“収入増加”には“空室対策”が肝!不動産投資の王道テクニック

(写真=Cinematographer/Shutterstock.com)
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マンション投資といった不動産投資を行っている方の中には、「空室」に頭を悩ませている方もいるでしょう。事前調査やシミュレーション、情報収集など、事前にできることはたくさんあるものの、空室対策は一筋縄ではいきません。なぜなら、入居者はあくまでも「人」だからです。他人を自分の思い通りに操作することはできません。そのため、どうしても埋まらないときは埋まらないのです。

もちろん、空室が埋まらない原因の一つとして、立地の問題があります。入居者がつきやすいエリアとそうでないエリアがあり、都心部のようにそもそも人口および流入数が多い地域であれば、そうでない地域と比べて、空室率が低くなるのは当然です。ただし、空室が埋まらない原因は立地の問題だけに限りません。入居者を確保する取り組みに問題があることも考えられます。

そんな中「いつか決まるだろう」というスタンスで空室対策をしないのは愚の骨頂です。むしろ、最善手を尽くしたうえで、あとはそれぞれの状況に対処するのが得策ではないでしょうか。「何もしない」のではなく、「できることをすべて実行していく」ということが、完全には予想できない空室対策への近道となるのです。ここでは、その空室対策のテクニックについてわかりやすくまとめて解説していきましょう。

(本記事は2018/04/09配信のものを2020/03/03に更新しております)

▼目次

  1. 大家から管理会社へのアプローチが大切
  2. 設備投資など投資がいる対策も考慮して
  3. 募集条件の見直しも効果的な空室対策
  4. 最後はやっぱり「人と人」

1. 大家から管理会社へのアプローチが大切

1-1. どんなに良い物件でも○○がなければ意味がない

不動産投資を行う上で高利回りや好立地など、どんなに優秀な物件を手に入れても、実際に入居者を集めることができなければ家賃収入によるキャッシュフローは得られません。特に金融機関からの融資を前提とする不動産投資の場合、キャッシュフローが得られなければ、発生する諸費用の支払いはもちろん、返済も重荷となってしまうでしょう。

1-2. 事前の客付け見通しと良い賃貸管理会社の選定を

そうならないために、購入前にあらかじめ客付けの見通しをしておくのがベストです。賃貸中のオーナーチェンジ物件の場合には、万が一退去してもある程度の入居者が確保できると判断したうえで購入を検討するといいでしょう。

空室で購入する場合には、購入してから入居者を集める工夫をする必要があります。たとえば、良い賃貸管理会社をしっかりと選定し、協力してもらうことは、その代表的な手法です。

1-3. 管理会社にお任せだけではなく自らも関与すること

賃貸管理会社から報告を受け、必要な対応を理解したうえで依頼すれば、集客のための最適なアプローチをしてもらうことが可能ですし、物件の価値を高める戦略を考えやすくなります。

もちろん基本的には賃貸管理会社に任せておけばよいのですが、必要な確認や依頼を怠ってしまうと、結果的に物件を放置することになります。そのため、管理会社とともに物件を育てていくという気持ちをもち、適切なコミュニケーションをとることが大切です。

2. 設備投資など投資がいる対策も考慮して

2-1. 物件の魅力を上げるには設備の充実を

賃貸管理会社と協力して物件の魅力度を上げる方法について考えてみます。たとえば、人気の設備を導入したり内装をおしゃれにしたりなど、手を加えて入居者にとって魅力的な物件とすることで、入居率が高まることもあるでしょう。

設備投資として考えられるのは、少ない投資額でできるものでも、電気コンロをIHコンロに交換する、インターホンをモニター付きに交換する、温水洗浄便座を設置するといった方法があります。

2-2. 長期的な投資も空室対策へ期待できる

また長期的な視点から考えて、思い切って大幅なリフォームやリノベーションをするという方法もあります。室内洗濯機置き場を新設する、押し入れタイプの収納をクローゼットにリフォームする、床が和室やカーペットの場合にはフロアタイルに交換することなどが考えられます。費用はそれなりにかかりますが、物件の魅力を大きく高めることができき、特に内覧時に非常に好印象を与えることもできるため、空室対策への貢献が期待できるでしょう。

2-3. デザインに凝り過ぎず、万人受けを狙うべき

ただしリフォームやリノベーションで注意したいのは、デザイン性を高めすぎないようにすることです。好みが分かれるようなデザインを選んでしまうと、内覧時に敬遠されてしまい逆に入居希望者が減ってしまう可能性があります。都心部など入居者の多様性があるエリアであれば、万人受けしやすいシンプルな内装にしておくとよいでしょう。

エリアによっても好まれるデザインは異なるため、デザイン性の高いリノベーションを実施したい場合には慎重に検討しましょう。その地域のニーズを分析し、どのような工夫が求められているのかを知ったうえで着手することが肝要です。

2-4. 社宅利用の法人契約が狙えるなら家具が重要に

単身者が多かったり、あるいは近隣の企業から社宅としての利用が見込まれたりする場合には、必要な家具を備え付けるという方法もあります。家具の有無が内覧者の印象にも大きな影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

物件に対してより好印象をもってもらうためにモデルルームとして家具を設置することはもちろん、希望する入居者には家具をそのままプレゼントするというキャンペーンを行うこともできます。

そうすれば、入居者にとって実質的な初期費用の軽減にもなります。リノベーションより手軽におしゃれな部屋を演出することもできるかもしれません。家具の設置を必要経費としてとらえ、検討してみるとよいでしょう。

3. 募集条件の見直しも効果的な空室対策

設備や内装への投資以外にも、空室対策の方法があります。それは、家賃や初期費用といった入居者を募集する条件面を見直すことです。そもそも部屋探しをする場合、まずは家賃や初期費用といった予算面を重視する方が多いのではないでしょうか。引っ越しをしようにもない袖は振れません。募集条件次第で、選んでもらえるかどうかが大きく変わってきます。

3-1. 募集家賃は相場に合っているか都度の確認を

家賃に関しては、設定した募集家賃が相場に合っているかを確認してみましょう。賃貸管理会社に協力してもらえば、不動産会社専用の検索システムなどで成約賃料相場を調査してもらうことができます。募集開始から数か月経っていると相場が変化している可能性がありますし、引っ越しする人が多い時期と少ない時期など、時期によって相場状況が変わるケースもあります。

3-2. 周辺物件の初期費用も確認しよう

初期費用に関しても、周辺で募集が出ている物件の初期費用を確認してみましょう。賃貸物件を借りる際には、敷金や礼金のほかにも、仲介手数料、当初1~2か月分の家賃、火災保険料、鍵交換費、保証会社を利用する際の初回保証料などがあります。引っ越し業者の手配や家具・家電の購入なども含めて考えると、引っ越しをするときにはある程度まとまった費用が必要となります。必要な金額を用意できず、引っ越しはしたいけれども諦めざるを得ないというケースもあるでしょう。

3-3. 敷金礼金ゼロ、フリーレントという手もあるがそのケースは。。。

そのような入居希望者を想定し、敷金や礼金をゼロにすることや、フリーレント(一定期間の家賃を無料にすること)を導入するなど初期費用サービスを行えば、入居者の負担を軽減し、入居してもらいやすくなります。特に地方や郊外などで不動産投資を行うケースでは、家賃設定だけでなく初期費用をサービスしないと決まりづらいことも多く、どの物件も初期費用を大幅にサービスしているケースがあります。

当然、入居者が初期費用を軽減できるかわりに、軽減した分をオーナーが負担する必要が出てきますが、設備投資や大幅なリフォームを行う場合と比べると、完成するまでの工事期間は必要ありません。同じ費用でも入居者を早く確保できる、つまり早く家賃収入を確保できる可能性を考えれば、より効果的な空室対策となるかもしれません。また、リノベーションや家具設置のように、対策した結果が個々のデザインやセンスに左右されない分、確実性が高い方法ともいえます。

3-4. それでも入居者が決まらないなら“対象範囲”を広げてみる

なお、相場状況に合わせて募集条件を設定したのになかなか入居者が決まらないという場合は、対象範囲を広げて周辺の駅やエリアの相場も確認するとよいでしょう。同じ最寄り駅の相場からみれば魅力的な募集条件設定に見えても、隣の駅でより魅力的な募集条件の物件があったり、同等の募集条件でより便利な立地条件の物件が出ていたりする可能性があります。

4. 最後はやっぱり「人と人」

賃貸管理会社へのアプローチも、また入居者に対するアプローチも、テクニックだけではなく最後はやはり「人と人」としての関係性が重要です。経験豊富な賃貸管理会社の手助けを得るためには、日頃からコミュニケーションをとっておくと良いでしょう。また、入居者に選んでもらうためには、「自分だったらどういう条件の物件に住むか」と考え、空室対策を行うことが大切になってきます。

人の心をつかむことを心がけておけば、空室対策をあまり難しく考える必要はありません。数値だけではなく、人の心に着目した不動産投資における空室対策をぜひ実践してみてください。

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