ワンルーム?DINKS向け?投資用マンションの特徴・購入から運用の基本を知ろう

(写真=OSABEE/Shutterstock.com)
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不動産投資の対象となる物件にはさまざまな種類があるものの、失敗するケースにはいずれも類似した特徴があります。たとえば、不十分な事前調査やシミュレーションの甘さ、戦略・戦術のなさ、あるいは単純な判断ミスなどです。どのケースにおいても後から考えてみると改善すべき余地があったと気づけるものばかりでしょう。

では、マンション経営に着手する場合、どのようなポイントに注意しておけばいいのでしょうか。大切なのは、マンション購入から運用までの「基本スキーム」をきちんと理解し、そのうえで、必要な情報収集とシミュレーション、そして中長期的な計画をもとにした購入判断および運用をしていくことです。それは、どのタイプの物件でも同様です。

そこで、あらためて物件の種類ごとの特徴(メリットや魅力、デメリットや注意点)を概観しつつ、不動産投資の基本スキームについて確認しておきましょう。基本がマスターできていれば、どのような物件でも適切に対応できるようになります。逆に、基本的な事項を把握していなければ、どんな応用問題にも対処できないと理解しておきましょう。

(本記事は2018/06/20配信のものを2021/08/07に更新しております)

▼目次

  1. 物件タイプ別のマンション経営それぞれの特徴とは
  2. 特徴A『築年数』:新築、築浅中古、築古
  3. 特徴B『エリア』:東京都心 or 地方・郊外
  4. 特徴C『所有形態』:一棟 or 区分
  5. 特徴D『間取り』:ファミリー、ワンルーム、DINKS向け
  6. マンションを購入してから運用するまでを理解
  7. 基本スキームで複数物件の保有・運用も可能に

1. 物件タイプ別のマンション経営それぞれの特徴とは

マンション経営における投資物件の種類には、建物の築年数に着目した「新築」「築浅中古」「築古」、エリアに着目した「都心(超都心・山手線内側など)」「地方・郊外」があります。そして、物件の全部なのか一部なのかという所有形態に着目した「一棟」「区分」、さらには間取りに着目した「ファミリータイプ」「ワンルーム(単身者向け)」「DINKS向け」などさまざまです。まずは、それぞれのメリットや魅力、デメリットや注意点を把握しておきましょう。

2. 特徴A『築年数』:新築、築浅中古、築古

2-1.「新築物件」の特徴

新築物件のメリットは「新しさ」にあります。新しい物件を求める入居者に対し、新築時であれば「新築プレミアム」の家賃で貸し出すことが可能なケースも多くなります。デメリットとしては、当然ですが「すぐに新築ではなくなる」という点です。新築時の入居者が退去すると、次の入居者を募集するときには新築ではないため、退去前と同じ「新築プレミアム」の家賃では入居者がつかないケースが見受けられます。

また「新築プレミアム」の家賃で貸し出すことを前提としている場合には、次にご説明する築浅中古物件よりも物件価格が高くなる傾向にあります。ただし近年では、中古物件の価値が見直されていることもあり、以前ほど新築物件と築浅中古物件の間で家賃や物件価格の差は見られなくなってきています。

2-2.「築浅中古物件」の特徴

築浅中古物件のメリットは、立地の選択肢が増えることです。最近では、東京23区の条例によるワンルーム規制や、都心のマンション用地自体が少なく仕入れが難しいことにより、都心であればあるほど投資用マンションの新築(新規供給)が少なくなっています。そのため、新築にこだわりすぎてしまい、中心地からやや離れたエリアでしか購入できなかったというケースも見受けられます。

一方で、築浅中古物件まで含めて検討すれば、都心物件の選択肢も増えます。より安定的に賃貸需要が見込める、ブランド感・ステイタス感が高い、土地勘があるので安心など、自分の価値観に合う立地を選択しやすくなります。

2-3.「築古物件」の特徴

築古物件のメリットは、表面利回りが高いことと、減価償却による節税効果が大きいことです。また、資金が潤沢な方であれば、ヴィンテージ性を活かしたリノベーションを行うなど、築古物件ならではの楽しみもあります。一方でデメリットとして、経年劣化による修繕費等の支出が多くなる可能性があること、立地や物件状態によっては入居者から選ばれにくくなることが挙げられます。

3. 特徴B『エリア』:東京都心 or 地方・郊外

3-1.「東京都心物件」の特徴

「都心」とは少し曖昧ですが、一般的に「首都である東京の中心」を表すことが多い傾向です。「大都市の中心」を「都心」と定義しているケースもありますが、本記事では主に「東京都心」についてご説明します。

「東京都心」と言えば、主にブランドエリアなどの超都心や、都心3区(千代田区・中央区・港区)、都心5区(都心3区に加え新宿区・渋谷区)を指します。山手線内側に位置する文京区・豊島区や、高級物件が多い「城南エリア」の目黒区・品川区・世田谷区などを含めるケース、あるいは東京23区をすべて都心に含めているケースもあります。

東京都心の物件は「安定性」が魅力です。東京都心では入居率が高いことに加え、今後も単身者を中心に人口増加が予想されていて、将来にわたる安定的な賃貸需要が見込めます。地方・郊外と比較して物件価格が高いことを気にする方もいますが、その分家賃相場も高く収益力があります。資産価値が高い物件を所有できるという安心感や、ブランドエリアの物件を所有できるというステイタス感もあります。

3-2.「地方・郊外物件」の特徴

一方、東京都心に対して「地方・郊外」という概念があります。こちらも少し曖昧ですが、一般的に「地方」とは「大都市以外の地域」を意味します。東京・首都圏以外のエリアを指すことが多く、三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)以外のエリアを指すこともあります。また「郊外」とは、首都圏など大都市圏にあるものの中心市街地から離れていて、都市機能や交通の便で都心に劣るエリアを指します。

地方・郊外の物件は物件価格が安いことと、表面利回りが高いことが魅力です。運よく空室にならなければ早く投下資本を回収できる可能性もあります。しかし、東京都心と比べて賃貸需要が大きく限定されるため、一度空室になると空室期間が1年以上、もっと悪い場合は3年~5年以上続くことも少なくありません。また、家賃相場が低いことから管理費や修繕積立金、リフォーム費用や設備修理・交換費用などの経費の割合が高く、実質利回りが大きく低下する点に注意が必要です。

4. 特徴C『所有形態』:一棟 or 区分

4-1.「一棟アパート・マンション」の特徴

まず、一棟のアパートやマンションへの投資では、土地を含めて物件をまるごと所有します。一棟物件の魅力としては、土地を所有するというステイタスを味わうことができ、一つの物件に投資することから効率よく収益を生み出せる可能性があることです。

その反面、リスクの大きさも認識しておく必要があります。まず、部屋ごとにエリアを分散できないため、賃貸需要が見込める立地でないと大幅に収益が低下する可能性があります。また、共用部分に関する日常的な維持・管理、長期計画が必要な大規模修繕の責任を一人で受け持つ必要があります。さらには、好立地で一棟物件を入手しようとすると高額となることが多く、実際に所有できるのは都心から離れた立地の郊外物件になりがちです。

4-2.「区分マンション」の特徴

一方、区分マンションへの投資では一部屋ずつ所有(区分所有)します。一棟物件と比べると、立地の自由度が高い点が魅力です。将来にわたり賃貸需要が見込める都心エリアの物件も選びやすく、複数の部屋を所有する場合にはエリアを分散して投資することも可能です。また、一棟物件とは異なり、共用部分に関することは管理組合や建物管理会社が主体的に行ってくれるため、初心者や本業が忙しい方でも安心して不動産投資を始められます。さらに、相続においては一棟物件より分割しやすいというメリットがあります。

区分マンション投資の注意点としては、部屋数が少ないと空室時の収入減少率が高いことです。そのため、将来的な賃貸需要が高く入居者がつきやすい立地の選定と、できるだけ空室期間を短くする対策が大切になってきます。また、土地や共用部分の所有権は共有となるため、変更の自由度が低くなる点を認識しておきましょう。

5. 特徴D『間取り』:ファミリー、ワンルーム、DINKS向け

5-1.「ファミリータイプ」の特徴

ファミリータイプのメリットは、一度入居すると入居期間が長くなる傾向があり、安定した収益が期待できる点です。またファミリータイプの区分マンションの場合、どちらかというと投資目的よりも自分が居住する(実需)目的として購入する人が多く、空室のタイミングであれば売却しやすくなります。

ファミリータイプのデメリットとしては、次の入居までの期間がワンルームタイプより長くなる傾向があること、部屋が広く入居期間が長いことから退去したときのリフォーム費用がワンルームタイプより高くなること、一部屋あたりの価格がワンルームより高額となることです。

5-2.「ワンルームタイプ」の特徴

一方、ワンルームはファミリーと比べて、短期間で入居者の入れ替えが可能です。賃貸需要の見込める立地であれば退去が決まっても次の入居者がすぐに見つかる可能性が高く、部屋がコンパクトなためリフォーム期間も短くなる傾向があります。特に都心では単身者の賃貸需要が高く、退去する前に次の入居者が決まっていることも日常茶飯事です。

将来性を考えても、東京23区の単独世帯数(単身世帯の数)は増加し続ける見込みで、東京都の統計(2019年3月「東京都世帯数の予測」)によると、2040年には289.3万人、総世帯数の 54.4%に達すると予測されています。したがって、立地のよいワンルームであれば将来的にも安定した収益が期待できるといえるのです。

また、一部屋の価格がファミリーより低額となることから、分散投資や相続対策を考えた場合にもワンルームはファミリーより向いていると言えます。

5-3.「DINKS向けタイプ」の特徴

ちなみに、近年においてはファミリータイプとワンルームの中間に「DINKS向け」の物件もあります。DINKS向けとは、意識的に子供をつくらない共働き夫婦の世帯(DINKS:Double Income No KidS)をターゲットとしたコンパクトマンションのことで、DINKSだけでなく新婚世帯、子供が大きくなって夫婦のみとなった世帯もターゲットとなり得ます。

このような世帯はファミリータイプほどの広さを必要とせず、かわりに立地の良い物件を選ぶ傾向にあります。例えば都心の1DK・1LDKタイプでは、DINKS、新婚世帯、高所得の単身者や住居兼事務所など多様な賃貸ニーズが期待できます

6. マンションを購入してから運用するまでを理解

6-1. マンション経営の基本は「インカムゲイン」

さて、物件の種類ごとに違いがあることを理解したうえで、マンションを購入してから運用するまでの王道パターンを確認しておきましょう。マンション経営によって得られる収益は、家賃収入から経費を引いた「インカムゲイン」が基本となります。物件価格が上昇したときに売却した場合には、売却価格から購入価格を引いた「キャピタルゲイン」を得られる可能性もあります。

6-2. 家賃収入目的での中長期な資産形成を

しかし、通常は中長期的な資産形成であるマンション経営では、購入したマンションを売却して利益を得るのが目標ではなく、保有していることで家賃収入から利益を得ることが目標となります。そのため、購入時の物件選びはもちろん、購入後の運用がとても重要になります。

6-3. 安定した入居者確保のための「賃貸管理」を吟味

そして、運用時のポイントは何といっても入居者の確保つまり「客付け」になります。どのタイプの物件を購入するにしても、いかに安定的に入居者を確保するか、どれだけ空室を少なくすることができるかがカギとなるのです。

そのため、マンション経営に着手する場合は、購入する物件や立地はもちろんのこと、購入後のパートナーとなる不動産会社の「賃貸管理」がどのようなサービスなのかを吟味することが大切です。

具体的には、次のようなポイントがあります。

  • 入居者客付けの実力を示す「入居稼働率」
  • 入居者客付けを行う上での工夫(賃貸募集条件・図面作成・写真・インターネット掲載方法など)
  • 空室リスクを低減する仕組み(家賃保証・空室保証・サブリース・マスターリースなど)
  • リフォームや設備交換などで突発的な修繕費用が発生するリスクの軽減方法
  • 家賃収入や修繕状況など保有物件に関する情報共有方法
  • わからないことを質問・相談したときに担当者が明確に回答してくれるか など

購入後、いかにうまく運営できるかをイメージしながら「どこの不動産会社と付き合うべきか」の判断をするようにしましょう。

7. 基本スキームで複数物件の保有・運用も可能に

物件ごとの特徴を理解し、購入時だけでなく保有時の運用までの基本スキームがわかっていれば、複数物件での資産形成も難しくありません。複数物件を保有・運用することで、リスク分散による「安定したマンション経営」が実現でき、より多くの「不労所得」を生み出すための資産形成が可能となります。まずは基本をふまえたうえで、購入時から購入後までの流れをぜひマスターしてみてください。

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