進む東京都心の再開発(4)-2
前編では、東京駅の西側・丸の内口の再開発について紹介しました。後編では、東側・八重洲口の再開発について見ていきましょう。特に東京駅の東側・八重洲口では、延期が決定されている東京オリンピック以降の再開発が注目されています。
「東京都都市再生プロジェクト(東京圏国家戦略特別区域)」には、都内28件のプロジェクトが予定されています。そのうち、12件ものプロジェクトが東京駅周辺に集まっているのです。
では、具体的に、どのような再開発が予定されているのでしょうか。ビジネスや政治、国際交流、観光の拠点として発展する東京駅東側・八重洲口の再開発について、詳しく見ていきます。(前編「東京駅の西側・丸の内口の再開発」と合わせてご覧ください)
(本記事は2018/03/13配信のものを2020/04/24に更新しております)
東京駅東側の再開発で最も注目されている再開発として、三菱地所が手がけている「常盤橋街区再開発プロジェクト」があります。このプロジェクトは、敷地面積約3.1ヘクタール、総延床面積およそ68ヘクタールとなる大規模複合再開発です。2017年4月より4棟の開発が順次着工し、2027年度には全体が完成する予定です。
建設予定のビルは、地上約390メートル(地上61階・地下5階建て)の超高層ビル。2020年4月時点で高さ日本一の超高層ビル「あべのハルカス(高さ300メートル)」や「東京タワー(高さ333メートル)」を超える規模になります。そのため、東京の新たなランドマークになることが想像されます。
また、再開発によって都市基盤の強化も期待されています。敷地内に約7,000平方メートルの大規模広場を整備して災害復旧活動の拠点としつつ、下水ポンプ場や変電所を整備することによって機能更新と環境負荷低減をはかります。
なお、「常盤橋街区再開発プロジェクト」から永代通り・日本橋川沿いに進んだ日本橋方面では、2016年5月に「東京都都市再生プロジェクト(東京圏国家戦略特別区域)」に追加された地区を含め、再開発地区が点在しています。
加えて、大手町エリア~日本橋・兜町エリアでは、「東京国際金融センター構想」の中核を担う役割も期待されており、近年注目されている“フィンテック(金融とIT技術の融合)”をはじめとした金融ビジネスの拠点として整備が進む見通しです。
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一方、八重洲地区でも再開発が進められています。その筆頭として、虎ノ門ヒルズに匹敵する高さ255メートルの超高層ツインタワー建設が進んでいます。
また、三井不動産が手がける「八重洲二丁目北地区再開発」では、高さ約245メートル(地上45階・地下4階建て)のビルにオフィスやホテルのほか、再開発地区内にある小学校が組み込まれる予定です。超高層ビル内に公立小学校が入居するのは国内初となります(2021年度中に完成予定)。
さらに、東京建物が手がける「八重洲一丁目東地区再開発」では、高さ250メートル(地上54階・地下4階建て)のビルにオフィスや店舗はもちろん、国際会議場や外国人に対応した医療施設も入る予定です。着工は2020年秋を予定。2024年3月の完成を目指します。
その他の再開発案件としては、ツインタワーの地下部分に巨大バスターミナルが整備されています。対象エリアである2ヵ所の合計は約1ヘクタール。これにより、東京駅周辺に分散するバス乗り場が集約され、東京駅と羽田・成田の両空港、地方都市などを結ぶ高速バスの利便性が向上する見通しです。
一連の再開発においては、帰宅困難者の受け入れスペースや備蓄倉庫の整備など、防災機能の強化だけでなく、エリア内でのエネルギー効率化による環境負荷低減も期待されています。
東京駅東側・八重洲口エリアは、2021年への延期が決定されている東京オリンピック以降に完成を控えている再開発事業が多くあります。そのため、選手村の再開発や築地市場跡地再開発などと並び、オリンピック以降の発展が期待できます。
また、高速バスターミナルの整備に加え、東京駅~羽田空港間のアクセス改善としてJRが羽田空港への乗り入れを検討しています。この構想が実現したとすると、東京駅が国際拠点として果たす役割は大いに高まり、東京駅周辺エリアはさらなる発展を遂げる可能性もあるでしょう。
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