低金利だけじゃない?融資期間最長45年!進化したマンション投資ローンとは

(写真=William Potter/Shutterstock.com)
(写真=William Potter/Shutterstock.com)
2018年5月1日より、ある金融機関にて「融資期間最長45年」のマンション投資ローンがスタートしました。これまで一般的であった35年ローンよりも、実に10年も長く融資を受けられることとなります。期間が長くなるということは、それだけ月々の返済額が少なくなることが予想されます。その点、より使いやすいローン商品と言えるでしょう。

とくに不動産投資家にとって、返済期間というのは重要です。短期間で融資金額を返済しなければならないケースでは、毎月のキャッシュフローを圧迫します。しかし長期ローンであれば、無理のないペースで返済しつつ再投資も視野に入れ、不動産投資を実践していくことが可能となります。もちろん、繰り上げ返済や団体信用生命保険の利用も可能です。

この45年ローンが、不動産投資に新しい風をもたらすかもしれません。

融資期間45年ローンの特徴

融資期間45年ローンを活用するためには、一定の条件を満たしている必要があります。特殊なローンであるだけに、融資の判断が通常とは異なっている部分もありますが、特別大きなハードルが生じるわけではなく、利用しやすいことも特徴です。具体的には、次のような条件を満たしている必要があります。

・ 都心部エリアの投資用区分マンション

対象となるのは都心部エリアにある、投資用の区分マンションとなります。都心部に限定される理由は、都心部であれば将来的に賃貸需要が期待でき、45年後を想定しても資産価値が維持できる可能性が高いと金融機関が考えているためです。当然、将来の賃貸需要が見込めないような立地の場合にはNGとなってしまう可能性があります。利用する際には、エリア面からの物件の精査が欠かせません。

・ 築10年以内(=築55年となるまでに返済完了)

融資期間が45年ということもあり、物件の築年数は10年以内と限定されています。要するに、返済終了時点で築55年となる計算です。(※ただし、1年刻みで融資期間を設定できるため、築15年であれば40年まで組むことも可能です。)

・ 39歳以下(=85歳になるまでに返済完了)

利用できる方の年齢は、39歳以下とされています。もし上限内の39歳で融資を受けた場合で考えると、完済するのは85歳までとなります。(※1年刻みで融資期間を設定できるので、42歳であれば42年まで組めることとなります。)

・ 融資を受ける人の属性も加味される

これまでのローンと同様に、融資を受ける方の属性は引き続き考慮されます。その点では、35年ローンなど一般的なローンと変わりません。金融機関の審査を受けたうえで、融資の可否が決定されることとなります。

・完済まで団体信用生命保険を利用できる

融資を受けるうえで不可欠なのが、団体信用生命保険(団信)です。融資期間45年ローンが実現したのは、金融機関の融資姿勢もありますが、保険会社の社会情勢への対応も一つの要因です。年々平均寿命が延び、「人生100年時代」と言われるようになった昨今、85歳まで適用できる団体信用生命保険が誕生しました。そのため、融資期間45年ローンにおいても、完済まで団体信用生命保険を利用できるのです。

長期ローンを利用するメリット①:月々の返済額軽減

では、長期ローンを利用した場合に、どのようなメリットが得られるのでしょうか。具体的に、3つのポイントを見ていきます。

まず、どのくらい月々の返済額が軽減されるのでしょうか。20年、35年、45年とそれぞれの年数で比較してみましょう。例えば、2,000万円の融資を受けて、金利が2%であった場合を想定して計算すると、月々の返済額は次のとおりです。

・ 20年ローンの場合

20年ローンを利用した場合、返済月数は240ヵ月となります。それに対して、2,000万円の融資を金利2%で受けたとすると、月々の返済額は「10万1,176円」となります。

・ 35年ローンの場合

次に、35年ローンの場合はどうでしょうか。返済月数は420ヵ月となりますので、2,000万円の融資を金利2%で受けたとすると、月々の返済額は「6万6,252円」となります。20年ローンより4万円近く負担が軽くなりました。

・ 45年ローンの場合

さらに、45年ローンの場合を見ていきましょう。返済月数は540ヵ月となりますので、2,000万円の融資を金利2%で受けたとすると、月々の返済額は「5万6,199円」となります。35年ローンよりさらに1万円も負担が軽減されます。

このように、返済額を軽減することでキャッシュフローが良好となることはもちろん、手残り分をより多く蓄積して再投資にまわすことも可能となるのです。

長期ローンを利用するメリット②:繰り上げ返済で柔軟な対応が可能

月々の返済額が少なくなるのは良いけれど、「長期の返済」という点にどうしても抵抗や不安を感じてしまう、という方もいるかもしれません。そのような方におすすめしたい方法が「繰り上げ返済」です。

繰り上げ返済を行うことで、返済する期間を短くすることができます。例えば、2,000万円の融資を金利2%、融資期間45年で受けた場合、借入から5年後に100万円、期間短縮型の繰り上げ返済を行うと、返済期間を38ヶ月短縮できます。

また、長期ローンを選択することによって、期間短縮型だけでなく、返済額軽減型の繰り上げ返済という選択肢も生まれます。例えば、上記のケースで借入から5年後に100万円、返済額軽減型の繰り上げ返済を行うと、月々の返済額は5万6,199円から5万3,171円となり、約3,000円軽減されます。

このように、最初から融資期間の短いローンを組むのではなく、繰り上げ返済を活用することを念頭に長期のローンを組んでおけば、家計の状況に応じて柔軟な対応が可能となります。融資期間45年でローンを組んだとしても、絶対に45年間かけて返済する必要はないのです。

もっとも、マンション投資ローンは基本的に家賃収入から返済を行います。毎月安定的に入ってくる家賃から差し引かれるだけなので、実際には「ローンを返済する」という感覚すらないオーナー様が多いようです。そう考えると、返済が長期であったとしても、家賃収入が安定的に得られる限りは返済を負担に感じることもないでしょう。

長期ローンを利用するメリット③:団体信用生命保険による恩恵

また、融資期間45年ローンでは、従来のローンと比べてより長期間にわたり、団体信用生命保険による恩恵を享受できます。

団信付のローンでは、ローンを組んだ方が亡くなった場合に、団信の仕組みで残債務を肩代わりしてもらえます。“ローンのないマンション”が家族の手元に残るため、ローン返済分を引かれることなく家賃収入を得ることも、売却して資金を得ることも可能です。このような恩恵を得られる期間が長くなればなるほど、効果的なマンション投資が可能になるのです。(ちなみに、このメリットは他の投資や資産運用では得られない、不動産投資だけのメリットです)

なお最近では、ガン保障が付いたマンション投資用ローンも出てきています。このローンを利用すると、仮にローンを組んだ方が亡くなった場合だけでなく、ガンと診断された場合でも(重度のガンだけでなく初期状態のステージ1であっても)、残りのローンが一括弁済されます。

昨今は医療も進歩し、仮にガンにかかったとしても亡くなってしまうケースは少なくなっています。しかし、ガンを患えば一時的にでも収入が減少する可能性があります。2人に1人がガンを患うと言われている現代において、健康状態が良好なうちに「安定が失われるリスク」に備えておくことが大切です。

長期ローンを活用してマンション投資を実践しよう

このように、長期ローンを上手に活用することによって、無理のない範囲で不動産投資を行うことはもちろん、不動産投資のメリットを大きくすることが可能となります。とくに新しい45年ローンは、あらかじめ資金を用意することなく、また期間の利益も得ながら投資でき、団体信用生命保険の恩恵も受けられるローンの性質を、最大限に活用できる金融商品と言えるでしょう。上手に長期ローンを活用しつつ、不動産投資を実践していきましょう。

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