確定申告にミスはない?損してない?今からでも間に合う節税のカギ「所得控除」の注意点

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
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3月15日の期限までに確定申告を済ませ、ひと安心という方も多いと思います。ただし、確定申告でうっかりしがちなのが「所得控除」です。節税のカギは所得控除なのですが、正しく理解していないがために損している人も少なくありません。

確定申告の期限を過ぎても間違いを訂正できる

あわただしく確定申告を何とか済ませたけれど、税金について理解があやふやなまま申告したために、申告後に間違いに気づいた、あるいは申告後にもっと節税できたと知ったという方もいることでしょう。そのような場合に、申告した内容を訂正する仕組みがあります。

確定申告の期限前であれば「訂正申告」により、正しい申告内容に訂正します。また、確定申告の期限を過ぎてから内容を変更したい場合には、次の2通りの方法で申告内容を訂正します。

更正の請求

税額を多く申告してしまった場合、あるいは還付が少ない状態で申告してしまった場合には、確定申告の期限後であっても「更正の請求」が可能です。請求期限は法定申告期限から5年以内と定められています。

修正申告

反対に、税額を少なく申告してしまった場合、あるいは還付が多くなってしまった場合には、「修正申告」によって内容を訂正します。修正申告を行う場合には、修正申告書を提出すると同時に、足りない税金分および延滞税を納付しなければなりません。

修正が必要なのに放置していたために税務署から調査の通知が来てしまうと「過少申告加算税」が発生してしまいます。金銭的に損しないためにも、納税義務を果たすためにも、修正申告は可及的速やかに行うことが求められます。

なお、2018年分の所得に関して3月15日までに確定申告ができなかったという方もいるかもしれません。これから確定申告を行うのであれば「無申告加算税」が発生するケースもありますので、一刻も早く申告手続きに向けて行動することをおすすめします。

所得税の節税は「所得控除」がカギ

所得控除とは、各種所得を合計した後、納税者のおかれた状況や支払った公的負担などに応じて一定金額を所得額から差し引く仕組みを言います。

誰もが健康体で若くて仕事以外何もしていないといった同じ条件ならば理想ですが、現実には障害を持っている人もいれば働きながら勉強している人もいます。また、教育費のかかりやすい世代の子供が1人の納税者と3人の納税者では資力が異なります。こういったさまざまな状況を配慮した上で課税の公平を図ろうとするのが「所得控除」です。

所得控除には、次のようなものがあります。

・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・寡婦(寡夫)控除
・勤労学生控除
・障害者控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・基礎控除
・雑損控除
・医療費控除
・寄附金控除

なお、節税になると知られているものの一つに「住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)」がありますが、これは所得控除ではなく税額控除になります。

確定申告でチェックしたい所得控除とは

上記の所得控除のうち、今回注意したいのは次の点です。

医療費控除:「10万円超えてないからダメ」ではない

「医療費控除は年間10万円かからないと使えない」という言葉を聞いたことがあるかと思います。それはあながち間違いではないのですが、これだけで覚えてしまうと損することになります。
実際には、次の状況に応じ、それぞれ目安となる金額が異なります。

・年間の合計所得金額が200万円以上…10万円
・年間の合計所得金額が200万円未満…その合計所得金額×5%

ここでいう「合計所得金額」とは給与や年金の収入金額ではありません。収入金額から所得控除額(ざっくりいうと「経費的な金額」)を差し引いた所得額を足し合わせた金額を言います。

例えば、給与収入が250万円あっても給与所得控除93万円になるため、給与所得そのものは157万円になります。この場合、医療費が年間8万円かかっているならば、「10万円超えていないからダメ」ではなく「7万8500円(=給与所得157万円×5%)を超えているからOK」となります。なお、医療費控除として所得控除できる金額は「8万円-7万8500円=1500円」になります。

雑損控除など:被災地で家財に損害を受けた方は要チェック

また昨年、風水害や地震が多発した1年でした。被災地の方にはぜひ「雑損控除」を検討していただきたいところです。

雑損控除とは震災や風水害など自然現象の異変による災害などにより、生活に必要な資産(事業用資産や棚卸資産など一部の資産を除く)に損害が出た場合に受けられる所得控除です。損失を受けた金額の一部を所得から差し引くことができます。

またその年の所得合計が1,000万円以下の人の場合、災害減免法による所得税の軽減免除の制度の活用も検討可能です。この場合、この軽減免除の制度か、あるいは雑損控除のいずれかを選択適用することになります。

詳細は以下の国税庁のサイトを確認してみてください。

「雑損控除」
「災害減免法による所得税の軽減免除」

ふるさと納税(寄附金控除):ワンストップ特例の手続きをしても確定申告するなら「やり直し」

ふるさと納税については、給与所得者あるいは年金受給者で元々、確定申告をする必要のない人については、「ワンストップ特例制度」を活用することで確定申告不要となりました。寄付した年の翌年6月以降の住民税で寄附金控除が反映されるからです。

しかし、ワンストップ特例の手続きをしても、医療費控除などで確定申告をするならば、ふるさと納税についての寄附金控除もあわせて確定申告書に記載しなくてはなりません。ここでうっかりふるさと納税分の寄附金控除を書き忘れてしまうと、節税効果は受けられないので注意しましょう。

書き漏れは「給与所得の源泉徴収票」でチェック

確定申告書で所得控除の書き漏れがないかどうかについてチェックする最善の方法は、給与所得の源泉徴収票の項目と照らし合わせることです。年末調整のとき、一通りの所得控除を受けているはずなので、記入漏れがないかどうかを源泉徴収票の記入欄を見ながら確認しましょう。ただしこの方法は年末調整を受けた給与所得者限定になります。

この他、マイナンバー(個人番号)の記入漏れや書類の添付漏れもありがちです。現在、確定申告書にはマイナンバーを記載し、かつマイナンバーカードや通知カード、本人確認書類といった書類のコピーを添付することになっています。他の必要な添付書類とともに、提出前に一度確認するようにしましょう。

鈴木 まゆ子
税理士鈴木まゆ子事務所代表。外国人のビザ業務を専業とする行政書士の夫と共に外国人の起業支援に従事する。国際相続などについての記事執筆にも取り組む。税金や金銭に絡む心理についても独自に研究中。

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