日本全体で高齢化が進んでいくに従い、今後はさらに"相続案件"が増えていくことが予想されています。そもそも相続とは、被相続人(亡くなられた方)が保有していた資産を相続人(資産を引き継ぐ方)が受け継ぐことをいいます。
相続案件が発生した場合、ほとんどの人は初めて相続に対応することとなるため、手続きに追われてしまうケースも少なくありません。そうならないよう相続対策をあらかじめ考えておくことが大切です。また、相続税対策に関しては2018年度の税制改正において「小規模宅地等の特例」の適用範囲が狭められた影響もあり、早い段階で取り組まなければ効果を発揮できません。
相続対策として最初にやるべきなのは、現在の資産状況を把握することです。相続の対象となる資産の状況を把握し、実際に相続が発生した場合に対応できるよう環境を整えておけば、いざというときにも慌てずに対処することができます。現在どのような資産があるのかを精査したうえで相続税を納める必要があるのかを把握すること、実際に相続が発生した時にどのようにして分けるのか、相続人の間でトラブルとならないよう決めておくことが求められます。
特に注意したいのは、相続発生時のトラブルとして、「どのようにして資産を分配するのか」がなかなかまとまらないケースです。その原因はまさに、分けにくい資産を保有していることにあります。例えば、被相続人の自宅とその敷地、一棟マンションやアパートなどが分けにくい資産の代表です。トラブルを避けるための対策としては、資産をきちんと維持できる状況を保ちつつ、相続時にも分配しやすい状態にしておくことが挙げられます。
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相続対策では「分けやすさ」と「相続税」を考慮する
では、どうすれば資産を分けやすくできるのでしょうか。相続対策として、具体的な方法を考えてみましょう。分配しやすい資産の形態としてまず思いつくのは現金です。現金で資産を保有しておけば、1円単位で分けられるため、一番良い方法に思われるかもしれません。しかし、現金で相続する場合、"相続税"の問題が生じてしまいます。
そもそも現金で財産を相続する場合、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える部分については、相続税がかかる可能性があります。しかも、その金額が大きければ大きいほど税率もあがり、最大で55%もの税率が課せられることとなるのです。
一方、資産を不動産で保有しておけば、相続税を節税することができます。もともと不動産はその評価額が優遇されています。なかでも投資物件(賃貸用不動産)は、土地に対する「小規模宅地等の特例」と「貸家建付地の評価減」、建物に対する「借家権割合による評価減」を適用することで、現金と比べると約3分の1の相続税評価額になります。そのため、相続税も考慮した相続対策としては、現金ではなく投資物件で保有することがひとつのポイントになるでしょう。
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「資産の分配」には都心の区分ワンルームマンションが効果的な理由
ただし、資産を投資物件で保有するとなると、冒頭で述べている分配の問題が生じてきます。そこで効果的なのが、現金や分けにくい資産を「区分マンション」に換えておくことです。資産を区分マンションで保有しておくことで、相続税を節税しながら相続発生時に分配しやすい状況を構築できます。
・区分マンションの複数所有なら資産の分配がしやすい
一棟マンションやアパートで相続税対策を行う方も見受けられますが、その場合には相続発生時の分配の問題が生じます。一方で、区分マンションを複数所有することで相続税対策を行えば、分配しやすいため、相続のときにも安心です。
具体的には、同等の価値をもった部屋を相続人の数に応じて(人数分あるいは人数の倍数分)所有し、相続人それぞれに分配することを遺言や家族信託などで指定します。資産を分配しやすい形態に換え、あらかじめ平等な分配方法を指定しておけば、トラブルに発展することも少ないでしょう。
・もらってうれしい都心の区分ワンルームマンション
さらに付け加えると、相続対策には"都心の区分ワンルームマンション"が効果的です。東京都では今後も単身世帯が増加し続ける見通しとなっていて、東京23区では2035年に単身世帯割合が全世帯の50%を超えると予測されています。このことから、都心の賃貸需要は将来的にも堅調に推移すると考えられています。引き継いだあとも長期にわたり収益を生み出す都心の区分ワンルームマンションは、相続人にとって「もらってうれしい」資産となることでしょう。
加えて、地方や郊外の区分マンションと比べて資産価値が維持されやすく、一棟マンションやアパートと比べて流動性が高い傾向があります。そのため、仮に相続人が保有を希望せず手放したい場合に、納得のいく価格でスムーズに売却できる可能性が高くなります。また、引き継いだ区分マンションが複数の場合には、一つは保有し、もう一つは売却して現金化するという方法もあります。このように、引き継いだ相続人が複数の選択肢をとれるという点でも、都心の区分ワンルームマンションは相続対策に適しているといえます。
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相続対策には都心の区分ワンルームマンション投資が優れている3つの理由
いつ発生するかわからない相続に備え、まずは家族・親族間で話し合う
決して喜ばしいことではありませんが、相続はいつ発生するかわかりません。極端に言えば、今日明日にも発生するかもしれません。そして、相続事案が発生してから対応しようとしても、できることが限られてしまいます。だからこそ、相続対策は早い段階から進めておくことが求められるのです。
相続発生時にトラブルとなりやすい「資産の分配」を考えると、相続税を納める必要があってもなくても相続対策は必要です。都心の区分ワンルームマンションで資産を保有するメリットもふまえ、どのように相続対策を行うべきか家族・親族間で話し合う機会を設けることが大切です。
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