不動産投資ローン活用術(5)

マイナス金利が不動産市場に与えた影響とは?その狙いと仕組み

(写真=1599686sv_Shutterstock.com)
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マイナス金利導入のニュースをなんとなく知っている人でも、マイナス金利が経済のどの部分にどのような影響を与えているのかを説明することは難しいものです。

そこで、価格上昇が続いている不動産にスポットを当てて、マイナス金利の仕組みと不動産市場との関係を見てみましょう。今後不動産に投資をする上で、基礎となる知識を理解していただければと思います。

(本記事は2017/10/10配信のものを2019/10/21に更新しております)

▼目次

  1. マイナス金利の狙いと仕組み
  2. マイナス金利は不動産市場にとって追い風
  3. アベノミクス+オリンピック誘致で不動産価格上昇は継続?
  4. 専門家のセミナーや相談で情報収集

マイナス金利の狙いと仕組み

そもそも、マイナス金利はどのような政策で、どのような狙いを持っているのでしょうか?
簡単に言うと、「金融機関の預金の金利をマイナスにして、企業や個人がお金を借りやすくする政策」です。

2016年2月から、日銀は歴史上初めてマイナス金利の導入を開始しました。私たちが金融機関に預けているお金の金利がすぐマイナスになるというわけではなく、金融機関が日銀に預けているお金(日銀当座預金)の金利が-0.1%になったのです。

マイナス金利の狙いは、経済に刺激を与えることです。マイナス金利だと、金融機関は日銀にお金を預けていても目減りするだけです。したがって、企業や個人に貸し出したり、投資に回したりすることで、市場にお金が回るようになります。結果として、企業の設備投資や個人の消費が活発化するというわけです。

マイナス金利は不動産市場にとって追い風

マイナス金利の導入は、不動産市場にとってプラスの効果を持っていると考えられます。

企業、そして個人も、不動産を購入するときに自己資金だけで賄うことはあまりありません。企業の場合であれば銀行からの借入れや社債の発行などによってお金を調達しますし、個人の場合であれば住宅ローンを利用する人が多いことでしょう。

マイナス金利導入の影響によって、これらの借入金の金利も下がります。一例として、住宅ローンの金利の推移を見てみましょう。

三井住友銀行の住宅ローンは、20年超35年以内のもので2016年2月前半(マイナス金利導入直前)は1.99%だったのが、マイナス金利導入から半年経過した2016年8月には1.34%まで下落しました。2017年に入って1.6%台まで戻っていますが、2019年10月時点においては1.59%とまたほんの少し下がっており、これまでの事象としては住宅ローン金利が下落したことは確かな事実といえます。
(参照:三井住友銀行ローン金利一覧

住宅ローンの金利が下がっていることは、個人の不動産購入者にとってお金を借りやすい状況が訪れているということでもあります。マイホームの購入だけでなく不動産投資を狙う人々にとっては、願ってもないチャンスです。ちなみに、実際に不動産投資ローンの金利水準も住宅ローンと同じくマイナス金利政策導入前と比べて下がっています。

実際、国土交通省の「不動産市場動向マンスリーレポート」によると、2016年後半から首都圏の中古マンション成約数が増えており、2017年に入っても勢いが衰えていません。2017年7月の成約数は3,304件で、これは前年同月より3.6ポイント増となっています。また、2018年全体では37,217件と前年比-112件と微減だったものの、過去最高水準の37,000件台を維持しており、依然として不動産市場が活気づいているといえます。

アベノミクス+オリンピック誘致で不動産価格上昇は継続?

不動産市場に流入する資金が増加したことで、首都圏を中心に不動産価格の上昇が続いています。公益財団法人東日本不動産流通機構の「月例マーケットウォッチ」によると、2013年1月から56ヵ月連続で中古マンションの成約単価(1平方メートル当たり)が上昇しています。2017年8月の成約単価は50.50万円と、前年同月比で5.9ポイントの伸びとなっています。

今後も不動産価格が上昇を続けるかどうかは容易に予測できませんが、アベノミクス+オリンピックの効果は無視できません。アベノミクスによる株価上昇や、2020年の東京オリンピックに向けた宿泊・観光施設などの建設も進められることから、不動産市場にとって追い風がしばらくは吹き続けるように思われます。

ただし、不動産市場から資金が引きあげられる動きはないかなど、社会経済情勢の変化には常に気を配っておきましょう。最終的には自分のライフプランをよく考慮して投資の是非を判断する必要があります。

専門家のセミナーや相談で情報収集

2016年2月に日銀が導入したマイナス金利によって、金融機関による貸出しが刺激されて不動産市場が活気づいています。住宅ローン金利は低下し、不動産の成約件数は増加および高水準維持の傾向にあります。

需要の増加によって、首都圏を中心に不動産価格の上昇は続いていますが、これがどこまで続くか予測するのは困難なものがあります。マクロ情勢と自分の人生(老後の生活像)をよく考えるとともに、必要であれば専門家のセミナーや相談などを通じて情報収集をしてみましょう。

(参考記事)
老後資金について、気になる生涯年収と生涯支出の話し
早めの準備が必要です!日本の年金問題

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