初心者の知るべきメリット(3)
世の中には、株式投資やFX(外国為替証拠金取引)など、多くの資産形成・運用の方法があります。なかでも不動産投資は「他人資本の活用」つまり金融機関から融資を受けることで、元手をかけずに(場合によっては自己資金0円から)資産形成ができる点に魅力があります。これは他の投資には見られない不動産投資だけの特徴ともいえます。
2012年末からのアベノミクスに端を発した昨今の超低金利環境では、サラリーマンと呼ばれる会社員や公務員などの方でも「レバレッジ効果」をうまく活用し、数十万円程度のわずかな自己資金で数千万円、数億円規模の資産を手に入れるケースが増えています。
一方で、レバレッジの効かせ方を間違えると、資産形成に力を発揮するはずの投資も無意味なものとなってしまいます。そのような事態にならないよう、不動産投資におけるレバレッジ効果とは何か、他の投資法で利用されるレバレッジとはどう違うのかについて、学んでおく必要があります。
(本記事は2017/09/07配信のものを2024/10/04に更新しております)
レバレッジとは英語で「てこ」を意味し、固い棒の一点を支点とし、回転できるようにしたものを指します。小学校の理科の授業で学習した通り、てこの原理を使うと、少ない動力で大きなもの、重いものを動かすことができます。
これと同じように、投資の世界でも少ない元手で大きな金額の取引をすることを「レバレッジを効かせる」と言います。レバレッジの割合(レバレッジ率)は、次の式で計算できます。
例えば、200万円の自己資金を投資して2,000万円の取引を行った場合、レバレッジ率は10倍と計算できます。
不動産投資では、金融機関からの融資という「他人資本」を活用し、レバレッジによる効果的な投資を行うことができます。
例えば、区分所有マンションを購入する場合を仮定してみましょう。大多数の方はキャッシュで一括購入するのではなく、銀行から資金を借入れて購入します。自宅の場合は住宅ローン、投資用マンションなら不動産投資ローンを組みます。
不動産は現物資産であるため、それ自体を担保として融資を受けられます。特に投資物件は、将来的にどのくらい家賃収入を得られるかという「収益還元法」の視点で担保評価が行われます。
また、融資を受けるにあたっては、購入者の属性、立地、物件、不動産投資会社の信用力などが審査されます。特に「サラリーマン」と呼ばれる会社員や公務員など、信用力の高い方であれば、頭金がいらないフルローン、諸費用やリフォーム費用まで含めた物件価格以上のオーバーローン(諸費用込みローン)を受けられるケースもあります。
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もちろん、多額の現金・預貯金を保有している方であれば、融資を受けずに投資用マンションを購入することも可能です。しかし、仮に投資可能な現金が2,500万円、投資用マンションを1部屋2,500万円で購入可能(簡素化のため諸費用等は考慮しない)だった場合、下記のどちらが資産規模を拡大できるでしょうか。
(A)全額自己資金で1部屋購入する
→資産規模は2,500万円
(B)1部屋あたりの自己資金を500万円として、5部屋購入する
→資産規模は1億2,500万円
上記の通り(B)のほうが資産規模を拡大できることがわかります。融資が受けられれば、自己資金だけで購入するより何倍も大きな資産を築けるということです。これが、不動産投資で「レバレッジが効いている」状態です。
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レバレッジと関連する指標に「自己資金利回り」があります。自己資金利回りとは、自己資金拠出額に対して、利益の割合を示したものです。例えば、100万円の自己資金を拠出して、年間10万円の利益を得ることができたのであれば、自己資金利回りは10%(10万円÷100万円×100)となります。
この指標は、いかに自己資金を効率的に利用して収益を得ているかを示しています。同じ10万円にしても、1,000万円自己資金を使って10万円の利益を得た人と、100万円の自己資金を使って10万円の利益を得た人では、後者の方が自己資金を効率的に利用していると言えます。
また、他人資本の活用はレバレッジだけでなく「自己資金の温存」という意味でも効果を発揮します。まとまった現金・預貯金を手元に置いておけば、ライフイベントに備えることができますし、怪我や病気、天災などで突発的な支出があっても柔軟に対応できます。
【参考記事】不動産投資を始める前に「ライフプラン」を考えておきたい理由とは
不動産投資でキャッシュフローが悪化するのは次のようなケースです。一棟不動産投資を行っていて、屋根や外壁の雨漏りといった突発的な修繕が必要になったが修繕できる現金を保有しておらず、ローンも借りられない状況に陥ります。そして入居者がつかなくなり、家賃収入が途絶え、ローンの返済が自己資金での返済となりキャッシュフローが悪化する、というものです(ちなみに、区分マンションに投資している方は、計画的に修繕積立金を支払っているため、上記のようなケースは起こりにくいと言えます)。
自己資金を多く投入すれば、1ヶ月あたりのローン返済額は少なくなりますが、全く自己資金がない状態では賃貸経営のリスクが高まります。突発的な修繕費用の発生リスクなどに対応できるよう、ある程度の自己資金を準備しておくことが大切です。そして結果的に使わなかった自己資金があれば、後から繰上げ返済をして、毎月の収支を改善したり、返済額を減らしたりすることができます。
【参考記事】効果あり?不動産投資ローンの「頭金」「繰り上げ返済」を熟知しよう
また、自己資金をそれほど多く蓄えなくても安心して運用できるよう、万が一修繕が必要となった場合の費用サポートや、空室リスクをカバーする仕組みを管理会社が提供していれば安心です。利用を検討してみるもの良いでしょう。
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投資におけるレバレッジと言えば、FX(外国為替証拠金取引)を思い浮かべる方も多いでしょう。もしかすると「不動産投資はFXと同じように危険なのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。確かに、自己資金以上の金額を動かせるという意味では不動産投資もFXも同じです。しかし、不動産投資のレバレッジとFXのレバレッジでは、次の3点で明らかに性質が異なります。詳しく見ていきましょう。
そもそもFXは、短期売買による為替差益や、スワップポイント(2通貨間の金利差額調整分)から利益を得るものです。為替差益を狙うには激しい値動きに身を置かなければならず、投資というよりは「投機」の部類に属するハイリスクな手法といえます。また高いスワップポイントを狙えば狙うほど、新興国や政情不安のある国が発行する比較的リスクの高い通貨を保有することになります。
このような特徴を考えると、FXは余剰資金を用いて、遊びや趣味としてゲーム感覚で楽しむ分にはレバレッジをかけても問題ありません。しかし、手堅く将来の備えを蓄積しなければならない資産形成として考えると、FXは向いていないと言わざるを得ません。
一方、不動産投資では、短期で売買するのではなく中長期的に投資物件を保有することで、家賃収入を継続的に得られます。家賃収入は不況下においても急激に変動することがなく、安定した資産形成が可能です。
当然、物件が建っている場所(立地)、一棟アパートもしくは区分マンション、ワンルーム・ファミリー・DINKSなどといった物件のタイプにもよりますが、選択を間違えなければ安定した家賃収入が期待できます。そのため、不動産投資はレバレッジ効果を利用できるうえに、低リスクで手堅い資産形成法として選ばれているのです。
【参考記事】ワンルーム?DINKS向け?投資用マンションの特徴・購入から運用の基本を知ろう
FXでは、元手に対するレバレッジの割合は最大25倍までと決まっています。これは金融庁がFX取引業者に対して「取引額の4%以上の証拠金を預かること」という規制を敷いているためです。ちなみに、2018年時点では法整備が見送られたものの、金融庁ではFXにおける証拠金倍率の上限を10倍に引き下げるといった規制強化検討の動きがあります。
一方の不動産投資では、FXで規制されているようなレバレッジ上限がなく、頭金0円の「100%ローン」が利用できるケースも多くなっています。例えば、物件購入における必要資金が諸費用を含めて総額2,500万円だった場合、頭金0円で融資を受け、諸費用50万円を自己資金から支払うと、投じた自己資金に対するレバレッジは50倍と計算できます。
さらに、諸費用込みローンを利用するなど「自己資金ゼロ」で不動産投資を始めることができれば、レバレッジは「無限大」の域に達します。比較的低いリスクで大きなレバレッジ効果が期待できるのが「不動産投資の醍醐味」と言っても過言ではありません。
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FXでは「強制決済」や「ロスカット」という仕組みがあり、これらをコントロールできるスキルや時間的余裕がないと損失が出やすくなります。
強制決済とは、証拠金を法令で定められている水準、取引額の4%以上(レバレッジ25倍以内)に保つための仕組みです。具体的には、必要証拠金が不足した状態になると、追加証拠金(追証:おいしょう)を入金するか、ポジション決済により証拠金を4%以上に戻し、追証が必要ない状態にしなければなりません。一定時点までに状態が解消されない場合には、強制決済が行われます。
また、損失の拡大を防ぐ目的で、有効証拠金に関してFX取引業者が定める水準を下回った場合に、強制的に取引終了となる仕組みがあります。これを「ロスカット」と言います。
FX経験者からは、ちょっとした小銭稼ぎのつもりでFXを始めたものの、本業が忙しいために状況を注視できず、強制決済やロスカットによって知らない間に損失が出てしまったという失敗談をよく耳にします。
一方の不動産投資には、強制決済やロスカットといった仕組みはありません。仮に物件価格の変動があっても所有権を取り上げられることはなく、家賃収入が安定して入ってくる状態は変わりません。家賃収入を目的とする不動産投資では、物件価格の上下に一喜一憂する必要がなく、家賃収入から着々と返済を進めればよいのです。日々の中で精神面での負担をほとんど感じることなく、自然体で資産形成ができてしまう点は魅力的です。
以上みてきたように、不動産投資におけるレバレッジと、FXにおけるレバレッジには根本的な違いがあるとわかります。「レバレッジ」という言葉にネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、投資法ごとの性質の違いを理解すると「不動産投資だからこそ実現可能なこと」が見えてきます。
【参考記事】株式投資に失敗した人でも成功?不動産投資「5つの決定的な違い」で堅実な資産形成
融資というレバレッジを効かせることで、個人の自己資金だけでは到底かなわない規模の投資も、家計に負担をかけずに無理なく実現できます。
もちろん、金融機関から融資を受けた場合は、利子をつけて借入れた資金を返さなくてはなりません。しかし、不動産投資の場合は、入居者から受け取る家賃収入があり、これを返済の原資にあてることができます。言い換えれば、融資という「他人資本」で投資を始め、家賃という「他人が働いたお金」で返済が行われるということです。
FXや株式などに投資する個人が、銀行から融資を受けられる可能性はまずありません。自分の懐から出す元手を最小限にして、融資や家賃など「他人のお金」で投資ができるのは不動産投資の大きな特徴・強みだといえます。
日本では子どもの頃から「借金は悪」と教えられて育った人が多いので、金融機関から融資を受ける(=借金する)ことを極端に避ける人もいます。ただ、事業をする上で、金融機関から融資を受けることはごくありふれた資金調達方法ですし、一般的に多くの人は自宅を購入する際に住宅ローンを組んでいるのではないでしょうか。
不動産投資の場合、借入れしたとしても、安定的に家賃収入を得られる仕組みが構築でき、計画通りに返済を進めることができていれば問題ありません。確かに、遊興費、クレジットカードのリボルビング払いなど、利益を生まない「消費」のための借金は悪かもしれません。
ですが「投資」のための融資、あるいはビジネスや事業運営のための資金調達であれば、調達コストを上回る将来的なリターンが期待できる限り「良い借金」なのです。
【参考記事】失敗する前に!マンション経営における「借金」の定義とは
2018年に相次いで発覚した不動産投資における不正融資の問題を受け、融資可否を厳格に判断する金融機関が増えています。一方、日本は新型コロナウイルスの影響下においても今後も超低金利時代が続く見通しです。特に会社員や公務員など「サラリーマン」と呼ばれる安定的な職業の方は、金融機関からの信用力が高く、融資を受けやすい状況が継続しています。
不動産投資の最大のメリットともいえる「他人資本の活用」によって、資産を効率よく拡大するチャンスです。信用力の高いサラリーマン投資家に有利な状況をうまく活用して、不動産投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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