マンション投資の基本
2018/06/20

購入した後に困らない投資用マンションの特徴とは?不動産投資の基本スキーム

(写真=OSABEE/Shutterstock.com)
(写真=OSABEE/Shutterstock.com)
不動産投資の対象となる物件にはさまざまな種類があるものの、失敗するケースには、いずれも類似した特徴があります。たとえば、不十分な事前調査やシミュレーションの甘さ、戦略・戦術のなさ、あるいは単純な判断ミスなどです。どのケースにおいても後から考えてみると改善すべき余地があったと気づけるものばかりでしょう。

では、マンション経営に着手する場合、どのようなポイントに注意しておけばいいのでしょうか。大切なのは、マンション購入から運用までの「基本スキーム」をきちんと理解し、そのうえで、必要な情報収集とシミュレーション、そして中長期的な計画をもとにした購入判断および運用をしていくことです。それは、どのタイプの物件でも同様です。

そこで、あらためて物件の種類ごとの特徴(メリットや魅力、デメリットや注意点)を概観しつつ、不動産投資の基本スキームについて確認しておきましょう。基本がマスターできていれば、どのような物件でも適切に対応できるようになります。逆に、基本的な事項を把握していなければ、どんな応用問題にも対処できないと理解しておきましょう。

物件別、マンション経営それぞれの特徴

マンション経営における投資物件の種類には、建物の年数に着目した「新築」「築浅・中古」「築古」、エリアに着目した「都心(超都心・山手線内側など)」「地方・郊外」があります。そして、物件の全部なのか一部なのかに着目した「一棟」「区分」、さらには間取りに着目した「ファミリータイプ」「ワンルーム(単身者向け)」「DINKS向け」などさまざまです。まずは、それぞれのメリットや魅力、デメリットや注意点を把握しておきましょう。

「新築」「築浅・中古」「築古」

新築物件のメリットは「新しさ」にあります。新しい物件を求める入居者に対し、新築時であれば新築プレミアムの家賃で貸し出すことが可能となります。デメリットとしては、当然新築というだけで築浅・中古物件よりも物件価格が高くなりますが、それなのにすぐに新築でなくなるという点です。新築時の入居者が退去すると同じ家賃では入居者がつかないケースも多く見受けられます。

築浅・中古物件のメリットは、立地の選択肢が増えることです。最近では、東京23区の条例によるワンルーム規制や都心のマンション用地の高騰により、都心の新築マンションが少なくなっています。そのため、新築にこだわると都心から離れたエリアになりがちです。一方で築浅・中古物件は都心にも物件があり、安定的な賃貸需要が見込める立地を選択しやすくなります。

築古物件のメリットは、表面利回りが高いことと、減価償却による節税効果が大きいことです。一方でデメリットとして、経年劣化による修繕費等の支出が多くなる可能性があること、立地や物件状態によっては入居者から選ばれにくくなることが挙げられます。

「都心」「地方・郊外」

「都心」とは、ブランドエリアなどの超都心や、都心3区(千代田区、中央区、港区)、都心5区(都心3区に加え新宿区、渋谷区)、山手線内側などを指します。

都心の物件は安定性が魅力です。都心では入居率が高いことに加え、今後も単身者を中心に人口増加が予想されていて、将来にわたる安定的な賃貸需要が見込めます。地方・郊外と比較して物件価格が高いことを気にする方もいますが、その分家賃相場も高く収益力があります。資産価値が高い物件を所有できるという安心感や、ブランドエリアの物件を所有できるというステイタス感もあります。

一方、地方・郊外の物件は物件価格が安いことと、表面利回りが高いことが魅力です。運よく空室にならなければ早く投下資本を回収できる可能性もあります。しかし一度空室になると空室期間が長引くことや、家賃相場が低いことから管理費や修繕積立金、リフォーム費用や設備修理・交換費用などの経費の割合が高く、実質利回りが大きく低下する点に注意が必要です。

「一棟」「区分」

一棟と区分の違いについてはどうでしょうか。一棟のアパートやマンションへの投資では、土地を含めて物件をまるごと所有します。一棟物件の魅力としては、土地を所有するというステイタスを味わうことができ、一つの物件に投資することから効率よく収益を生み出せる可能性があることです。

その反面、リスクの大きさも認識しておく必要があります。まず、部屋ごとにエリアを分散できないため、賃貸需要が見込める立地でないと大幅に収益が低下する可能性があります。また、共用部分に関する日常的な維持・管理、長期計画が必要な大規模修繕の責任を一人で受け持つ必要があります。さらには、好立地で一棟物件を入手しようとすると高額となることが多く、実際に所有できるのは都心から離れた立地の郊外物件になりがちです。

一方、区分マンションへの投資では一部屋ずつ所有(区分所有)します。一棟物件と比べると、立地の自由度が高い点が魅力です。将来にわたり賃貸需要が見込める都心エリアの物件も選びやすく、複数の部屋を所有する場合にはエリアを分散して投資することも可能です。また、一棟物件とは異なり、共用部分に関することは管理組合や建物管理会社が主体的に行ってくれるため、初心者や本業が忙しい方でも安心して不動産投資を始められます。さらに、相続においては一棟物件より分割しやすいというメリットがあります。

区分マンション投資の注意点としては、部屋数が少ないと空室時の収入減少率が高いことです。そのため、将来的な賃貸需要が高く入居者がつきやすい立地の選定と、できるだけ空室期間を短くする対策が大切になってきます。また、土地や共用部分の所有権は共有となるため、変更の自由度が低くなる点を認識しておきましょう。

「ファミリータイプ」「ワンルーム」「DINKS向け」

ファミリータイプとワンルーム(単身者向け)を比較してみましょう。ファミリータイプのメリットは、一度入居すると入居期間が長くなる傾向があり、安定した収益が期待できる点です。またファミリータイプの区分マンションの場合、どちらかというと投資目的よりも自分が居住する(実需)目的として購入する人が多く、空室のタイミングであれば売却しやすくなります。

ファミリータイプのデメリットとしては、次の入居までの期間がワンルームタイプより長くなる傾向があること、部屋が広く入居期間が長いことから退去したときのリフォーム費用がワンルームタイプより高くなること、一部屋あたりの価格がワンルームより高額となることです。

一方、ワンルームはファミリーと比べて、短期間で入居者の入れ替えが可能です。賃貸需要の見込める立地であれば退去が決まっても次の入居者がすぐに見つかる可能性が高く、部屋がコンパクトなためリフォーム期間も短くなる傾向があります。特に都心では単身者の賃貸需要が高く、退去する前に次の入居者が決まっていることも日常茶飯事です。将来性を考えても、東京23区の単身世帯数は増加し続ける見込みで、2035年には単身世帯割合が全世帯の50%を超えると予測されています。したがって、立地のよいワンルームであれば将来的にも安定した収益が期待できるのです。

また、一部屋の価格がファミリーより低額となることから、分散投資や相続対策を考えた場合にもワンルームはファミリーより向いていると言えます。

ちなみに、ファミリータイプとワンルームの中間に「DINKS向け」の物件もあります。DINKS向けとは、意識的に子供をつくらない共働き夫婦の世帯(DINKS:Double Income No KidS)をターゲットとしたコンパクトマンションのことで、DINKSだけでなく新婚世帯、子供が大きくなって夫婦のみとなった世帯もターゲットとなり得ます。このような世帯はファミリータイプほどの広さを必要とせず、かわりに立地の良い物件を選ぶ傾向にあります。例えば都心の1DK・1LDKタイプでは、DINKS、新婚世帯、高所得の単身者や住居兼事務所など多様な賃貸ニーズが期待できます。

マンションを購入してから運用するまでの王道パターン

さて、物件の種類ごとに違いがあることを理解したうえで、マンションを購入してから運用するまでの王道パターンを確認しておきましょう。
マンション経営によって得られる収益は、家賃収入から経費を引いた「インカムゲイン」が基本となります。物件価格が上昇したときに売却した場合には、売却価格から購入価格を引いた「キャピタルゲイン」を得られる可能性もありますが、マンション経営では購入したマンションを売却して利益を得るのが目標ではなく、保有していることで家賃収入から利益を得ることが目標となります。そのため、購入時の物件選びはもちろん、購入後の運用がとても重要になります。

正しいスキームを身につければ複数物件の運営も可能に

そして、運用時のポイントは何といっても「客付け」になります。つまり、どのタイプの物件を購入するにしても、安定的に入居者を確保できるかどうかがカギとなるのです。マンション経営に着手する場合は、その点も考慮に入れて判断する必要があります。購入後、いかにうまく運営できるかをイメージしながら、購入判断をするようにしましょう。

購入から運用までの正しいスキームを身につければ、複数の物件を運営することも可能となります。そうすれば、より収益が大きくなり、安定的な投資を実現できるでしょう。まずは基本をふまえたうえで、購入時から購入後までの流れをぜひマスターしてみてください。

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