都心の再開発
2019/03/08

進む東京都心の再開発(19)

湾岸エリアその2 環状2号線、東京BRT、「HARUMI FLAG」 東京オリンピック・パラリンピック後も進化し続ける

(画像=PIXTA)
(画像=PIXTA)
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを目前に控え、日本経済は関連する銘柄だけにとどまらず、さまざまな方面から盛り上がりをみせています。開催都市としては、1964年の東京開催から実に56年ぶりということもあり、2020年をひとつの節目として、日本が大きく変わっていくきっかけになると予想している人も少なくありません。

特に、東京オリンピック・パラリンピックの競技会場が最も集中する「湾岸エリア」では、大会が開催されるまでの期間はもちろんのこと、大会終了後もさらなる発展が見込まれます。最近では、築地市場の移転に伴う環状2号線の整備、BRTの事業計画の修正、選手村を再開発する「HARUMI FLAG」プロジェクトなど、大きな動きが出てきています。今回はあらためて、湾岸エリアにおける再開発の動向に注目してみましょう。

▼目次

  1. 東京オリンピック・パラリンピックの経済効果
  2. 東京都中央卸売市場の移転により、環状2号線の豊洲~築地間が暫定開通
  3. 「東京BRT」の事業計画修正、プレ運行と本格運行
  4. 選手村として活用される「HARUMI FLAG」の開発
  5. 大きく発展する可能性を秘める湾岸エリア

東京オリンピック・パラリンピックの経済効果

東京オリンピック・パラリンピックがいかにインパクトの大きいイベントなのかについては、数字の面からも明らかです。東京都オリンピック・パラリンピック準備局の調査によると、直接的な経済波及効果(生産誘発額)は、東京都だけで3兆3,919億円。全国では5兆2,162億円と試算されています。レガシー効果も含めると、それぞれ約20兆円、約32兆円と試算されているのです。自然と期待感が高まるのも無理はありません。
 
「大会開催に伴う経済波及効果」東京都オリンピック・パラリンピック準備局

不動産関連の動向を見ても、東京オリンピック・パラリンピック開催のための開発が、都内各所において急ピッチで進められています。たとえば、新設が必要な競技会場の建設はもちろん、選手や観客の移動に利用される交通インフラの整備など、2020年に向けて慌ただしく工事が進んでいるのが実情です。これから数年のうちに、見た目も利便性の面からも「東京」がさらに変貌を見せることとなるでしょう。

東京都中央卸売市場の移転により、環状2号線の豊洲~築地間が暫定開通

環状2号線 暫定開通区間拡大図(東京都建設局 2018年10月12日報道発表資料より)
2018年11月4日。東京都中央卸売市場の移転により、豊洲(江東区豊洲6丁目)と築地(中央区築地5丁目)を結ぶ環状2号線が暫定開通しました。江東区有明を起点とする環状2号線は、中央区、港区、千代田区へとつながる道路です。築地市場の移転が延期されたため、この区間の開通が不安視された時期もありましたが、今回の措置により、大会開催時の交通インフラとして利用可能な見通しとなりました。

豊洲~築地間については、東京オリンピック・パラリンピックの選手村が設置される予定の晴海地区を経由しています。そのため、2020年の五輪開催を見越し、災害時の避難ルートを想定した臨海部と都市部とのアクセス性能が試されることになるでしょう。地下トンネルを含む全線開通が予定されている2022年に向け、さらなる利便性の向上が期待されます。

「東京BRT」の事業計画修正、プレ運行と本格運行

東京BRT運行計画(東京都都市整備局 公式サイトより)
都心と臨海地域とを結ぶ、バスを基盤とした大量輸送システム「BRT」(Bus Rapid Transit)の整備計画も進められています。BRTの整備は、増加が予想される湾岸エリアの交通需要に対応するための一つの施策です。東京オリンピック・パラリンピック開催時はもちろん、大会終了後の交通利便性向上が期待されます。

2016年4月に策定された事業計画については、周辺状況の変化をふまえ、2018年に改定されています。とくに運行計画に関する具体的な改定の中身としては、次の通りです。
  • 2020年度に一部区間(虎ノ門~晴海二丁目)で運行を開始(プレ運行)
  • 東京2020大会後、運行ルートを拡大
  • 2022年度以降、環状第2号線本線トンネル開通後に公共交通優先施策や運賃収受の工夫による停車時間の短縮などを図り、速達性、定時性を確保したBRTの本格運行を実施
2018年11月には公募の結果、BRTの名称が「東京BRT(英語表記:TOKYO BRT)」に決定となりました。応募数が最も多かったことに加え、日本人でも外国人でも、老若男女を問わず認知されやすいシンプルな名称であったことが決定理由となっています。2019年1月には、専門家や一般の方からの意見募集結果をふまえ、東京BRTのデザインが決定しています。

 
東京BRTロゴ(東京都都市整備局 公式サイトより)
東京BRTとして運行する連節バス(東京都都市整備局 公式サイトより)
2020年のプレ運行、2020年大会後のルート拡大、さらには2022年以降の本格運行を経て、BRTがより拡充されていく計画とされています。今後の動向に注目しておきましょう。

「都心と臨海地域とを結ぶBRTに関する事業計画」の改定とBRTの名称募集について|東京都都市整備局
都心と臨海地域とを結ぶBRTの名称の決定とデザイン案への意見募集について|東京都都市整備局
都心と臨海地域とを結ぶ東京BRTのデザインの決定について|東京都都市整備局

選手村として活用される「HARUMI FLAG」の開発

HARUMI FLAG完成予想CG(特定建築者11社が2018年10月31日に発表したプレスリリースより)
最後に、東京オリンピック・パラリンピックの選手村として活用される予定の「HARUMI FLAG」について見ていきましょう。晴海五丁目西地区の開発区域であるHARUMI FLAGには、約13ヘクタールの敷地に、5632戸の住宅、店舗、保育施設など、トータル24棟の建物が建築される予定です。選手村として活用後、入居は2023年3月を予定しています。

大会時は「仮使用」制度を活用し、大会終了後に内装工事等を経て竣工。新築マンションとしての供給になります。最寄りの勝どき駅からは徒歩17分となりますが、環状2号線やBRTなどの整備により、移動に関する利便性は高くなると予想されています。まさに、「選手村を誰もが住んでみたいと思えるまちに」というコンセプト通りのまちになりそうです。

大きく発展する可能性を秘める湾岸エリア

このように、湾岸エリアは東京オリンピック・パラリンピックを契機として、大きく発展する可能性を秘めたエリアです。今後の動向からも目が離せません。

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Vol.4-1:東京駅周辺エリア(前編)東京駅西側・丸の内口の再開発
Vol.4-2:東京駅周辺エリア(後編)東京駅東側・八重洲口の再開発
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