不動産投資の基本
2018/03/09

預貯金だけでは目減りする。インフレ時は不動産が有利。その方法は?①

(写真=Sean K/Shutterstock.com)
(写真=Sean K/Shutterstock.com)
日銀が2013年4月より導入している金融緩和政策が功を奏し、日本の景気に追い風が吹いています。株価も上昇し、いよいよ本格的なインフレへの転換も視野に入った今こそ、不動産投資を始めるには良い時期と言えるでしょう。なぜインフレ時に不動産投資が有利なのか、そして不動産投資にはどのような種類があるのか。今回はインフレと不動産投資の関係性、そして現物不動産投資に焦点を当ててご紹介します。

インフレ時は不動産投資がねらい目な理由とは


インフレ時は、物価が上がる一方で相対的に現金の価値が下がることになります。例えば、インフレ前は10万円で購入できた商品が、インフレの影響で値上がりすると12万円も支払わないと購入できない、という事態が発生します。商品の価値はインフレが起こる前の1.2倍になります。したがって、インフレ時は資産を現金で保持するよりも、不動産のようにインフレと連動する資産に変えて持っていた方が有利になります。

また日銀は金融緩和政策の一環として2016年2月にマイナス金利政策を導入し、不動産投資を始めたい人にとってはさらなる追い風となりました。マイナス金利の状態では日銀にお金を預けてもうま味がなく、金融機関は積極的に融資を拡大することになります。その結果、不動産のローンも低金利で組める時代となり、これまで投資をためらっていた人も不動産投資に手を出しやすくなりました。

不動産投資の種類いろいろ


不動産投資には、大まかに分けて2種類の投資方法があります。1つ目は現物不動産投資です。マンションや一戸建て、土地などの収益物件を購入し、これを貸し出して家賃や地代収入を得る方法です。一般的に不動産投資と言うと、この方法を想像する方が多いのではないでしょうか。

現物不動産投資は、予算やリスクに合わせて複数のタイプの物件を選ぶことができます。マンションやアパートをまるまる購入し貸し出す一棟物件、そして一室のみを購入し貸し出す区分物件があります。ほかにも新築か中古か、マンションかアパートかなどの複数の要素を組み合わせて自分の投資スタイルに合った物件を選ぶことが可能です。

2つ目は、現物を購入する以外の方法で不動産投資を行う方法です。具体的には最近人気が高まってきたREIT(不動産投資信託)、不動産クラウドファンディング、小口化不動産投資があります。これらは「預貯金だけでは目減りする。インフレ時は不動産が有利。その方法は?②」で詳しく解説します。

区分と一棟物。現物不動産投資はどちらがおすすめ?


さて、現物不動産における区分物件と一棟物件には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?それぞれの特徴を確かめましょう。

区分物件のメリットとデメリット


区分物件のメリットとしてまず挙げられるのが、選べる物件数の豊富さです。取引件数が最も多く、かつ一棟物件よりも価格が安いため投資の初心者や低予算の人でも比較的始めやすいという特徴があります。ローンを組むことで少額の自己資金で購入できるものもあり、「今はインフレだから資産を不動産として持っておきたい」と考える人にとっても始めやすいでしょう。

区分物件の場合、所有者は毎月決まった額の管理費・修繕積立金を支払いますが、共用部分や建物全体の大規模修繕や日常のメンテナンスは管理組合が主体となって行います。そのため、一棟物件に比べ手間がかからないという点もメリットです。

さらには、複数物件を所有することで分散投資がしやすいという特徴があります。

一方で、所有戸数が少ないと投資の規模感は小さくなりますし、空室リスクも高くなります。そのため、まずは一部屋から始めて徐々に増やしていくという方法で、立地と時間の分散投資を行うのがよいでしょう。

一棟物件のメリットとデメリット


一棟物件は丸ごと所有するため、状況に応じて比較的自由に共用部分を変更することも可能です。これは区分物件にはないメリットと言えるでしょう。建物だけでなく評価価値の高い土地を建物と一緒に入手できれば、自分の意思だけで将来老朽化した建物を壊して新築したり、更地を土地として転売したりすることも可能になります。

一方で、一棟物件のデメリットは投資額が大きくなることでしょう。一棟物件では購入時に数千万円から億単位の投資が必要となることに加え、購入後、建物の大規模修繕から日常的なメンテナンス、さらには物件競争力を高めるための共用設備投資まで、建物全体に関することの責任は一人で引き受けることになります。特に外壁修繕・塗装や屋上防水工事などの大規模修繕には多額の費用が必要になりますが、すべて一人で支払わなければなりません。計画的な積み立てをしておく必要があります。

不動産投資はまさに追い風の時


このように、区分物件、一棟物件ともにメリットとデメリットがありますので、特性をよく理解した上で投資対象を選ぶことが大切です。本業を持つサラリーマンの方などは、比較的手間がかからない区分物件を検討してみるとよいでしょう。

日本の景気が回復しインフレへの舵を切り出した今は、不動産投資を始めるには絶好の機会と言えるでしょう。日銀の金融緩和政策のおかげで不動産投資ローンを低金利で利用できる上、審査自体も以前より通りやすいと言われています。この機会に、ぜひ自分の資産を不動産として運用することを考えてみてはいかがでしょうか。

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