投資の拡大は融資が鍵

不動産投資で経営規模を拡大していけるかは「融資の量」が鍵を握っています。特にマンション経営の特性は「他人資本(=金融機関の融資)」で投資ができることです。これは、上場株式や投資信託など他の投資にない魅力といえます。他人資本の活用により、キャッシュアウトを最小限に抑えながらレバレッジを効かせられるという効率的な投資が可能になります。

1-2. 融資をコントロールする側面がある

不動産投資の本質はシンプルで、融資の部分がうまくいけば短期間で物件数を増やせます。逆に、融資の部分がうまくいかなければ、元手をつくるのに期間を要し、経営規模の拡大スピードが鈍ってしまうでしょう。こういった背景を考えると、不動産投資とは「融資をコントロールするビジネス」の側面があるといえます。

2. 金融機関の開拓は、自力よりも不動産会社の紹介が早い

2-1. 金融機関の開拓は重要だが大変

経営規模の拡大がうまくいかない不動産投資家の中には、金融機関の開拓が手薄になっている方もいるでしょう。優良物件を見つけたのに、金融機関との交渉が難航して他の投資家に持っていかれた……このような経験のある方は、金融機関の開拓がうまくいっていない可能性があります。とはいえ、自力での「金融機関の開拓」は労力を伴います

2-2. パイプのある不動産会社からの紹介が賢明

一般的に、金融機関は自分から大口融資の申し込みをしてくる人に冷たいといわれます(住宅・教育・マイカーなどのローンを除く)。この敷居の高さをクリアするには、金融機関と太いパイプを持っている不動産会社に紹介してもらうのが賢明です。紹介によって審査が甘くなるわけではありませんが、少なくとも審査対象にしてもらえます。

また、日頃の取引状況から不動産会社が金融機関の傾向を理解しているため、融資を通りやすくするためのアドバイスが受けられることもあります。

3. 金融機関に強い不動産会社を見極めるヒアリング方法

3-1. 事前ヒアリングポイントその1

不動産会社が金融機関との太いパイプを持っているかは、事前ヒアリングである程度判断することができます。まず、紹介可能な金融機関名を聞いたうえで、その金融機関に概算でどれくらいの不動産投資家を紹介した実績があるかを確認してみましょう。

3-2. 事前ヒアリングポイントその2

あわせて、紹介した不動産投資家の属性(一般的な年収の会社員か高額所得者か、保有資産の傾向など)を聞けば、紹介してくれる金融機関と自分との相性も判断できます。さらに、紹介先の金融機関の不動産融資への考え方を確認しておくと、審査時の参考になるでしょう。

4. 一旦立ち止まり、適正な資産規模を見極めることも大切

4-1. 一般的なサラリーマンが物件数を増やし続けるのは。。。

不動産投資家の中には、金融機関の重要性は理解しているものの融資枠の制約によって規模感が追求できなくなった方もいます。物件数を順調に増やしてきたものの、ある時点から融資が通りにくくなってきたというようなケースです。一般的な年収の会社員といったサラリーマンであれば、いずれこのような状況が訪れます。一握りの富裕層や高額所得者でない限り、際限なく物件を増やし続けるのは難しいのです。

4-2. 物件数を増やすことにとらわれ過ぎないこと

ここで注意したいのは、物件数を増やすことにばかりとらわれ、本来の目的を見失ってしまう恐れがある点です。不動産投資を始めると家賃収入が継続的に安定して入ってくるため、どんどん物件を増やしたいと考えるのはごく自然なことです。ただし、老後に備える資産形成を目的として不動産投資に取り組むのであれば、無理な融資を受けてまで物件を増やす必要はありません。

4-3. 老後資金確保の基準と不動産投資の目的から現状チェック

老後に確保しておくべき月々の収入は、年金を含めて現役世代の3分の2程度が目安と言われています。この目安収入額であれば、融資基準の一つとされる「年収の15倍」の資産規模でも実現できます。

不動産投資を行う目的は各個人によって異なります。確かに、物件数を増やすことで大きな資産を築けるのは不動産投資における醍醐味でもありますが、まずは自分の目的に見合った適正な資産規模を見極め、現状はどのレベルなのかを一度チェックしてみると良いでしょう。

5. 事業用ローンの利用や法人化という選択肢も

何よりも不動産投資で資産規模を大きくすることにこだわりたい場合には、個人向けの「パッケージローン」から「事業用ローン」に切り替える選択肢を検討してみるのも良いでしょう。切り替えを実現するには、事業用ローンを熟知した不動産会社や、不動産に強い税理士などの存在が必須です。

また、法人化により節税効果が高まるケースも多々あります。この局面では、物件探しよりもブレーン探しを優先させることが重要といえるでしょう。

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