不動産投資の基本
2017/09/13

REITと不動産投資。それぞれの特徴とは

(写真=Andrey_Popov_Shutterstock.com)
(写真=Andrey_Popov_Shutterstock.com)
不動産に対して投資する場合、現物の不動産へ投資することを思い浮かべますが、REIT(不動産投資信託)を通して不動産に投資することも可能です。今回は、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

REITの仕組みやメリット・デメリット

REITとは、「Real Estate Investment Trust」の略です。日本語にすると、「不動産投資信託」という意味になります。世界各国の証券取引所で上場されており、日本で上場しているREITはJapanのJを付け「J-REIT」と呼ばれています。

REITは、投資家から集めた資金を不動産投資法人がマンションやオフィスビル、商業施設など複数の不動産に投資します。それらの不動産の賃貸収入や売却収入によって得た利益を投資家に還元する仕組みです。

REITには、特定の用途の不動産にのみ投資する「特化型」、異なる用途の施設に投資する「複合型」、3つ以上の異なる用途の不動産に投資する「総合型」があります。また、限られた地域に投資するものと、幅広い地域に投資するものがあります。

REITのメリットは、少額から不動産投資にチャレンジできることです。なかには10万円以下で購入できる銘柄も存在します。現物で複数の不動産に投資しようとすると多くの資金が必要となりますが、REITであれば少額で分散投資できますし、個人では購入できないようなホテルやオフィスビル、病院、ショッピングモールなどの大型不動産にも投資できます。

株のように価格の変動があるため、値上がりしたタイミングで売却すればキャピタルゲインが得られますし、分配金でインカムゲインを期待することもできます。

REITは不動産投資法人が運用するので、不動産経営に関する知識や、手間も必要ありません。売りたいときに売却できるので、換金性や流動性の高い商品です。レバレッジをきかせて大幅に儲けを得ることは難しいですが、その分、気軽に投資することができると言えます。

一方、REITのデメリットは、通常の投資商品と同様に元本割れのリスクがあること、価格変動や発行体の信用リスクもあります。また、現物不動産なら物件を担保にして金融機関から融資を受けられますが、REITはそのようなメリットがありません。

不動産物件への投資の仕組みやメリット・デメリット

現物の不動産物件によって収益を得る方法は、短期的に売買して売却益(キャピタルゲイン)を得る「投機」と、中長期的に保有して家賃収入(インカムゲイン)を得る「投資」の2種類があります。

会社勤めや公務員などで、本業を持ちながら副業として不動産投資をする場合、多くは後者の方法でしょう。ワンルームマンションなどの区分所有マンションのほか、マンション一棟すべてを所有することもできます。

現物不動産の最大のメリットは、物件を担保にして金融機関から融資を受けられる点です。自己資金が少額でも、融資を受け資金を得ることでレバレッジを効かせて大きな取引ができます。また、現物資産としての不動産があるというのも強みです。

一方で、現物での不動産投資の場合、「投資」というよりも「経営」の観点でのセンスが問われます。物件選びから始まって、入居者管理や物件のメンテナンスなど、オーナーとして腕をふるわなくてはいけません。

こうした管理業務は管理会社に任せることができますが、きちんと仕事をする信頼できる会社がどうか、目を光らせるのはオーナーの仕事です。そのため、ある程度の手間も必要だといえます。

REITと不動産投資は全く異なる

REITと不動産投資は全く異なるものです。REITはあくまで株などと並ぶ投資商品のひとつ、現物の不動産投資は「不動産経営をする」と考えた方がいいでしょう。それぞれの長所・短所を比較しつつ、根本的な違いを把握しておくことが大切です。


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