こんな方法も?!資産の組み換えで考える相続税対策

(写真=TAW4/Shutterstock.com)
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相続税の問題でもめてしまうケースの多くは、相続人の間における「相続財産の分割」です。お金の問題はトラブルに発展しやすいだけではなく、多額の財産が絡んでくるため事件へと発展してしまうケースもあります。遺産相続問題のいざこざは想像するに難くありません。

とくに、残された相続財産が分けにくい性質をもっている場合はなおさらです。たとえば、土地や建物(家屋)などの財産です。国税庁の調査によると、平成28年中に発生した相続において、相続財産の構成比は、現金・預貯金が31.2%、有価証券が14.4%なのに対し、土地・家屋はあわせて43.5%にものぼります。つまり、それだけ分割しにくい財産を所有しているということです。

分割しにくい財産を多く保有しているということは、それだけ遺産分割協議が難航しやすいことを意味します。できることなら、被相続人が生前のうちに、何らかの対策を講じておくべきでしょう。具体的には、資産を適切に組み換えることによって、相続財産を分割しやすい形に整えておくとことをおすすめします。

【参考記事】家族・親族のためにまずは知っておこう!相続が「争族」になる原因

土地や建物は分割できないと争いのもと

もともと通貨は、物々交換による弊害、とくに"価値の分解"という観点から生まれたものです。価値と価値とを交換するには、それぞれの価値量を同程度にしなければならず、その点、特定の物よりも細分化しやすい"現金"が求められたというわけです。それは相続においても同様で、分割しにくい土地や建物は争いのもとになりかねません。

では、保有しているすべての財産を現金にしておけば良いのでしょうか。それでは、相続対策として十分とはいえません。なぜなら現金は、額面がそのまま相続税の課税対象となってしまうためです。また、株式等の有価証券に変えた場合も、課税時期の最終価格(時価、上場株式の場合)によって評価されてしまうため節税にはつながりません。

「上場株式の評価」国税庁

相続が"争続"にならないようにするために、分割しやすい財産へと変えておくのが基本だとしても、「何に変えるのか」という点をおろそかにしてしまえば、相続税対策としては不十分なのです。そこで「都心部の投資用ワンルームマンション」への組み換えが狙い目です。投資用マンションであれば、財産を分割しつつ、相続税評価額を大幅に下げ、さらには得られた家賃収入を納税原資や生活資金、介護費用等に充てることもできます。

土地活用よりも資産の組み換えが優れている3つの理由

土地を保有していて相続税に関心がある方は、「相続税対策なら土地活用でも良いのでは?」と思うかもしれません。たしかに、保有する土地に賃貸マンションやアパートを建築すれば、保有する土地の相続税評価額を下げることができ、家賃収入を得ることもできます。土地の形状や接道条件にもよりますが、数棟に分けて建設することができれば分割に苦労しないという面もありますし、所有している土地が都心部にあって駅から近いなど、立地次第では安定した賃貸需要も期待できるかもしれません。

しかし、そのような好条件の土地を所有できているケースは少ないのが実情でしょう。地方や郊外にある代々受け継がれた土地が、活用方法もなく遊休地となってしまっているケースも多く見受けられます。このような土地を無理に活用するのは得策とはいえません。それよりも都心部の投資用ワンルームマンションへの組み換えを検討したほうが有効といえます。

土地活用よりも資産の組み換えが相続税対策として優れている理由は、大きく3つあります。一つめは、相続税評価額という点です。都心部の投資用ワンルームマンションは収益性があることから、時価に対して建物の固定資産税評価額が割安になっているという実態があります。そのため、賃貸マンションやアパートなどの土地活用と比べ、相続税評価額の圧縮効果が高くなります。

二つめは、家賃収入という点です。都心部では単身者の流入が顕著で、ワンルームマンションに底堅い需要があるため、安定した家賃収入が期待できるという点です。土地活用ではエリアの将来性が空室リスクに大きく影響し、保有している土地の立地条件が良くない場合には負の資産(負動産)となってしまうこともあり得ます。その点、リスクがあるといえます。

一方、投資用マンションへの資産の組み換えを行うと、立地の選択が可能となります。どの投資用マンションを購入するのかはもちろん、あらかじめ賃貸需要が見込める都心などのエリアを中心に購入判断をすれば、リスク資産になってしまう可能性を減らすことができます。得られた収益を積み上げて、相続税の支払いに備えることも可能です。

三つめは、相続財産の分割という点です。そもそも投資用マンションは1部屋ずつ所有権が設定されていますから、相続財産のなかに含まれていても配分は難しくありません。物件を相続した側としても、保有し続ければ家賃収入が得られ、売却して現金に換えることもしやすいなど、選択の幅が広くなります。相続後のことまで見越して考えると、投資用マンションに組み換えることの有効性がより理解できるでしょう。

資産の組み換えを行う場合の注意点

資産の組み換えを検討する際に注意しておくべき点として、売却時の流動性が問題となります。地方や郊外の立地で、しかも分割しづらい土地や一棟マンション・アパートなどの場合は流動性が低く、すぐに売れるとは限りません。希望するタイミングで売却しようとするならば、価格を下げて売る必要があるかもしれません。

ですが仮に売却できず後世に残してしまうこととなれば、残された家族・親族が苦労する可能性が高まります。一定以上の相続税評価額となれば相続税を納めなければならないケースもありますし、相続時に分割ができず争いのもとになる可能性があります。さらには相続後の利用や処分が難しいことに加え、保有していると維持・管理の手間や費用がかかり、固定資産税を納め続けなければならないなど、負の遺産(負動産)となってしまうリスクがあるのです。そのため、できるだけ早いうちから行動に移すことが大切です。

残された家族が安心できる相続税対策を考えることが大切

相続税対策として大切なのは、納める相続税額を減らすだけではなく、残された家族がいかに安心して相続できるかということです。そう考えると、地方や郊外の不動産を保有しておくのではなく、安定的に賃貸需要が見込める都心部のワンルームタイプも視野に組み換えを検討すると良いでしょう。相続対策は早めの行動が重要です。財産の状況を把握し可能な限り先手を打てるように準備してください。
 

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