物件購入の前にこそ知るべき不動産投資の“差別化戦略”4選!

(写真=PIXTA)
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少子高齢化にともなう人口減少が進んでいる日本においては、これから先、不動産投資にも戦略が欠かせません。特に、いかにして他の物件との“差別化"を打ち出せるかという視点は、これからの不動産投資家にとって不可欠なものといえるでしょう。他の物件との違いが打ち出せなければ、結果的に入居者から選ばれることが少なくなってしまうためです。

では、どのようにして他の競合物件との差別化戦略を図れば良いのでしょうか。ポイントは、優位性のあるエリアや地域を投資対象として、入居者に選ばれやすい物件を選ぶこと、さらには購入後に安定して入居者を確保できる体制を整えておくことにあります。つまり、賃貸需要を分析したうえで立地や物件を選定し、どのような賃貸経営をしていくべきなのかをイメージすることが、不動産投資家には求められるのです。

(本記事は2018/09/07配信のものを2020/03/12に更新しております)

▼目次

  1. なぜ不動産投資に差別化が必要なのか?
  2. 不動産投資における4つの差別化戦略
  3. 戦略的な差別化を実現するために

1. なぜ不動産投資に差別化が必要なのか?

そもそもビジネス用語としての「差別化戦略」とは、競争戦略のひとつです。この概念はアメリカの経営学者であるマイケル・ポーターによって提唱されました。具体的には、特定の商品における市場を同質とみなしたうえで、競合他社の商品と比較した場合、機能やサービス面で差異(違い)を設けた結果、競争優位を得ようという発想になります。

差別化戦略を不動産投資に応用するポイントは下記の通りです。

  • エリアや地域(市場)の特性を把握し、優位性のあるエリアの物件を購入する
  • 他の物件(競合他社)と比較する
  • 設備や住みやすさ(機能やサービス面)などの差異を設ける
  • 安定的に入居者を獲得する(競争優位を得る)

そうすることによって、不動産投資の成功確率がより高まると期待されます。

2. 不動産投資における4つの差別化戦略

具体的に、不動産投資においてはどのような差別化戦略が考えられるでしょうか。ここでは、主に4つの差別化ポイントを紹介していきます。それぞれの差別化ポイントを組み合わせることによって、より効果の高い差別化を実現することが可能です。

2-1. 立地

まずは「立地」です。特に東京都心や23区など、現在だけでなく将来的にも人口増加が見込まれるエリアで物件を購入することが、不動産投資を有利に進める第一条件です。次に、その中でも六本木や3A(青山・赤坂・麻布)、銀座など超都心部のブランドエリア、山手線内側、都心へのアクセスに優れ利便性の高い(「駅力」のある)駅など、立地を絞っていきます。さらに、物件から駅までの距離や、生活に便利な周辺環境などを考慮して、競合物件よりも優位性のある物件を探してみましょう。

2-2. 建物構造

次に、「建物構造」にも着目してみてください。建物の構造は、鉄筋コンクリート造(RC造)や木造(W造)などが主流となりますが、それぞれに特徴は異なります。耐震および耐火性能はもちろんのこと、生活音や暑さ・寒さへの対応など、建物の構造によって違いがあるのです。それらの違いを理解したうえで、差別化につながる物件をチェックしてみてください。

2-3. 設備

立地や建物構造で競合物件と差がない場合に、「設備」で差がつくこともあります。単身者向けのワンルームマンションといった物件であれば、近年はネットショッピングの普及により宅配ボックスの需要が高まっています。また、オートロックや防犯カメラなどセキュリティー関連設備は、女性の入居者を取り込むための必須設備と言えます。さらに差別化という点では、浴室換気乾燥機や独立洗面化粧台など、プラスアルファの設備も押さえておくと良いでしょう。

【参考記事】
入居付けに有利!入居者が選ぶ設備10選(シングル版)

2-4. 賃貸管理

差別化戦略において忘れてはならないのが「賃貸管理」です。賃貸管理会社選びにおいては管理代行手数料にばかり目を向けるのではなく、物件を所有した後のマンション経営等が安定したものとなるよう、どのようなサービスを受けられるのか把握することが大切です。

例えば、入居者募集は家賃収入に直結する業務のため重要な差別化ポイントです。空室期間を短くして安定的に入居者を確保するためには、家賃や初期費用など募集条件を適切に設定しなければなりません。この点では、入居稼働率が高く、入居者募集に定評のある賃貸管理会社を味方につけたいものです。

また、突発的に設備の不具合が生じた場合にどうやってスムーズに対応するか、修理や交換対応を行う場合の費用をどうするかといった点では、サービス内容が手厚く、しっかりとバックアップしてくれる賃貸管理会社が良いでしょう。このような点も考慮し、賃貸管理業務において優位性があり、安心して任せられる賃貸管理会社をあらかじめ選定しておくことが、不動産投資の差別化では大切になってきます。

3. 戦略的な差別化を実現するために

このように、戦略的な差別化を実現するためには、“購入後”ではなく“購入時点”での意識が欠かせません。購入してからできることは限られています。

そうではなく、購入する時点において差別化を意識しておくことが、より不動産投資の成功確率を高めてくれることでしょう。数ある物件の中から、自分の物件を選んでもらうために、どのようなものであればより選ばれるのかを考慮に入れて、幅広い観点から検討してみましょう。

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