中古物件を購入する際の1つの目安。旧耐震、新耐震とは

(写真=PIXTA)
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中古物件を購入するにあたり、築年数や構造を気にする人は多いことでしょう。中古物件は新築物件と比較し、修繕が必要なケースが多くトラブル例も少なくありません。しかし、新築物件よりも安価で購入しやすく、リノベーションをすれば新築同様に住めるのも魅力の1つです。

中古物件の購入を検討している人は、「耐震」に目を向けてみるのも1つの手段です。建築確認が1981年5月31日までのものは旧耐震基準、それ以降のものが新耐震基準となっています。旧耐震と新耐震ではどのような違いがあるのか、それを含めて物件購入の目安にするといいでしょう。

旧耐震?それとも新耐震?

中古物件を探すにあたって確認したいポイントがあります。それは「旧耐震か?新耐震か?」という点です。旧耐震は新耐震よりも強度が弱く設定されていますが、建物によっては新耐震レベルで建設されているものもあります。耐震も1つの基準として頭に入れておきましょう。

● 旧耐震について(1981年5月31日以前の建築確認)
旧耐震は1981年5月31日以前の建築確認で震度5程度の揺れでも建物が倒壊しない構造建築物のことを示します。技術面では建物に地震力20%を加えた際、構造材料の応用力および許容力以下であるかどうかが基準となります。

● 新耐震について(1981年6月1日以降の建築確認)
新耐震は1981年6月1日以降の建築確認で震度6強から7程度で倒壊しない構造建築物のことを示します。ある程度の規模以上の建物の場合、靱性と強度バランスも問われます。

熊本地震から見る旧耐震の倒壊状況

2016年4月16日に起きた熊本地震はみなさんも記憶に新しいことと思います。震度7を2回記録する大地震で熊本県益城町では特に多くの被害が出ました。この地震の際倒壊した建物も多く、特に旧耐震の766棟うち倒壊129棟、大破230棟という日本建築学会の調査結果があります。

一方、新耐震1,276棟は木造建築物を中心に87棟ほど倒壊となっています。また新耐震で倒壊したのは「木造建て」が中心であるといった報告もなされています。

新耐震は安心感がある

上記のように旧耐震と新耐震では倒壊や大破の件数がまるで違うことがわかります。また新耐震でも木造は鉄筋よりも倒壊する可能性が高いことが否めません。このような状況から中古物件の購入の際は、旧耐震か新耐震かは大きな基準となります。

なかには旧耐震でも頑丈な造りのものもありますし、新耐震レベルで建設されている建物もあります。一概に旧耐震のものがNGとは言えませんが、建築技術も年々進化していますし、新耐震の方が安全性を保てると言えるのではないでしょうか。また、不動産投資の上でも旧耐震か新耐震の違いで家賃や売却時の相場も変わってきます。総合的に考え、若干物件は高くなりますが新耐震のものを選ぶことで投資にも有利に働くことでしょう。

新耐震のなかでもやはり鉄筋構造のものがおすすめです。日本は地形上、地震がいつどこで起きるかわかりません。その点も踏まえて。耐震には細心の注意を払って中古物件の購入を検討されることをおすすめします。

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