初心者の知るべきメリット(2)
不動産投資のメリットというと、家賃収入によってキャッシュフローが増加し経済的自由を手に入れることができるとイメージする人が多いのではないでしょうか。
確かに、家賃収入によって給与外の副収入が増えるということは大きなメリットではありますが、それ以外として実物資産だからこそ担保価値の高い資産を築くことができるというメリットも忘れてはなりません。今回は不動産投資における担保価値について確認していきましょう。
(本記事は2017/09/01配信のものを2022/12/18に更新しております)
個人も法人も保有する全ての資産が借金(負債)なのかもしくはそうでない真水で手に入れたものなのかに分かれるのですが、その「真水」部分を純資産といいます。
例えば、ある個人の全資産の内訳が、預貯金200万円・持ち家7000万円(頭金300万円+住宅ローン6700万円)・自動車300万円(頭金50万円+マイカーローン250万円)とします。会計上のバランスシート(B/S:貸借対照表)でいうと、資産7500万円、その内訳が負債6950万円、純資産550万円となります。つまるところ、資産は借金と真水が色々なものに形を変えているということでもあります。
さて、お金を貸し出す金融機関としては、貸し出した金額を回収できないのが一番気になるところです。そのような状況を避けるために、仮に債務者の返済能力がなくなったとしても債務者所有の資産を売却して回収します。
ただし、債務金額は明確であっても、資産価値を正しく評価するのは非常に難しく、評価方法は金融機関によって差があります。一般的に担保価値は、時価に掛け目を掛けて算出しますが、その「掛け目」こそが、もし担保を売却した時に最低でも現金化できる水準として金融機関が設定したものとなります。
つまり、所有資産の担保価値が高ければ、金融機関から融資を受けられる可能性が高くなりますし、経済的に異常事態が発生したとしても担保価値が高い資産を現金化することによって、自己破産という最悪の事態を防ぐことができます。その担保価値が高いものこそが、実物資産である不動産なのです。
不動産投資では、「家賃収入 - ローン返済 - 経費 = キャッシュフロー」という公式があります。
簡単にいえば、家賃収入からローン返済額及び経費を差し引いた金額が最終的に手元に残るキャッシュフローとなり、それが自分の経済的な力になっていきます。
同時に債務が減少していることも忘れてはなりません。この債務の減少が時間の経過とともに起こることで純資産が増加し、そして不動産マーケットや自助努力によってが物件評価(≒担保価値)が増加する可能性があるということも不動産投資の大きなメリットです。
ここで、ご注意いただきたいのは必ずしも担保価値が増加するとは限らないということです。時間の経過とともに確かに債務金額は減少していきますが、それと同時に経年劣化などにより建物の資産価値は下落していきやすい傾向にもあります。要するに、立地・間取り・機能などのスペックがほぼ同じ新築と築30年の中古物件があるようなら、どうしても物件評価は新築の方が高くなりやすいのは自明の理ではないでしょうか。
もし購入後に建物に異常な事態、もしくはその立地の評価が下がるような事態が発生してしまった場合は、物件評価、つまり担保価値が下がってしまうことになります。しかし、その責任が自分にない場合は価値の下落分を丸被りする可能性は低いとも言え、そもそもこれは稀有な最悪の事態としての話ですので、不動産自体は一般的には安定した資産であり「担保価値が高い」と認識すべきでしょう。
不動産投資では家賃収入を元手にローンの返済を行っていくことがほとんどです。通常、マイホームを購入した場合は、自己資金でローンの返済をするので、その点も不動産投資の大きなメリットです。
賃貸経営が順調にいっているという状況下では、他人が支払った家賃を使ってローンを返済し純資産が増え、キャッシュフローも残り、かつ、あわよくば担保価値も増えていくという好循環になっていくとよいでしょう。(※環境によってはキャッシュフローが残らない場合もあります。)
このように自分が所有している資産の担保価値を上昇させるためにも、自助努力として所有した不動産は適切に管理することが非常に大切ともいえるのではないでしょうか。
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