進む東京都心の再開発(6)

東京・首都圏の道路整備「首都高・環状2号線・首都圏の交通インフラ」の再開発から目が離せない

(写真=photograph japan/Shutterstock.com)
(写真=photograph japan/Shutterstock.com)

新型コロナウイルスの影響がなければ2020年に開催されるはずだった東京オリンピック。そして、その東京オリンピックにあわせて造られたすべてのものをオリンピック後の素晴らしいレガシィとするために、現在、東京および首都圏各地ではさまざまな道路整備やそれに伴う再開発が行われています。建築された強固な街のインフラはまさに、その後の東京および首都圏を担うレガシィになり得るでしょう。

そこで今回は、とくに「首都高」「環状2号線」「首都圏の交通インフラ」という3つの視点から、東京・首都圏の道路整備状況について概観してみましょう。道路をはじめとする交通インフラの工事状況から、未来の東京・首都圏をイメージしつつ、街の移り変わりや今後の市況についても考えてみてください。

(本記事は2018/04/13配信のものを2020/04/27に更新しております)

▼目次

  1. 首都高の整備
  2. 環状2号線の整備
  3. 首都圏の交通インフラも整備が進む

1. 首都高の整備

まずは、都内の自動車交通に欠かせない「首都高」の状況です。首都高では、2015年3月に「中央環状線山手トンネル(高速湾岸線~高速3号渋谷線)-中央環状品川線-」の工事が完了し無事に開通しています。これにより、大井ジャンクションから大橋ジャンクションまでの約9.4kmがつながりました。中央環状線の全線開通となります。

また、2018年3月10日に晴海~豊洲間を結ぶ「晴海線」が開通しました。これにより、有明通りや晴海通りの渋滞緩和が見込まれるのはもちろん、晴海地区全体の混雑解消、さらにはオリンピック選手村と羽田・成田間の主要交通網としての機能も期待されています。

オリンピック後に関しては、老朽化対策をはじめとしたインフラのさらなる整備と首都高における日本橋周辺の地下化構想など幅広く検討されています。都心の交通を担ってきた首都高の役割は、東京オリンピック、そしてその後にわたってさらに拡大していくことが予想されます。

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2. 環状2号線の整備

次に、江東区有明から中央区および港区を経て、千代田区神田佐久間を結ぶ「環状2号線」について見ていきましょう。平成26年3月の段階において、新たに新橋から虎ノ門までの約1.4km区間が開通しています。昭和21年に都市計画が定められてから、実に68年のときを経ての完成となりました。いわゆる「新虎通り」の開通です。

今後は、未開通となっている豊洲から新橋までの3.4km区間も開通し、現状2021年に開催延期となっている東京オリンピックにおいても重要な交通網へと発展する予定です。また、オリンピック後については、都心と臨海副都心とを結ぶ「BRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)」などの運行も構想されており、さらなる可能性を秘めています。

3. 首都圏の交通インフラも整備が進む

さらに、首都圏の交通インフラである「3環状道路」についてはどうでしょうか。そもそも3環状道路とは、首都圏の主要交通を形成する「首都高中央環状線」「外環道(東京外かく環状道路)」「圏央道(首都圏中央連絡自動車道)」のことです。これらのうち、今後は外環道と圏央道が順次整備されることで都心部の混雑緩和が期待されます。

具体的な今後のスケジュールについては、「外環千葉県区間」が2018年6月までの開通を、そして「高速横浜環状南線」と「横浜湘南道路」(ともに圏央道)が2020年度の開通を予定しています。また、直近の整備状況としては外環道において「三郷南―高谷」間、圏央道においては「境古河―つくば中央」「藤沢―釜利谷」間などがあります。

このように、もともと2020年開催予定だった東京オリンピックに合わせて、さまざまなインフラの整備や再開発が進められています。オリンピックによって日本人はもちろん、海外の人々がさらに多く訪れることを考えると、交通網の整備は喫緊の課題です。一方で、東京・首都圏をさらに発展させる可能性を秘めているのはいうまでもありません。

当然のことながら、現在の新型コロナウイルスの影響がいつまで長引くのかにもよりますが、首都圏の交通インフラ整備が国内経済大きな影響をおよぼすことが予想されます。また、事業や投資の環境が変わることにより、予想を超えたさらなる発展も期待できるかもしれません。今後も、東京・首都圏の整備状況からは目が離せません。

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