賢く投資しよう!非課税投資制度。NISAとiDeCoを比較

(写真=PIXTA)
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投資をする際に懸念材料となりうるのが、一定の税金がかかることです。せっかく投資をして利益を得ても、約2割を税金として持っていかれることになり、利益が多ければ多いほど、税金を多く支払わなければなりません。

その税金を賢く節税可能な仕組みが非課税制度です。一定の金額を投資する場合に非課税にしてくれる制度で、日本ではNISAとiDeCoが代表的なものとなっています。ここでは、非課税投資制度の概要や、2つの違いなど、特徴を比較して紹介します。

非課税投資制度とはどんな制度か?

非課税投資制度とは、株式投資や投資信託などで売却金や配当金などの利益を得た場合にかかる税金を、一定量非課税にしてくれる制度のことです。通常これらの投資を行った際、受け取る利益には約2割の税金がかかりますが、これらを非課税にしてくれるため、投資者にとってとてもメリットのある制度といえます。

この非課税投資制度は2017年時点で主に2つのものがあります。金融庁が行うNISAと、確定拠出年金教育協会が主催し、各金融機関が運営しているiDeCoが代表的な制度となります。それでは、2つの制度がどんなものなのか、まずは概要を見ていきましょう。

NISA、iDeCoとはいったいどんなものなのか?

NISAは金融庁が実施している少数非課税投資制度で、購入した株や投資信託などの金融商品からの利益を一定量非課税にできる制度です。もともとはイギリスで発生したISAをお手本にしており、日本のISAという意味で、Nipponの頭文字を取ってNISAと呼ばれています。

一方でiDeCoは、個人型確定拠出年金と呼ばれる、各金融機関が実施している制度です。こちらは月々一定の金額を積み立て、それによって各所で決められている金融商品を購入し、利益を得ます。このときに出る利益に対して、税金を払わなくてよいとする制度です。これら2つにはさまざまな違いがあるため、その違いを理解し、自分に合ったやり方を選ぶ必要があります。

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NISA、iDeCoの4つの違いを把握しよう

NISAとiDeCoには主に4つの違いがあります。まずは一覧表で見てみましょう。

  運営先 投資可能金額 引き出し可能かどうか 税務上の扱い
NISA 金融庁 上限年間120万円
(最大600万円)
可能
(ただし、一度引き出すと非課税枠の再利用はできない)
最大5年間非課税
運用損失が出た場合に他の所得との損益通算不可
iDeCo 特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会
(各金融機関)
最低:月5,000円~
上限は職業により異なる
60歳まで不可 掛金は所得控除の対象
運用益は非課税
受け取り時に課税対象となる
 

大きな違いは以上の4つになります。運営元と金額の上限、非課税の対象期間、そして途中で引き出せるかどうかです。まず、NISAは金融庁によって運営されている非課税制度ですが、iDeCoは特定非営利活動法人である確定拠出年金教育協会が運営し、各金融機関がサービスを担っています。

また、NISAは年間で非課税対象となる限度額が設定されていますが、iDeCoの場合は、月々の積立金に限度額があり、それに応じて非課税対象額が決まります。たとえば、現在は公務員であれば月1万2,000円、専業主婦(夫)であれば月2万3,000円など、職業に応じて上限が変化しています。

一番大きな違いは、口座に貯めた金額を引き出せるかどうかです。NISAは自分の状況に応じて引き出すことができますが、iDeCoの場合は60歳まで引き出すことができません。また、NISAも一度引き出してしまうと、非課税対象から外れることになります。

ほかにもNISAでは最大5年間を非課税期間として扱うことができ、それを超過した場合は別の課税口座に移動させるか、ロールオーバーすることが可能です。非課税枠が一度適用されると、運用損失が出た場合でも他の所得との損益通算ができなくなる点に注意が必要です。

iDeCoの場合は掛金が所得控除の対象になり、運用益が非課税となります。60歳以降の受取開始可能年齢から70歳までの間に、受け取り方法(「年金」か「一時金」か、併用で受け取るか)を選択し、給付金の請求手続きを行います。70歳になっても請求しなかった場合には自動的に一時金で全額支給されることになります。受け取り方法によって課税される金額が変わってきますので注意が必要です。

このようにNISAとiDeCoにはいくつかの違いがあり、特に投資の方法や引き出しのタイミングは確認しておきたいところです。どちらがよいというわけではなく、どれが自分に合っているかを、働き方や他の投資方法などを踏まえて考えてみましょう。

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