税金
2019/05/10

相続税対策の前に知っておきたい「保有不動産の相続税評価額」

(画像=Monster Ztudio/Shutterstock.com)
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元気なうちに相続税対策をしなきゃ……という声がよく聞かれます。ただ、多くの世帯の場合「相続税対策以前の問題」が立ちはだかっています。それは、「自分の保有する資産はいくらなのか」という問題です。特に、不動産についてはきちんと把握しておく必要があります。

評価額を知らなければ相続税対策ができない

相続税法上、資産の評価額は原則として「時価」となっています。現預金や有価証券、生命保険金のように、額面通りの金額や相続開始時の時価がある程度把握できるだけが相続財産なら問題ありません。しかし、実際の相続財産には土地や建物などといった不動産のように、一般人には評価額がすぐにつかめないものも含まれているのが多い傾向です。

そのため、相続対策の最初の段階でつまずくのですが、見方を変えると不動産のような「ぱっと見で時価がわかりにくいもの」の相続税評価額をある程度知っておくと、相続税対策を立てやすいということになります。

基礎控除額を超えるかどうかがポイント

最初に押さえたいポイントは、「そもそも相続税対策が必要なのかどうか」です。これを言い換えると「相続財産が相続税法上の基礎控除額を超えるかどうか」ということになります。なぜなら、相続財産が基礎控除額を超えなければ相続税はかからないからです。基礎控除額は次の算式で計算します。

・3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

たとえば、法定相続人が妻1人、子供2人の場合、法定相続人は3人なので「3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円」になります。土地建物を含め、相続財産が4,800万円以下であれば相続税対策は原則不要です。こういった判定の際にも、保有財産の相続税評価額を知っておく必要があり、特に不動産の相続税評価額についてしっかりと把握しておけば相続税がかかるかどうかの判定も楽になります。

土地の相続税評価額

相続税法上、土地の評価方法は主に次の2つです。路線価が定められている地域では「路線価方式」、そうでないものについては「倍率方式」で評価します。

路線価方式

路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地1平方メートル当たりの価額のことで、千円単位で表示しています。路線価方式による相続税評価額計算は以下の通りです。

・路線価(※)×宅地面積(平方メートル)=相続税評価額

※実際には、この路線価にその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などを乗じて補正した後の路線価を用いることが多い傾向です。

路線価方式での相続税評価額は一般に「実勢価格(売却時の時価)×70~80%」といわれています。ただ、実勢価格は常に変動しているため、路線価の方が高くなることもあるでしょう。路線価は毎年7月、国税庁が新たな路線価を発表します。国税庁のホームページで確認することができます。

※「財産評価基準書」国税庁ホームページ

倍率方式

倍率方式による評価額計算は以下の通りです。

・固定資産税評価額×一定の倍率=相続税評価額

この固定資産税評価額とは、市町村(東京23区は都)の固定資産課税台帳に記載された価格のことです。固定資産税納税通知書の課税標準額とは異なります。確認する場合には、自治体から固定資産評価証明書を交付してもらうことが必要です。また、国税庁のホームページで確認することもできます。

※「評価倍率表(一般の土地等用)の説明」国税庁ホームページ

建物の相続税評価額

建物は、建っている土地と区別して評価します。建物の相続税評価額は、固定資産税評価額です。この固定資産税評価額は、倍率方式の土地と同じく、市町村(東京23区は都)の固定資産課税台帳により確認できます。評価額は、一般的に標準的な建築費用の50~70%が目安です。なお、相続開始時に家屋が建築中の場合、固定資産税評価額がないため、「相続開始の日までにかかった建築費用×70%」で評価します。

固定資産税評価額や地域の不動産売買の相場を、土地や建物の相続税評価額として考えている人も少なくありません。しかし、実際の相続税の課税対象となる評価額は上記のように相続税法で定められています。相続税対策を検討する場合、無駄な労力を避けるためにも、正確な相続税評価額を把握しておいた方がよいでしょう。

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