不動産投資の基本
2020/06/15

不動産投資のレバレッジ効率を図る指標「ROI」「CCR」とは

(写真=Rawpixel.com_Shutterstock.com)
(写真=Rawpixel.com_Shutterstock.com)

「レバレッジ」は「他人の資金を使うことで自己の利益を増やす」という意味があります。FX(外国為替証拠金取引)などでも使われていますが不動産用語でもおなじみです。金融機関から融資を受けて利益を得ることが、不動産投資におけるレバレッジとなります。

不動産投資には収益物件の計算が欠かせませんが、このレバレッジの効率性を判断するためには、「ROI」と「CCR」を活用します。不動産投資をするなら、ぜひともこの2点は押さえておきたいポイントです。初心者の方にも分かりやすいようレバレッジについて紹介していきます。

(本記事は2017/09/07配信のものを2020/06/15に更新しております)

▼目次

  1. ROIとは
  2. CCRってなに?
  3. 不動産投資例の紹介

1. ROIとは

レバレッジの効率を知る上でROI(Return On Investment)という投資利益率の計算法を用います。これは購入額に対してお金の流れ(キャッシュフロー)が年間でどの程度になるのかといった計算方法となります。

もちろん必ずしもこの計算通りになるわけではなく、あくまで予測値です。予想通りにいけば利益が出ますし、いかない場合は赤字になることもあります。また予想以上にうまく行けば利益予想を上回る利益を出すこともできます。ROIは次の計算式によって求めることができます。

利益÷投資資金(物件・諸経費を含む)×100 

なお、「投資資金」に自己資金と借入れた資金がある場合、借入金も含めた額で計算します。

2. CCRってなに?

2-1. CCRの定義と計算式

CCR(Cash on Cash Return)は自己資金収益率の計算方法となります。ROIと似ていますが、自己資金の投資分の回収を予測することが可能です。CCR計算式は次の通りです。

利益 ÷ 自己資金

ROIとの大きな違いは借入金の分を入れないで算出するというものです。そのため、借入れしている人や借入金の度合いによって数値は異なってきます。

2-2. 初心者こそCCRを意識すべき

不動産投資の初心者の方はCCRを特に重視して取り入れてみるといいでしょう。そこで、キャッシュ回転をどうしたら早くできるかを検討してみることが重要です。

できれば自己資金で投資したいという気持ちは多くの人に共通することでしょう。しかし、自己資金が集まるまでの間に投資のチャンスを逃すのはもったいないですし、借入れしても利益がでるならその方がメリットがあるともいえます。

3. 不動産投資例の紹介

それではここで、総額2,000万円の物件を購入した場合の不動産投資例を紹介します。

3-1. 想定条件と家賃収入

Aさんは自己資金で全額2,000万円、Bさんは自己資金200万円+借入金1,800万円(年間51万円×35年返済)で購入したとします。利回りはシンプルに5%と想定し、この場合のROIとCCRを見てみましょう。

まずは家賃収入から計算してみましょう。

2,000万円×5%=100万円

さらに年間の管理費が10万円かかるとします。

実質100万円-10万円=90万円

つまり、90万円が1年あたりの家賃収入となります。

3-2. AさんとBさんの比較

★Aさんのケース

自己資金: 2,000万円
家賃収入: 90万円 (管理費出費含む)

  • ROI=90万円÷2,000万円×100=4.5%
  • CCR=90万円÷2,000万円×100=4.5%

★Bさんのケース

自己資金: 200万円
借入金:1,800万円(年間51万円×35年返済)
家賃収入:39万円(管理費出費含む)※90万円-51万円

  • ROI=39万円÷2,000万円×100=1.95%
  • CCR=39万円÷200万円×100=19.5%

Aさんはレバレッジが効いていないのに対し、Bさんは効いていることが分かります。借入れをすることで収益率がアップしているのです。チャンスを逃がさないためにも、借入金を視野に入れた不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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