不動産投資のキーポイント!正しい節税と間違った節税の違いとは

(写真=Oleksandr Nagaiets/Shutterstock.com)
(写真=Oleksandr Nagaiets/Shutterstock.com)

日本では「累進課税制度」が採用されているため、収入が多ければ多いほど、高額な税金を納めています。高額所得者であればもちろんのこと、収入が平均水準のサラリーマンの方でも「節税」つまり税金対策についてアドバイスを受けたり、学んだりしているケースが多いです。

節税は誰にとっても関心のある話題と言えますが、ではどうやって節税するのが最も得策なのでしょうか。なかでも有効な節税方法の1つに「不動産投資」があります。不動産投資を行うことによって、節税しながら将来のための資産形成を実現することが可能となります。本稿では、そんな不動産投資にまつわる「正しい節税」と「間違った節税」について見ていきましょう。

(本記事は2018/10/05配信のものを2021/12/10に更新しております)

▼目次

  1. サラリーマンにも可能な節税方法とは
  2. 「正しい節税」と「間違った節税」の違い
  3. 「脱税」や「租税回避」に注意しよう

1. サラリーマンにも可能な節税方法とは

そもそも節税にはさまざまな種類があります。たとえばサラリーマンの方が行える節税方法としては「配偶者控除」「医療費控除」などが一般的ですが、それらで得られる節税効果は限定的です。そのため、特に高収入のサラリーマンなどは、より積極的な施策によって税金を減らしたいと考える方が多いようです。

では、その他にどんな節税方法があるのでしょうか。代表的なものとしては「損益通算」が挙げられます。損益通算とは、例えば給与所得以外の所得がある場合に、その事業が赤字であれば給与所得と通算することで税金の支払いを減らせるというものです。

給与所得をはじめ他の所得との損益通算が認められているのは「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得」に限られています(この中でも、不動産の譲渡所得など、他の所得との損益通算が認められないものもあります)。特に不動産投資などで減価償却の仕組みを活用すれば、手元に現金を残しつつ節税することも可能となります。

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2.「正しい節税」と「間違った節税」の違い

このように、サラリーマンであっても節税のためにできることはたくさんあります。ただし、無闇に節税しようとするのは危険です。なぜなら、節税することに意識が向いてしまい、結果的に手元のお金が減ってしまうことがあるためです。そうならないよう、正しい節税方法を知る必要があります。具体的には、次のような点に留意しておきましょう。

2-1. 節税の目的を再確認しよう

まずは、節税の目的をあらためて確認してください。税金を減らすことばかりに意識が向いてしまった結果、手元の資金が少なくなってしまうようであれば本末転倒です。使えるお金を増やすため、自らの資産を形成するための節税であるという認識が大切です。

2-2. 無意味にキャッシュフローを悪化させるのは危険

そのように考えると、単に節税したいがために無闇に赤字をつくって損益通算するのは考えものです。いくら支払う税金の額が減ったとしても、得られる総収入も減ってしまうようであれば、結果的に資産形成に役立ちません。重要なのは、収入と支出、納める税金と節税額の“バランス”です。

2-3. 支出の性質:有効な「投資」と無駄な「浪費」

また、必要経費をできるだけ増やして節税しようと考えている人もいるかもしれませんが、不必要な経費を支出して総収入を減らすのは、得策ではありません。不動産投資はあくまでも事業です。有効な支出と無駄な浪費とをきちんと把握し、適切な支出によって健全な投資を行った方が、結果的に得られる収益は多くなります。

3.「脱税」や「租税回避」に注意しよう

もっとも、節税を意識しすぎるあまり違法行為を行うと、「脱税」として処罰の対象となります。また、違法行為ではなくても、法律が想定していない“抜け穴”を狙う「租税回避」について噂に聞くことがあるかもしれませんが、望ましい行為とは言えないでしょう。

租税回避に関しては近年、法人税や所得税などの税率がゼロか極めて低い国・地域(タックスヘイブン:租税回避地)へ所得を移す行為が社会問題となっています。2017年度税制改正においては「タックスヘイブン対策税制」が成立するなど、政府としても厳しく取り締まる方向性を打ち出しています。大丈夫と高をくくっていると、突然取り締まりが強化されるなどして思わぬ落とし穴にはまるかもしれません。

あらかじめ正しい節税と間違った節税の違いを理解し、適切に行動するようにしましょう。

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